照明、抱擁、コーヒー
Standart Japan 第15号では、コーヒーを世界的な飲み物へと発展させながらも内戦に苦しむイエメンの今や、スペシャルティ・ロブスタの将来、長崎県のKariomons Coffee Roasterオーナーの伊藤さんが抱えるモヤモヤについてお伝えします。
特集記事は、サステナビリティに関して企業が伝えるメッセージについて。そもそもサステナビリティにまつわる取り組みはどのように評価し、その結果は誰に対して発信するものなのか、実態を伴わずに環境へ配慮しているように振る舞う「グリーンウォッシング」などについて考えます。
イエメン
世界で初めてコーヒーが商業用に栽培されたというイエメンですが、長きにわたる内戦と人道的危機の影響で、かつての栄光に影が差しつつります。コーヒーは世界進出のチャンスを掴んだこの地につかの間の平穏をもたらせるのでしょうか?
スペシャルティの限界:環境政策と左派
「スペシャルティ」とは、ある一定の水準をクリアしたコーヒーすべてに自動的に与えられるべき称号なのか。環境への取り組みは生豆の評価項目に加えられるべきなのか。あるチャットから始まった、「スペシャルティ」の定義を巡る熱い議論。
店名の裏側
カフェの店名に隠された意味や願いについて、世界中にある私たちお気に入りのカフェのオーナーやその友人に聞きました。
Meet Your Barista
「自分のコーヒー」を求めて小笠原諸島の父島にたどり着いたUSK COFFEEのUSK (宮川雄介)さん。台風吹き荒れる離島でコーヒー栽培に挑む彼の半生に迫ります。
ロブスタの再考
スペシャルティコーヒーの世界では長きにわたってアラビカの陰に隠れてきたロブスタ。でもそのイメージは現在変わりつつあります。私たちはベトナムへ向かい、ロブスタの起源に迫りました。
シャウト!
長崎県にあるKARIOMONS COFFEE ROASTER のオーナー伊藤 寛之さんに、バリスタの役割について彼が現在抱えているモヤモヤを吐き出してもらいました。
ボスでいるということ
ドイツ・ベルリンのThe Barn オーナーRalf Ruellerさんが語る、人生の波や輪について。コーヒーの世界に入る前は銀行員、さらには役者として生活し、日本での生活も経験した彼が目指すものとは。
コーヒー企業のサステナビリティ戦略
サステナビリティの推進自体は必要で良いこと。でも誠実さや真正性に目を向けると、「グリーンウォッシング」をはじめとする見たくない現実が浮かびあがってくることも。サステナビリティはどう評価し、誰に向けてどのようなメッセージを発信することが求められているのか、ワールドコーヒーリサーチ(WCR)に長年勤めるGreg Meenahan氏が解説します。
ホスピタリティ最前線:フードプリント
気候変動の主因であり、解決策にもなりうる食料生産。その行く末を左右するのが、私たちの日々の選択です。食べるものの選択や食品廃棄について考えなければいけないポイントをご紹介します。
欲望の客体
時としてセクシーな一面を見せるコーヒー器具に愛の言葉をささやく、バリスタやホームブリュワーの姿をまとめたフォトエッセー。
Meet Your Guest
性にまつわるモヤモヤを漫画で表現するパレットーク。その編集長を務める合田 文さんが語る、日常に潜む偏見、会話の重要性について。 鍵は「問い続けること」。
ダイナーのコーヒーとVictorマグを愛してやまないアメリカ人の心理
白黒チェックの床に、ビニール張りのボックスシート、カウンターに並ぶシルバーのスツール、一杯の値段でポットから肉厚なマグに無限に注ぎ続けられるダイナーのコーヒー。欠点を分かっていたとしても、なぜダイナーコーヒーはあんなに恋しいのでしょうか?
エンツォが豆を感じるようになるまで
すべてを失い、サンファン旧市街をさまよっていたエンツォ。そんな彼がカフェでの出会いから人生の再起を目指す物語。
ローマ
犬も歩けば史跡にあたるローマ。灼熱の太陽から逃げるようにカフェに駆け込むと、そこにはタイムトラベルのヒントが。
(公式ウェブサイトより抜粋)
About Standart
現代はデジタルで溢れかえっています。優れたコンテンツは、じっくりと腰を据えて読む価値があると信じているStandartにとって、紙媒体こそが、洗練されたデザインを通して世界中から届く素晴らしいメッセージを伝える最適な手段だと考えています。120ページ以上もの美しくデザインされた1冊の本には、インタビューや知的好奇心を刺激する記事、世界都市ガイドやショートストーリーといった様々な角度から捉えたコーヒーの魅力がぎっしり詰まっています。Standartは、ニューヨーク、ロンドン、メルボルン、東京などで活動する才能溢れるアーティストやライターといったコントリビューターたちによって支えられています。
現在、Standartのお取り扱い店は世界53カ国以上に広がり、創刊した2015年と翌年2016年には、コーヒーニュースサイトのSprudgeより、Best Coffee Magazines部門のSprudgies Awardsにノミネートされました。2017年3月にStandartは日本語での販売を開始します。この日出ずる国に根付くコーヒーへの情熱と活気の溢れるコミュニティーの一員になるべく、Standart Japanの創刊号が日の出を見るのです。
Standart Japanの見どころは?
“Standart Japanは、スペシャルティコーヒー文化の美しさをそれぞれ異なる視点から3つのチャプターに分けて読者にお届けします。
ひとつ目はCoffee(コーヒー)。コーヒーの生産方法から豆の種類、輸送、焙煎、飲み物として消費者に提供されるまで、いつも飲んでいるコーヒーに関する基本的なことから最新の研究結果や問題など、コーヒーをもっとよく知るためのチャプターです。
ふたつ目はPeople(人)。カウンターの向こう側のバリスタたちやロースター、インポーターや生産者、メーカーやショップの経営者といった人たちが、コーヒー業界をより複雑に、より面白く形成しています。業界のトップランナーとのインタビューや技術的な指南など、コーヒーに関わる全ての人々に注目するチャプターです。
最後はWorld(世界)。コーヒーは世界中で楽しまれています。様々な国や地域で、コーヒーの文化が育まれ、歴史を作り、コーヒーを中心として世界中がひとつの大きなコミュニティとなってきています。このチャプターでは、カフェインでスッキリさせた頭とクリアな視界で世界を観察し、読者と世界中を旅します。
記事はすべて日本語です
詳細
言語:日本語
出版:日本、2021年2月
状態:新品