新年早々、中々の美味しいコーヒーを並べてしまいました。人気投票の決勝戦のように、どれもおすすめなので決めきれないのですが、その中でもぜひおすすめしたいデイリーなコーヒーを紹介します。
グアテマラ テオドロ・エンゲルハート
焙煎度:浅煎り
プロセス:フリーウォッシュド
品種:カトゥーラ
カップコメント:甘い香り、みかんやカシューナッツ、和紅茶の味わい、キャラメルのような甘みとそれに伴う余韻。
ラ・べジャ農園の話
グアテマラのシエラ・デ・ラス・ミナス地域に佇むラ ベジャ農園。ラ・ベジャ(La Bella)農園は1960年に創業された農園です。テオドロさんは、家族の伝統を継承するために13年間父親と働き4代目として家業を受け継ぎました。
高い山々が静かに見守る中、霧がかかった山々が日の光に照らされ、徐々にその姿を明らかにする景観の美しさに、先代は農園をベジャ(Bella)と名付けたようです。べジャ(Bella)は、スペイン語で「美しい」という意味で使われています。他の美しいという意味を指すGuapaとも違い、より内面の湧き出るような美しさに使われるベジャ(Bella)。どこか美しさの表現に和のエッセンスが感じられます。山登りが好きな方は、山頂で太陽が昇り霧を晴らすような朝日の情景を想い浮かべると、このコーヒーをより一層、美味しく楽しめるかもしれません。
豊かな果実感の秘密
糖度がピークの時、一斉に手摘みで収穫された赤く熟したコーヒーチェリーたちは、チェリー本来の甘さが保たれています。収穫されたチェリーは冷水を利用して発酵を遅らせ、自然状態で長時間にわたる発酵を経て、独特の甘い風味が増幅します。中米の伝統的な水洗式処理を経た豆は、温室のような構造の乾燥場に広げられ、細心の注意を払い乾燥したコーヒーは、自然なチェリーの果実感と透き通った甘さを伴うコーヒーに仕上がります。実際には、プレシップメントでサンプルをカッピングしたときよりも、芳醇さが増した印象を受けました。
焙煎チームからのコメント
一口含むと、豊かな果実の甘さが口の中を包み込みます。カトゥーラ品種でありながらも、エチオピア原種の複雑な果実感が感じられ、グアテマラ独特のまるいボディ感と甘さが調和して、まろやかで穏やかな味わいが楽しめます。酸と甘さのバランスの絶妙な具合で取れているコーヒーです。
バリスタを喜ばせるフレグランス
グアテマラのコーヒーは、グラインドするとほんのりナッティな趣が漂う印象があります。しかし、今回の注目はその豊かな香り。グラインドするときの華やかなフレグランスは、抽出後のカップにもその印象を残します。
店舗のバリスタチームは、毎日、何十杯のコーヒーを淹れますが、試飲することはあれども、一杯のコーヒーをゆっくり飲む時間は少ないです。そんな中で、このグアテマラの香りが一日の良いスタートを予感させる、寄り添う距離感でバリスタチームにも届くといいなと願う焙煎チームです。
そしてきっと、良い香りに魅せられ、最適なレシピで調整してくれることでしょう!
最後に
ゲイシャ種のような派手さはありませんが、日常に寄り添う上品な味わい。日常に寄り添う贅沢さとは、このような味わいだと確信して言える味わいです。カフェでも、ご自宅でも、このグアテマラのコーヒーと共に穏やかな時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
(生産地写真提要: SYU・HA・RI、執筆:Jongmin)
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