普段、カスタマーサポートにご質問いただくお内容の中でも、特に多いのが、2〜3杯どりのドリップ方法です。
今回は、2杯どりの際の調整のポイントを記事にてお伝え致します。
私たち、バリスタはコーヒーを淹れるプロとしてお店に立っていますが、何も、魔法の手を持っているわけではありません。
私たちも、熱心なホームブリュワーの方々と同様に、まずは自分たちが知っている方法で淹れてみて、その結果を踏まえて、調整していきます。
今回、2杯どりの方法をご紹介する上で、改めて、検証を行いました。
検証を行う上で、私たちは、1杯どりのレシピを飲みたい量に合わせて、シンプルに倍の量にすればいいのでは?という仮説を立てました。
結論から言うと、2杯どりの場合、「粉とお湯の量」、「一度に注ぐお湯の量(1〜4投目)」は全て2倍で良かったのですが、挽き目は2メモリ粗くする必要がありました。
さらに、一手間として、蒸らしの際の攪拌をいつもよりもしっかりめに行っていただくことで、より甘みを感じていただきやすくなります。
一杯どりと同じ挽き目で二杯どりをした場合の問題点は、全体の抽出時間が30秒ほど延びることです。
一般的に、ハンドドリップでは時間を掛ければ掛るほど、過抽出傾向の味わいに変化します。
軽さや酸味が軽減し、その代わり、厚みや甘みが増します。
この延びた分を短縮するために、挽き目を2メモリ粗くします。
1メモリずつ粗くすることで、時間が5〜10秒ほど短縮し、2メモリ粗くしたところで、おおよそ1杯どりと同じ時間で落ちるようになりました。
ただ、時間が早くなったことで、あっさりしすぎると言う新たな問題も発生しました。
もちろん、この段階で十分美味しいのですが、もう少し甘みが欲しいと言う方は、いつもよりしっかりめの攪拌をしていただくことで、解決できるかと思います。
よりしっかりと蒸らしを行うことで、複雑な果実味や甘みがグッと花開きます。
以下、最終のレシピです。
ドリッパー:ハリオV60(02)
ケトル:Fellowケトル
コーヒー豆:Ethiopia Kelloo #6
レシピ:
粉:湯=26:400g
00:00〜12 80g(合計80g)
00:40〜52 120(合計200g)
01:10〜22 100(合計300g)
01:40〜52 100g(合計400g)
02:40〜50 落ち切り
最後に、二杯どりでは、お湯を注ぐ勢いもかなり重要です。
せっかく、挽き目を粗くしても、注ぐお湯の勢いが弱いと、最終的な時間は延びてしまいます。
丁寧に時間を掛けて抽出するのが、ハンドドリップの醍醐味ですが、二杯どりの際は、ぜひ、別人格になってもらって、アグレッシブに注いでみて下さい。
Enjoy brewing!
二杯取りの検証
<仮説>
レシピを2倍すればOk。
<検証>
13:200g→26:400g
挽き目8.5(一杯取りと同じ)場合、
トータル時間02:52
ボディーがあり、後口に雑味が残る。完全に過抽出。
挽き目9.0の場合、
トータル時間02:47
ボディーが軽減するも、まだまだ。そして、まだ過抽出気味。
挽き目9.5の場合、
トータル時間02:42
軽い仕上がり。雑味も無く、クリアな味わい。ややフラットな味わい。少しスッキリしすぎた印象。味わい不足。
<結論>
二杯どりの場合、レシピを2倍にして、挽き目を1〜2メモリ粗めに調整する。
<まとめ>
ドリッパー:ハリオV60(02)、
ケトル:Fellowケトル
コーヒー豆:Ethiopia Kelloo #6
レシピ:
粉:湯=26:400g
00:00〜12 80g(合計80g)
00:40〜52 120(合計200g)
01:10〜22 100(合計300g)
01:40〜52 100g(合計400g)
02:40〜50 落ち切り
一般的に、ハンドドリップでは時間を掛ければ、過抽出傾向の味わいに変化します。
軽さや酸味が軽減し、その代わり、厚みや甘みが増します。
一杯どりと同じ挽き目で淹れた場合、抽出時間が30秒ほど延び、その分、雑味なども増えました。
瑞々しい果実味やフレッシュな酸味、軽さを出したいなら、普段の挽き目よりも粗めに調整していただくことをお勧めします。
注意点は、お湯を注ぐスピードです。例え、粗く挽いた場合でも、注ぐスピードが遅ければ、結果として、時間は延びてしまいます。1投につき、12秒前後で注いでみて下さい。
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