今月の#クラスパートナーロースターは、長崎県・諫早市のnai。店主近藤さんは、JAC2015(エアロプレスの大会)で3位に輝くなど素晴らしいご経歴の持ち主。当時の所属先であるカリオモンズコーヒーを退職後、準備期間を経て、2020年に現在のお店をオープン。今回は勝手に特別版。先日、お店に伺ったのですが、近藤さんの作り出す空間があまりにも素敵だったので、そのご紹介。半分独り言。
タイミングは偶然だったのですが、インタビューの1週間後に長崎旅行を控えていました。実は、パートナーロースターさんと直接お会いするのは今回が初めて。毎月、ロースターさんのお人柄やストーリーを少しでも鮮明にお伝えできるよう努めていますが、やはり、”百聞は一見にしかず”ですね。
マップを片手に、住宅街を歩いていると、突然、広い工場跡地のような半外の建物が現れます。中に、小屋のような箱がぽつりと見えるけど、パッと見ただけでは、それが焙煎室だとは気付かない。”ここ”からがお店という確かな扉や境界線はないけど、空間が放つ雰囲気にスッと背筋が伸びるから、きっと”そこ”はもうお店なんだと思います。棚とか植物とか、古びたコーヒーミルなんかもきっと何気なく置かれてるものもあるんだろうけど、全部全部、近藤さんのもとで調和しているというか、一つの感性で束ねられているようなまとまりが感じられます。結び目はギュッとなってるけど、それでも、不思議と窮屈に感じないのは、きっと、近藤さんのお人柄があってこそ。笑い方がとても豪快で、これ以上ないくらいの笑顔と空間のアンバランスさが妙にクセになるお店でした。
さて、今回、ご紹介いただく豆の一つはニカラグアです。オープン当初から継続的に取り扱われていて、ご自身も直接生産地に訪れたことがあるという思い入れのある豆とのこと。農園主のセルヒオさん曰く、今年は、コロナウイルスや災害の影響で、収穫量が前年の80%減という苦しい状況に。ただ、少しでも力になれればとの想いから、近藤さんは買い付け金額を上げて、サポートされているそうです。「生産者主体のマーケットにしていきたい」と語る近藤さんだからこその取り組みです。
最後に、「諫早っていう小さな町ですけど、個性溢れる豆を皆さんに楽しんでいただけたら嬉しいなあ、というのと、僕、音楽が好きなんで、お店ではレコードとか流してるんですけど、そういうゆらゆらした雰囲気で、コーヒーも自由に楽しんでもらえたら。」と語る近藤さんでした。コーヒーを音楽のように捉える感覚、僕も分かる気がするな。「焙煎士」ってやっぱり”アートワーカー”だよなって、近藤さんを見ていて、しみじみ。貴重なお話ありがとうございました。
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