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コーヒーとバリスタと音楽と: Furuya

コーヒーとバリスタと音楽と: Furuya

音楽は、写真や文章だけでは伝えきれない立体感とか、感情の揺れみたいなものを届けてくれる特別な存在ですよね。この「コーヒーとバリスタと音楽と」では、そんな音楽を軸にコーヒーにまつわる楽しみ方をもっと深掘りしてみようと思います。

コーヒーの香りや味わいだけじゃなく、その場の空気感やバリスタの個性まで含めた「情感」を、音楽という切り口から新しい視点から探ってみます。

「Kurasu」で働く人たちや、日々のコーヒーシーンにフォーカスして、それぞれの「らしさ」を紹介しながら、コーヒーと音楽がある暮らしの良さを読者の皆さんにお届けしたいと思っています。

記念すべき1回目を飾るのは、京都店と夷川店両方で活躍しているバリスタのFuruyaです。ぜひお楽しみください!

コーヒーと、音楽と

——お元気ですか?最近はどうですか?

おっ、なかなか、いいですよ!

——今ハマっているコーヒーや、お気に入りのコーヒーを教えてください。

最近のお気に入りは、エチオピアのチョルソです。華やかなフローラルノートが特徴で、そのままでも十分に美味しいのですが、お客様からある日おすすめされたのが、オーツミルクを少し加えるという飲み方でした。すごく美味しいんですよ。

バリスタとしては、日々のルーティンの中でクオリティをブレなく保ってコーヒーを淹れる努力をしているので、やったことのないことに一歩踏み込むのは意外と難しいし、勇気も必要です(笑)でも、お客様に言われてやってみると、ミルクティーのようなまろやかさが増して、こういう飲み方もありだなと。ドリップコーヒーに牛乳を注ぐ「カフェオレ」のようなレシピがあることを考えると、エスプレッソでそうしたアプローチをするのも面白いかもしれないと思いました。


クオリティの安定のためにレシピ通りにやることはとても重要ですが、アイデアって時には爆発的な面白さを生み出すから、そういうの嫌いじゃないんですよ。テンション上がりました。

——仕事において「テンションを上げる」って大事ですよね。コーヒーを飲みながら聴くと「テンションが上がる」音楽を一曲教えてください。


仕事中に気分が上がるのは、ジャジーなリズムが心地よい「edbl楽曲ですね。

少しゆったり目だけど気が緩む感じでもないので、お客様とのコミュニケーションを取る場面とか、コーヒー片手に作業するときにも自然と集中できると思います。

バリスタと、音楽と

——お店に立っていて「この曲が流れると好き」と思う曲はありますか?

もっとアクティブに動くような曲でテンションを上げたいときは、「J Dilla」や「9th Wonder」がおすすめですね。どちらも京都店っぽい!とイメージされるんじゃないかと思います。京都店によく通われる方なら、「一度は聞いたことがある」と感じるのではないでしょうか。

また、僕は個人的にビートメイクをしているのですが、その過程は具体的な形を持たない「イメージ」から始まるんです。たとえば、夕方のカフェでコーヒーを飲んでいる人々の影が、低い日差しに伸びているシーン。そんなイメージがあるとしたら、そこに添えたい音を探して、サンプリングし、細かく分解して再構築していく感じです。

音を足していくだけではなく、「音を抜く勇気も大事」だと思っていて、特にコーヒーを飲みながら聴く音楽は、コーヒーを一口飲み一息ついたときに音がふっと聞こえてくる瞬間とか、逆に音を夢中に追っていたらコーヒーの感じ方が変わる、そんなバランスが大事だと思います。ビートメイクでもそういう引き算を意識して試行錯誤しています。

コーヒーと、バリスタと

——バリスタとして、意識していることは何かありますか?

所作は、バリスタにとって語らない言葉だと思います。たとえば、ドリップ中のお湯を注ぐ速さや、カップを置くときの音など。一つひとつの動きが、ただの作業ではなく、お客様に安心感を与えたり、ひいてはその安心感が美味しさにつながるような気がしています。夏場なら、氷を混ぜる音が大きすぎると、少し気が散ってしまうこともあるかもしれません。

そんな小さな部分にも気を配りながら、自分なりの丁寧さを大事にしたいと意識しています。自分はマイペースなところもありますが、コーヒーショップというお客様の出入りに波があって、時に忙しい空間の中でも、所作やかける言葉、そして日常的な空気感を大切にしています。その上で、自分の個性が結果的にどのように映し出されるのか、それを意識しながら仕事をしているのかもしれません。

——この企画、いろんな人につなげていきたくて。リレーしたい人を教えてください。


次は、海外事業部のAdamを推薦します!彼自身もDJをしたり、ギターを弾いたりしていますし、最近は一緒にコラボレーションして曲を作りたいね、という話し合いの最中なので、その裏側を語ってもらうのも面白いと思います。ぜひ!


嗜好を巡り、掘れば掘るほど面白さが広がるリアルなインタビュー企画は、これからも続きます。どうぞお楽しみに!

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