後編【これからのこと 僕の役割】
こんにちは!
だいぶ暖かくなってきましたね、Kurasuのカフェでもアイスコーヒーをご注文される方が増えてきました。
さて、3部作でお届けして参りました、焙煎士kosukeへのインタビューもついに最終章です。
前回の中編【焙煎士という仕事 コーヒーにかける想いと覚悟】では、Kosukeのコーヒーに対する真っ直ぐな想いや信念、そこから見えてくる彼の人柄に触れることができたかと思います。
最終章ではこれからの展望や大好評頂いたBarista Blendに対しての質問に答えて頂きました。
インタビュアーのわたしが個人的に聞きたかったコーヒー豆に関する質問も載せています。そちらもおまけ程度にお楽しみください。
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「今後焼いてみたい豆はありますか?」
なんでも来い!と思います。
ーーー頼もしい。
これ!というものはないけれど、できるなら直接現地に買いに行きたい!
日本はどうしても豆が収穫されてから手に届くまでタイムラグがあるので、その数ヶ月が結構大きいんです。かなり大きなプロジェクトになるけれど、直接仕入れた豆を普段商社さんから買うよりも数ヶ月早く焼いてそれがどんな反応するのかはやってみたいですね。
ーーー今よりもよりフレッシュな豆をKosukeさんが焙煎したらどんな味になるのか、是非飲んでみたいです!
「Barista Blend大好評でしたね!ところで、KOSUKE BLENDは作らないんですか?」
変な話、バリスタのみんなと一緒に今回のBarista Blendを作っている過程の中でKosuke BLENDはできたと思っているんです。
僕自身、ここまでブレンドに向き合ったのは初めてでした。
バリスタたちにとっては、自分のオリジナルブレンドを作ったその日一回だけだったと思うけれど、僕は5人分なので5回作っていることになる。
やればやるほど、その人がブレンドを作るにあたって困っていることに対してのアドバイスも自分の中で明確化していって、その5回の中には僕自身の意見がある程度入った形になっているんです。
ーーーなるほど!5人それぞれのオリジナルブレンドであるのと同時に、全てに立ち会って作業に参加された意味でも全てがKosuke BLENDになっているんですね!
そうなんです。表向きには存在しないけれど、僕的には自分のブレンドを作れた気持ちでいるし、新しいブレンドを作るにあたってみんなの意見を聞くことができてとてもよかったです。
絶対、自分一人であれば思いつかないようなブレンドもあったし、ブレンドについてよく考えるいい機会になりました。
ーーー中でも強く印象に残っているのは誰のブレンドですか?
自分ではやらないなという意味で驚きがあったのは「KUME BLEND」と「MIZUKI BLEND」です。
特にMizukiさんが作ったブレンドは、女性が作っているという要素が大きく、自分の作るそれとは大きく違うなと感じた。
今回のブレンド作りは本当に面白かったです!全員の個性というか、普段接している通りのブレンドになっていたし。
ーー次回は裏方ブレンド作りませんか?事務スタッフのブレンドとかどうでしょうか。Kurasuのスタッフはみんないいキャラ揃いなのできっと面白いブレンドができそうです。
確かに!やりましょう、面白そう(笑)
もっとバリスタや他のスタッフが一緒になって参加できるような企画をやりたいですね。
「豆の保存方法に関して」
ーーーこれはおまけ程度で。
個人的に気になっていることがありまして。コーヒー豆の保存方法に関しての質問なんですが常温、冷蔵、冷凍、ロースターやコーヒーショップによって保存方法はさまざまですよね。どれが正しいですか?正解はないにしてもKurasuとしてのおすすめはありますか?
うーん。そもそもコーヒー豆を長期保存させたいという思いがないんですよね。
常温でいいと思ってまして。もちろん夏場と冬場で気温など、周りの環境は違うので(ガスの抜け具合など)豆の状態が変化してしまうのは分かります。
でも、それが楽しいのでは?とも思うんです。
コーヒーって、変わらない美味しい同じ味を楽しむのもありだけれど、焙煎した日から徐々に変化していくのがコーヒーの面白さだと思うんです。僕はどちらかと言うと、後者の方が好きです。
とはいえ、美味しいまま最後の一杯まで飲みきりたい!という人の気持ちも理解できるので、常温で一ヶ月は「美味しい豆」といっていいと思います。
ーーーありがとうございます!味の変化楽さえ楽しむという考え方は素敵です。どうしても完璧な味を求めがちですけど、それって本当の意味で楽しめていない状態とも言えますよね。参考にします!
これはあくまで僕の感覚ですが、冷凍保存は味が抜けるのが早い気がしますね。昔、『冷凍保存したコーヒー豆でエスプレッソを淹れる』という検証をしたことがあるんですが、冷凍した豆を解凍せずそのままミルで挽いて、エスプレッソで落としたらめちゃくちゃおいしかった。だけど、それが二日間冷凍庫に入れた豆で淹れると何か違う、美味しさが保たなかったということがありました。その時はなぜそうなったのかまで深掘りして検証できなかったけれど、強い印象として残っています。ぜひ、変化していく過程も楽しむことで、よりコーヒーを自由に楽しめるきっかけにして欲しいです。
ーーー自宅で焙煎を楽しんでいる方も増えてきていますが、生豆はどうですか?
生豆に関しては、保存方法がとても大切。特に空調がとても大事です。除湿で一定の寒い温度で保存することで豆から水分が抜けることを防ぐことができます。野菜と同じで、その水分に美味しい要素がたくさん詰まっているので水分が飛んでいけばいくほど、美味しさが損なわれていく。焙煎をする上でも、その部分をいかに豆の中に残せるかが重要なんです。
「最後に、今後Kurasuをどうしていきたいと思われていますか?」
僕の役割は、やっぱりクオリティーの部分ですね。
去年より、今年。今年より、来年っていう積み重ねで、焙煎も抽出も生豆の購入も、一年の間に1ミリでもいいから成長していきたいし、自分がそれを担っていると思っています。
来年は今年よりももっと美味しくできるようにしたい。
すごく局所的かもしれないけれど、それがKurasuを支える重要な柱の一つだと思っています。
焙煎も僕自身も、まだまだ少しずつだけど成長の余地はまだまだあると思う。
最近のコーヒー業界では、産地に自ら出向いて、産地のストーリーを伝えるみたいなことが主流というかメイントピックになりつつあるように感じるけれど、僕個人としては段飛ばしをするようで、まだそこには行きたくないんです。
もちろん、先程お伝えした通り、産地に行ってみたいという気持ちはあるけれど、ストーリーもこじつけのものを届けてしまうくらいであれば、今はまだ目の前の自分のことで精一杯だと感じています。
まだ現地の人がどんな人たちで、農園がどんなところなのかまで考える余裕がないですね。
僕はまだこの焙煎機で自分が満足する美味しい豆を焼くということが仕事だと思っていて、最近ようやくその部分が自分の中で形として出来上がってきているところなんです。
なので、産地にいくのであれば、ストーリーではなく、品質面で少しでも良い状態の豆を手に入れるために行きたい。
その結果としてストーリーがついてきてくれたら僕にとってはそっちの方が理想かな。
その延長で農家の方々と繋がれたり、継続的な付き合いができたりとかっていうのが一番いいなと思います。
Kurasuが1トンロースターになるまでは自分のできることを最大限やっていって頑張っていきたいです!
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以上、KurasuのヘッドロースターKosukeのインタビューをお届けしました。
普段なかなか知る機会のない「焙煎士」という仕事の内容や、Kosukeの焙煎に対する考えと
想いを少しですが皆さんと共有することができたかなと思います。
KosukeさんがいればKurasuのコーヒーの品質は保たれるなととても安心しました。
人柄って仕事に出ますね。私自身とても勉強になりました。
彼のお陰で今日も美味しいコーヒーが飲めることに感謝!
今年の7月ごろには新しい焙煎場が京都・西陣にオープンする予定です。
Kosukeと今後のKurasuの更なる進化をお楽しみに。
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