皆さまこんにちは、KiguのNaruoです。
FELLOWブログの翻訳シリーズ、第12弾。
彼らが随時更新している興味深いブログをもっとみなさまに知って欲しくて、翻訳しています。
今回のテーマは
「How To Decipher A Bag Of Coffee」
直訳すると、「コーヒーの袋を解読する方法」。
コーヒー豆の袋を見てみると、非常に多くの情報が記載されています。
それらは、そのコーヒーがどこで育ち、どこで収穫され、どんな方法で下処理しているのかなどを表していて、一つ一つの情報がとても重要な意味を持ちます。
今回のブログで
お手元のコーヒー豆について楽しく学び、次のコーヒー豆を選ぶときの参考にしましょう!
原文はこちら
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2020年4月24日
コーヒーの袋を解読する方法
コーヒーを購入しようとする時には、多くの情報をその袋やラベルから得ることが出来ます。
それらの様々な用語についてご紹介し、またそれらがどのようにコーヒーの味に影響を与えているのかを解説いたします。
世界中のいろんなコーヒー豆を利用できる昨今です。それぞれどういう違いがあるのかを知っておけば、あなたが望むコーヒー豆を買うことを手助けになるでしょう。
Origin(産地)
産地の表示は、コーヒー豆が育った国、もしくはその国内の特定の地域を表します。
この情報は、私たちがコーヒー豆を買うときに最も重要な情報と言えるでしょう。
コロンビア、ケニア、エルサルバドル、ブルンジ、、、、どうやって選びますか?
最も簡単な答えは、本当に好きな産地のコーヒー豆に出会うまで、色々な産地のコーヒー豆にトライしてみることです。
コーヒーの味を左右する要因は、本当に様々ありますが、産地はその中でも一番大きな要因です。それは、産地によって、土壌のミネラル、気候、近くで育っている植物や動物などが違うためです。
Farm/Producer/Collective(農場/生産者/コーヒーステーション)
生産者または生産グループの名前は、色々な形で記載されています。
特定のコーヒーを以前に味わったことがあるかどうかを知るには、とても良い情報と言えます。
例えば Finca La Gloria, Kanzu, Catracha or Shakisso (フィンカ・ラ・グロリア、カンズ、カトラチャもしくはシャキソ)という名前があります。
これは、農場か農家さんもしくは収穫後にコーヒー豆が集められて出荷前処理をされるコーヒーステーションを指しています。
これらのさまざまな生産者について詳しく知るには、ネット検索が有効です。
そうすれば特定の農場やグループがどのような品種のコーヒー豆を通常生産しているのか、また誰が焙煎をしているのかなどが分かるでしょう。
Varietal/Type/Cultivar(品種/タイプ/栽培品種)
コーヒー豆は農作物であり、コーヒーの実は本当に様々な品種があります。違った品種を掛け合わせたハイブリットなものもあります。
栽培品種とは、原種と異なり、栽培された環境に影響を受けて特定の特徴を持つようになった品種を指します。りんごの品種がいくつもあるのと同じ原理です。
Typica(ティピカ)やBourbon(ブルボン)といった名前は有名ですが、実はそれ以外にもコーヒーの実には、数百種類以上の種類があります。
中には、一般的だった品種が突然変異して生まれたものもあります。
例えば、Maragogype(マラゴジッペ)はTypicaの突然変異種です。非常に大きな果実が特徴で、発見されたブラジルの町の名前が付けられました。
Pacas(パカス)もまた突然変異種です。ホンジュラスで育っていたBourbonが突然変異し、それを発見したPacas一家の名前がそのまま付けられました。
Processing(プロセス)
プロセスとは、収穫されたコーヒーを乾燥させる前後の手順や方法を表す言葉です。
Washed(ウォッシュド)は、乾燥させる前に豆の周りにある果実を全て取り除いていることを意味します。
Washedコーヒー豆は、それが育った地域や味の特徴をダイレクトにコーヒーに反映させるプロセスと言われています。
Honey(ハニー)プロセスは、コーヒー果実から豆を取り除く方法のことを指しています。
この時、果実を取り除きながら、豆の周りに付着しているミュレージ(粘着質の膜)を一部残す、もしくは全て残すのが、このプロセスの特徴です。
ハチミツを使用している訳ではありませんが、乾燥させた豆は、ハチミツがついているようなネバネバとした質感になります。
このミュレージは糖分を多く含んでいるため、Honeyプロセスのコーヒーは甘く、シロップのような味わいをもつ傾向があります。
Natural(ナチュラル)プロセスは、コーヒーを乾燥させる際、果実を種に全て残したまま天日などで乾燥させる方法で、非常にフルーティーなカップに仕上がります。
他にも Wet-hulled(ウェットハル、別名スマトラ式)、Anaerobic(アナエロビック),、tree-dried(ツリードライ)、やCarbonic maceration(カーボニックマセレーション)などのプロセスがあります。
これらは全て、コーヒーの味に異なる影響を与えます。
どのプロセスがあなたにとってベストかを決めるには、まずは異なるプロセスのコーヒー豆にチャレンジして、その違いを感じてみることです。
Roast Level(焙煎度合い)
焙煎度合いは、浅煎り、中煎り、深煎りとして記述することが多いでしょう。
あまりスペシャルティコーヒー業界では使われませんが、フルシティやフレンチローストという分類もあります。これらの表現は少し曖昧な部分もあるため、多くのスペシャルティコーヒーロースターは、一般的な言い方を使っています。
コーヒー豆の焙煎を、果物の種を火にかけることとして考えてみてください。
長く加熱すればするほど、豆は黒くなっていき、酸味や甘味などの素材が持つ化合物が減少し、コーヒー豆が持つ風味が消えてしまいます。
これは、豆の持つ味が徐々に少なくなってしまうことを意味している一方で、深く熱を入れたコーヒー豆は、その味がより簡単に抽出されることを意味しています。
(他方で浅煎りは、豆に残る味の量は多いですが、深煎りよりも味が溶け出しにくいと言えます)
例えばエスプレッソのような抽出方法では、短い時間で、そのコーヒーの持つ味を抽出したいので、味が出やすい深煎りのコーヒー豆が選ばれる場合が多いです。
ハンドドリップのような抽出方法については、好きな焙煎度合いを試すことが出来ます。ぜひ心に留めておいて欲しいのは、焙煎度合いが深ければ深いほど、低い温度のお湯を使うことが望ましいということです。
Roast Date(焙煎日)
焙煎日とは、コーヒーが焙煎され、袋詰めされた日付を指します。焙煎すると、豆の中にかなりの量のCO2やその他のガスが発生します。このガスの多くは焙煎から24時間で放出され、そこから1週間でほぼすべてが豆から抜け出てしまいます。
焙煎から時間が経てば経つほど、淹れやすくなる......というのは、ある意味当然です。不要なガスが抜けているからですね。
ハンドドリップやフレンチプレスなどの手動の抽出方法の場合、焙煎された日から少なくとも3日は待ってください。(5~7日が最適の時もあります)
マシーン等を使用するエスプレッソの場合はもう少し待ちます(早くても焙煎から5日後)、スイートスポットは焙煎から7〜10日後となる傾向があります。
エスプレッソ抽出において、焙煎日から比較的長く待つことをお勧めしている理由は、上記のようなガスが多く発生するためです。
エスプレッソを淹れるには圧力が重要な要素です。
豆の中にたくさんのガスが閉じ込められたままでは、ガスが圧力を阻害してエスプレッソ抽出を難しくさせるでしょう。
結論として、コーヒーが一番美味しく飲める「スイートスポット」に到達するまでの焙煎日からの日数は、様々な理由によって異なり、意見が分かれるところです。
Elevation(標高)
標高は、コーヒーが栽培された場所の海抜からの高さです。通常、メートル単位で表示され、MASL(Meters above sea level)と表示されることもあります。
標高が高いほど、コーヒーの実がゆっくりと成長し、コーヒーに含まれる糖分が十分に発達する時間が長くなることを意味します。
一般的に、標高の低いコーヒーは、酸味が少なく、チョコレートやナッツのような風味を持つ傾向があります。
標高の高いコーヒーは、より複雑な風味になり、花や果実の風味をより多く持つ傾向があります。
Tasting Notes(テイスティングノート)
テイスティングノートは、袋に記載されている情報の中で最も理解しにくいものの1つです。
これらは、コーヒーに「追加」されているフレーバーではありません。
もしかしたらコーヒーを飲んでも、そのテイスティングノートに記載されていることが一つも感じられないかもしれませんが、それは決してあなたのコーヒーの淹れ方が間違っているという訳ではありません。
味の表現方法は人それぞれです。
ある人がコーヒーの味を「チョコレート」と言ったとき、その人はダークチョコレートを想像するかもしれません。甘くて苦くて、コクのある口当たりで、コーティングのような質感があります。
またある人はチョコレートといえば、ミルクチョコレートやココアを思い浮かべるかもしれません。
私たちは同じ言葉を使うことができますが、それは異なる感覚を表している可能性があります。
表現方法は、SCA(スペシャルティコーヒー協会)のフレーバーホイールを参照している場合もあれば、地域性や文化性を反映させた表現をしている場合もあります。
各コーヒーロースターは、異なる目的でテイスティングノートを使用しています。あるときは、単に期待する味の種類を知らせるために、またあるときは彼らのブランディングの一つとして使用しています。
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Naruoのコメント
いかがでしたでしょうか。
コーヒーに関する情報って、実は袋に沢山記載されているんですよね。
私がコーヒー豆を選ぶときには、参考にしたりしなかったりします。
ただこれは、トレーサビリティ(追跡可能性)がある程度確保されているスペシャルティコーヒー豆のカテゴリーに多く見られることです。
例えば、スーパーマーケット等で売られている比較的安価なコーヒー豆には、こういった情報はあまり記載されていません。
これらの安価なコーヒー豆は、金やガソリンと同様に、市場での需給バランスによって価値が決められるため、そのコーヒー豆自体が誰に育てられて、どのような個性を持っているかは重要ではないことが原因です。
さて皆さんのお手元には、どんなコーヒー袋がありますか?ご紹介したようなことは書いていましたでしょうか?
袋のデザインによっては、あまり書いていないこともあります。
もしもっと詳しく知りたい!気になる!というようなら、ぜひ焙煎をしているロースターに聞いてみてください。彼らは、数ある世界中のコーヒー豆から、わざわざそれを選んでいるのです。
そのこだわり、きっと教えてくれると思いますよ。
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