皆さまこんにちは、KiguのNaruoです。
今回は、April Coffee代表のPatrikが2019年に準優勝した
World Brewers Cup(世界ブリュワーズカップ)の大会後に、「Barista Magazine Online」で答えたインタビューを翻訳しました。
実にストイックで、日々学びを得ている彼らしいインタビューになっています。コーヒーのコンペティションに出る方や、パトリックってどんな人なんだろうと気になる方は是非ご覧ください。
実は、コーヒー業界のキャリアをバリスタとしてスタートしていなかった点など注目です。
ちなみに、彼がその大会で使っていたレシピについてはこちらをチェック→世界大会で使用したコーヒーレシピ
インタビュー記事の原文はこちら
--------------------
2019年5月16日
パトリック・ロルフは、2019年のWorld Brewers Cupの為に途方もない多くの時間を費やしました。
コスタリカのタラズ地方にあるダ・トータ農園に足を運び、大会用のコーヒーについてより深く知るために費やした時間。
この大会と、彼が立ち上げたApril Coffee Roastersのため、途方もない時間をかけて開発したApril Pour-Over Brewing Kitという抽出器具。
そして、何度も何度も練習を重ね、完成させた抽出ルーティン。
それらの努力が実を結び、4月にボストンで開催されたWorld Brewers Cupで、スウェーデン出身のパトリックは見事な活躍を見せ準優勝に輝きました。
(こちらのビデオシリーズで、パトリックの大会での経験をご覧いただけます。)
World Brewers Cupでのルーティンの組み立て方、競技の魅力など、パトリックに話を聞きました。
コーヒー業界に入ったきっかけ
クリス:いつ、どのようにしてコーヒー業界で働き始め、何があなたをコーヒーの世界に引き入れたのでしょうか?
パトリック:地元ヨーテボリのダ・マッテオというスペシャルティコーヒーロースターで、ビジネス関連のプロセスを担当するコンサルタントとしてスタートしました。
その時、創業者のマッツ・W・ヨハンソンからスペシャルティコーヒーを紹介されました。彼がいなければ、私は決して始めていなかったでしょう。ちょうど、一生懸命取り組める本物の何かを探していた時期だったのです。
コーヒー競技会への参加について
クリス:コーヒーのコンペティションには、いつから参加されているのですか?大会に参加することの魅力は何ですか?
パトリック:長い間継続して、何らかの形で大会に参加してきました。実はコーヒーを始める前に、ただ楽しいチャレンジとして、スウェーデンのバリスタチャンピオンシップに参加したことがあるんです。
ブリュワーズ・カップに力を入れていますし、ロンドンではコーヒーマスターズという大会にも参加しました。
コンペティションは、この業界で学び、進歩するための最高の機会です。正しく励めば、技術や知識はより良くなるのですから、誰もがコンペティションには参加すべきだと思います。
April Coffee Roastersとは
クリス:焙煎所としてのAprilについて教えてください。
パトリック:デンマークのコペンハーゲンにあるAprilは3年目(2019年時)で、スペシャルティコーヒーロースターのトップランナーとして高品質のコーヒー基準を生み出すことを目標としています。
私たちは小さな会社で、現在3人のスタッフがいます。多くの時間を費やして、自分たちの経験を共有し、他のコーヒー専門家をできるだけ支援したいという野心を持っています。
2019年 World Brewers Cup でのコーヒー豆について
クリス:タラズの農場を訪れ、彼らのゲイシャ豆をもっと分かち合いたいと思ったことが、World Brewers Cupに繋がったそうですが、その経緯を教えてください。このコーヒー豆の何がそんなにエキサイティングだったのでしょうか?
パトリック:チューリッヒにあるMAMEの創設者兼オーナーで、私が見てきた中で最高のバリスタ競技者の一人であるマチュー・テイスから話が始まりました。
2018年、アムステルダムで開催されたワールドバリスタチャンピオンシップで彼のコーヒーを飲んだのですが、シナモンとオレンジの風味が詰まった、まったく新しいコーヒーでした。
その時「もっと知りたい!」と思い、彼のコーヒーを作っている加工所とコンタクトを取り、そこのエステバンさんから、チャンゴとダ・トータ農園を紹介してもらいました。本当に今まで飲んだ中で最高のコーヒーです。
April Pour-Over Brewing Kitを作成した理由
クリス:World Brewers Cupのためにオリジナルの抽出方法と器具を作ろうと思った理由、そしてそのドリッパーがコーヒーの良さをどのように引き出してくれたのかを教えてください。
パトリック:私は、誰かが作った抽出システムに縛られることが好きではありませんでした。
これは、コーヒーをどのように焙煎するかによって、コーヒーをどのように淹れるかが決まるという私の信念に基づいています。
April Pour-Over Brewing Kitは、競技をするためだけに設計されたのではなく、April Coffee Roastersのコーヒーを私たちが日常的に飲みたい味にするために設計されたのです。
さまざまな試作を何度も繰り返す長いプロセスでした。でも、協力してくれる本当に良い仲間がいて、時間をかけて、世界に出せるだけのバージョンができたと思いました。
私にとっては、コンペティションの抽出という側面に集中することが重要なのです。ほとんどの競技者は、いまだにとても似たようなことをやっています。
繰り返しになりますが、私たちは学ぶために競技をしているのです。すでに行われていることを行うのは、学ぶための最良の方法とは言えません。
クリス:ワールド・ブルワーズ・カップの経験から何を学びましたか?
パトリック:主な教訓は、来年に向けてより賢く練習し、アプローチを多様化し、審査員のキャリブレーション(基準)にもっと同調する必要があるということです。
世界レベルの競技者たちと舞台裏で一緒にいることは、とても刺激的です。この業界の未来に希望が持てますね。
コーヒーラバーへ
クリス:コーヒー競技に参加する人たちにアドバイスをお願いします。
パトリック:学ぶことに集中し、本物であることを保つことです。
多くの競技者が世界中の学ぶべき師と仕事をしているのは素晴らしいことですが、師を持つことは、そのレシピや方法の「真似」をすることではありません。それを通して自分自身の声を見つけることが重要であるはずです。
あなたよりもっと、賢く、一生懸命に練習する人は必ずいますし、その人と対戦したら、ほとんどの場合、勝てないでしょう。だから、自分が一番努力をするようにしましょう。
--------------------
BY CHRIS RYAN(クリス・ライアン
バリスタマガジンオンライン
Photo by Shaunté Glover for World Coffee Events
Leave a comment
All comments are moderated before being published.
This site is protected by hCaptcha and the hCaptcha Privacy Policy and Terms of Service apply.