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製法と焙煎から知る、美味しいデカフェの秘密

製法と焙煎から知る、美味しいデカフェの秘密

コーヒーが好きで毎日飲みたいけれど、夜の深い時間帯だったり、妊娠・授乳中だったり、カフェインの摂りすぎが気になってデカフェを選ぶ。でも、「デカフェは風味が薄くて物足りない」と感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。実はそのイメージ、過去のカフェイン除去プロセスに原因があるかもしれません。

現在は技術が進歩し、スペシャルティコーヒーの市場でも「本当に美味しい」と思えるデカフェが増えてきました。今回は、カフェインを抜く仕組みと、デカフェを美味しく仕上げる焙煎の裏側についてお話しします。

デカフェはどうやって作られる?製法(カフェイン除去法)の歴史

「デカフェ=薄い、美味しくない」というイメージは、昔の製法による部分が大きいです。時代とともにどう変化してきたのか見てみましょう。

かつての主流「有機溶媒法」が生んだ誤解

デカフェの歴史は古く、1905年のドイツで始まりました。当時はベンゼンや塩化メチレン、酢酸エチルなどの有機溶媒を使ってカフェインを溶かし出す方法が主流でした。

しかし、この方法ではカフェインと一緒にコーヒー本来の風味成分まで抜けてしまいがちです。これが「デカフェ=味が薄い」というイメージの根源になっています。

コストがかかる最先端技術「超臨界二酸化炭素抽出法」

1975年になると、ネスレが二酸化炭素を使った新しいメソッドを開発しました。二酸化炭素に温度と圧力をかけ、気体と液体の両方の性質を持つ「超臨界状態」にして生豆を通すことで、カフェインだけを狙って取り除く技術です。

安全性も高く風味も損なわれませんが、莫大な設備投資が必要なため、スペシャルティコーヒーで気軽に出回ることはほとんどありません。

風味を守る現在の最適解「ウォーターメソッド」

現在、Kurasuをはじめとする多くのスペシャルティコーヒーロースターが採用しているのが「ウォーターメソッド」です。これは、コーヒーの成分が水に溶け出す性質を利用した、非常に理にかなった製法です。

  1. まず生豆を特別なお湯に浸します。
  2. 溶け出したお湯から、カーボンフィルターでカフェインだけを吸着して取り除きます。
  3. カフェイン以外の旨味成分がたっぷり溶け込んだ状態のお湯(グリーンコーヒーエクストラクト)に、再び生豆を浸します。

これにより、コーヒー本来の風味成分を生豆にしっかりと残すことができるのです。Kurasuの「エチオピア シダモ デカフェ」もこのプロセスを採用しており、化学物質を使わずにカフェインを取り除きながら、ピュアで華やかな風味を守っています。

焙煎士・バリスタ泣かせ!? デカフェの扱いは難しい

ウォーターメソッドで風味を残せるとはいえ、焙煎士にとってデカフェの焙煎は非常に神経を使う作業です。

「多孔質」と「見た目の罠」

水に長時間浸されたあと再び乾いた生豆は、細胞の組織がふやけて、スポンジのように穴がたくさん空いた「多孔質」の状態に変化しています。そのため、通常の生豆よりも酸化が進みやすく、保管や管理の難易度が大きく上がります。

さらに焙煎士を悩ませるのが、焙煎中の「見た目の罠」です。細胞が緩んでいるため、浅煎りや中煎りの段階でも表面がすぐに茶色く色づき、オイルも滲み出てきます。見た目は「深煎り」のように見えても、豆の内部はまだ浅煎りや中煎りの段階にとどまっているなど、表面と内部の焙煎度合いにギャップが生まれやすいのです。

Kurasuのデカフェ焙煎アプローチ

Kurasuの自社焙煎所 Nishijin Roasteryでは「エチオピア シダモ デカフェ」を焙煎する際、デカフェ特有のふやけて多孔質状態の豆に急激な熱を与えすぎないよう、あえて低火力で長時間の焙煎を行っています。

この緻密な火入れのコントロールによって内部の生焼けを防ぎ、エチオピア在来種Heirloomならではのフローラルな香りや、ブラックチェリー、桃のような果実感をしっかり引き出しています。

デカフェでもあえて「抽出を変えない」選択

デカフェの豆は多孔質で物理的な性質が変わっているため、一般的には「通常より細かく挽く」「レシピを大きく変える」といった専用のアプローチが求められがちです。

しかし、Kurasuではデカフェを淹れる際、他のシングルオリジンのコーヒーと挽き目や抽出レシピをほぼ変えていません。

あえて変えないこと。それは、元の生豆の品質が高く、デカフェ処理が正確に行われ、何より焙煎技術が通常のスペシャルティコーヒーと同等の高水準に達している証拠でもあると考えています。

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美味しいデカフェがあるお店は、本当に良いお店

パティスリーにおけるショートケーキ。お寿司屋さんにおける卵焼き。コーヒー屋にとってのデカフェも、それらと同じ「お店の真価が問われるアイテム」だと考えています。

ごまかしが効かず、扱いが難しいデカフェをどれだけ美味しく提供できるか。そこに、ロースターの確かな技術力とコーヒーへの愛が如実に表れます。

海外のお客様からも「デカフェの概念が変わった」と驚きの声をいただいたKurasuの「エチオピア シダモ デカフェ」。

「カフェインが飲めないから」という妥協の選択肢としてではなく、純粋に「美味しいエチオピアのコーヒー」として。ぜひ、皆様が普段愛用している器具で、いつものレシピ通りに淹れてみてください。きっと、カップの向こう側に新しいコーヒーの世界が見えるはずです。

■ エチオピア シダモ デカフェ(豆・挽き豆)
https://jp.kurasu.kyoto/products/ethiopia-sidamo-decaf-medium-roast

■ エチオピア シダモ デカフェ(水出し用)
https://jp.kurasu.kyoto/products/cold-brew-ethiopia-sidmodecaf-mediumroast-2025

■ エチオピア シダモ デカフェ(ドリップバッグ)
https://jp.kurasu.kyoto/products/dripbag-ethiopia-sidamo-decaf

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