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Kurasu Journal

Tag: サブスクリプション

CORSICA COFFEE DEVEROPMENT (香川): 2023年2月 Kurasuパートナーロースター

今月の#クラスパートナーロースターは、香川県・高松市のCORSICA COFFEE DEVEROPMENT。店主の吉村さんは、数々の焙煎の大会で上位入賞を果たすなど、輝かしいご経歴の持ち主。20歳の時に大手チェーン店でアルバイトされたのを機に、いくつかのコーヒー店で働いた後、2011年、30歳の時に独立されました。そんな吉村さんのこれまでの道のりを少しだけご紹介。   幼少時代、漫画やアニメで描かれる”大人の象徴”としてのコーヒーに興味を抱き、友達を連れて入った喫茶店。そこで飲んだブラックコーヒー、、、ではなく、苦くて飲めずにいた吉村少年に、ミルクと砂糖を出してくれたマスターに憧れたことが始まりだったそう。「40歳になってもずっと同じことをしていそう。それならば、この10年で自分で勝負してみよう」と、30歳で現在のお店を開業。当時はまだスペシャルティーの文化が浸透しておらず、吉村さん自身も喫茶店に近いスタイルで営業されていたとのこと。そんな折、今となってはバイブルとされているブルータスのコーヒー特集を目にし、ブルーボトルなど、海外のコーヒーショップに強く刺激を受け、そこから徐々に現在のお店のスタイルを確立されたそうです。また、焙煎では、イベントで飲んだGLITCH COFFEE(東京)のケニアに衝撃を受け、以降、”目指す味わいが定まった”と、浅煎り一本で勝負する吉村さん。   さて、今回、吉村さんにご紹介いただく豆は、Terra Nova(テラ ノヴァ)とAcross The Universe(アクロス ザ ユニバース)の2種類です。お店では常に、同じ”ような”テイストイメージの商品を取り揃えていらっしゃいます。さまざまなイメージの商品がある中で、吉村さんが「うちの入門編」と語るのがこの”Terra Nova”。今回は、グアテマラのマラカツーラという品種の豆が使用されているそう。所謂、フルーティーな浅煎りのコーヒーではなく、しっかりとした焙煎で、滋味深い味わいのコーヒーとのことです。近年、トレンドとなっている特殊プロセスのコーヒーにも肯定的でありながら、「そういった類のコーヒーを取り扱うならば、伝統的なプロセスのコーヒーでも飲む人の心を打てないといけない」と焙煎士としてのプライドも覗かせる吉村さん。俄然、このTerra Novaが気になってしまいます。そして、もう一つの"Across The Universe"では、ウォッシュドプロセスのエチオピアが使用されています。Terra Novaとは対照的に、派手な味わいで、”その対比を楽しんでいただけたら”とのことです。 最後に、「お店のキャッチコピーにもなっているように、あなたにはコーヒーの色が見えますか。豆の情報ではなく、自分の頭の中にあるイメージを引き出せるようなコーヒー体験をして欲しい。そのために、僕が素材の良さを引き出す焙煎をするので、味わいを想像しながら楽しんで欲しい。」と語る吉村さん。情報は確かに大事。でも、結局一番大事なのは揺さぶられる感性を持っているかどうか。僕たちはテイストノートを焼いているのではない。あなたたちはテイストノートを飲んでいるのではない、ということです。

Appartement (熊本): 2023年1月 Kurasuパートナーロースター

今月の#クラスパートナーロースターは、熊本県・山都町のAppartement。店主の齊木さんは、長年勤めたAND COFFEEを退職後、2022年に、パートナーの里奈さんと二人で現在のお店をオープン。齊木さんはコーヒーで、里奈さんはヴィーガンアイスサンドで、それぞれの強みを活かしながら、山都町を盛り上げるべく、活動されています。そんな齊木さんのこれまでの道のりを少しだけご紹介。   「ずっと現役でいられる仕事を探していた」と語るのは齊木さん。”喫茶店のマスター”に憧れ、大学卒業後は、地元で老舗の岡田珈琲にアルバイトとして入社。興味の赴くままに進む道を決めたものの、いざ働いてみると、コーヒーはほんの一部分で、卵を茹でたりというコーヒーとは関係のない作業ばかりに、当初は「何やってんだろう」と考えることも多かったそう。ただ、そんな齊木さんのもとに、突如、救世主が現れます。 後に、”AND COFFEE”を立ち上げられた山根さんです。斎木さんよりも少し遅れて、岡田珈琲にアルバイトとして入ってこられたそう。一緒に働いた期間は短かったものの、ほどなくして、AND COFFEEを立ち上げられた山根さん。そして、仕事の休憩時間を利用して通うようになった斎木さん。”運命”という言葉がピッタリですね。 斎木さんは、そこで飲む”浅煎りのエチオピア”と「コーヒーは化学だ」と語る山根さんの人柄に引き付けられ、まさに、思い描いていた”ずっと現役でいられる”スペシャルティーコーヒーという世界の扉に手をかけられました。AND COFFEEに加入されて以降は、抽出から焙煎まで幅広くこなされ、お店の顔として、熊本県のコーヒーカルチャーを担ってこられました。   さて、今回、齊木さんにご紹介いただく豆はエチオピアとグアテマラの2種類です。どちらもウォッシュドのコーヒーで、エチオピアは、華やかさよりも甘さが印象的だというイルガチェフェ・ゲデオ地区の豆とのこと。もう一つのグアテマラは、白葡萄や青りんごのような瑞々しく、綺麗な果実味があり、それでいて、サトウキビのような柔らかい甘みが続く、素晴らしいコーヒーとのことです。里奈さんのアイスサンドに寄り添うように、「AND COFFEEにいた頃よりももう少し火を入れるようになった。」と語る齊木さん。コーヒーは人が作るもの。コーヒーを通して、その人の今が見えるから面白いですよね。   最後に、「店舗に来てもらえると嬉しい。ひいては、熊本にも興味を持ってもらえたらいいのかな。楽しんでもらえればと思います。」と言葉少なく、クールに語る一方で、平然とした顔でコーヒーを飲むお客さんに対して、心の中で「もっと熱狂してくれよ!」と叫ぶ斎木さんは、アートワーカーというよりは、”パンクロッカー”という表現がしっくりきます。そうだそうだ!みんな、もっと熱狂しろよ!!

nai (長崎): 2022年12月 Kurasuパートナーロースター

今月の#クラスパートナーロースターは、長崎県・諫早市のnai。店主近藤さんは、JAC2015(エアロプレスの大会)で3位に輝くなど素晴らしいご経歴の持ち主。当時の所属先であるカリオモンズコーヒーを退職後、準備期間を経て、2020年に現在のお店をオープン。今回は勝手に特別版。先日、お店に伺ったのですが、近藤さんの作り出す空間があまりにも素敵だったので、そのご紹介。半分独り言。   タイミングは偶然だったのですが、インタビューの1週間後に長崎旅行を控えていました。実は、パートナーロースターさんと直接お会いするのは今回が初めて。毎月、ロースターさんのお人柄やストーリーを少しでも鮮明にお伝えできるよう努めていますが、やはり、”百聞は一見にしかず”ですね。   マップを片手に、住宅街を歩いていると、突然、広い工場跡地のような半外の建物が現れます。中に、小屋のような箱がぽつりと見えるけど、パッと見ただけでは、それが焙煎室だとは気付かない。”ここ”からがお店という確かな扉や境界線はないけど、空間が放つ雰囲気にスッと背筋が伸びるから、きっと”そこ”はもうお店なんだと思います。棚とか植物とか、古びたコーヒーミルなんかもきっと何気なく置かれてるものもあるんだろうけど、全部全部、近藤さんのもとで調和しているというか、一つの感性で束ねられているようなまとまりが感じられます。結び目はギュッとなってるけど、それでも、不思議と窮屈に感じないのは、きっと、近藤さんのお人柄があってこそ。笑い方がとても豪快で、これ以上ないくらいの笑顔と空間のアンバランスさが妙にクセになるお店でした。   さて、今回、ご紹介いただく豆の一つはニカラグアです。オープン当初から継続的に取り扱われていて、ご自身も直接生産地に訪れたことがあるという思い入れのある豆とのこと。農園主のセルヒオさん曰く、今年は、コロナウイルスや災害の影響で、収穫量が前年の80%減という苦しい状況に。ただ、少しでも力になれればとの想いから、近藤さんは買い付け金額を上げて、サポートされているそうです。「生産者主体のマーケットにしていきたい」と語る近藤さんだからこその取り組みです。   最後に、「諫早っていう小さな町ですけど、個性溢れる豆を皆さんに楽しんでいただけたら嬉しいなあ、というのと、僕、音楽が好きなんで、お店ではレコードとか流してるんですけど、そういうゆらゆらした雰囲気で、コーヒーも自由に楽しんでもらえたら。」と語る近藤さんでした。コーヒーを音楽のように捉える感覚、僕も分かる気がするな。「焙煎士」ってやっぱり”アートワーカー”だよなって、近藤さんを見ていて、しみじみ。貴重なお話ありがとうございました。

SEVEN STEPS COFFEE CLUB(千葉): 2022年11月 Kurasuパートナーロースター

今月の#クラスパートナーロースターは、千葉県のSEVEN STEPS COFFEE CLUB。店主の誠さんと瑞枝さんご夫妻は小学校からの同級生という間柄。瑞枝さんは金融業界のご出身。脱サラ後、今も美容師との二刀流を貫く誠さんと二人でお店を開業。異色の経歴を持つお二人が紡いできたストーリーを少しだけご紹介。 ご紹介の通り、お二人はそれぞれコーヒーとは関わりの少ない仕事でキャリアを歩んで来られました。2010年頃、東京にFuglenがオープンしたのを機に、そこで飲んだコーヒーや、映画『A FILM ABOUT COFFEE』を観たことで、お二人でスペシャルティーコーヒーの世界に傾倒していくことに。その後、一年間、コーヒーについて学ぶため、専門学校へ。その後、佐々木修一さん(PASSAGE COFFEE)や宮崎洋介さん(ESPRESSO GANG)との出会い、そして、協力を経て、お店を開業。「数ある中の一つのジャンルに過ぎないけど、決して、狭い世界じゃない。音楽でいうと、テクノ」だと、独自の浅煎り評を持つ誠さん。その世界へのボーダーを一気に飛び越えて欲しいと、お店では特殊プロセスのコーヒーも積極的に扱われています。ロングボールで一気に前進させるように、ライン際でせめぎ合うのではなく、一気に飛び越えることで、「その手前にある本当に伝えたい味を伝えやすくなる」という言葉がとても印象的でした。   さて、今回、ご紹介していただく豆は、エチオピアとホンジュラスの2種類です。一つは、 誠さんが、「ド定番だけど、スペシャルティーの中心地。中南米の特殊なプロセスの豆も、結局は美味しいエチオピアの味を求めている気がする」と評するエチオピアのナチュラル。もう一つは、辻本さん(SHU・HA・RI)から購入されたというフリーウォッシュドのホンジュラス。「ド定番のエチオピアナチュラルとは対極の世界。全てのオリジンにそれぞれの良さがある」と語るのは瑞枝さん。   最後に、「生産者が丹精込めて育てたコーヒー豆が遥か遠く千葉まで旅して届けられています。私たちは焙煎を通して、そのストーリーをお届けしたい。その素晴らしい豆のポテンシャルが皆様の日常に彩りを与えて、楽しいひと時となりますように。SEVEN STEPSのコーヒーが少しそのお役に立てたら嬉しいです。」と語る瑞枝さん。そして、それに頷く誠さん。歩き方は違っても、目指す目的地は同じ。インタビュー中、二人だからこそ、”ゆっくり”遠くではなく、”早く”遠くに行けるのかななんて考えていました。ありがとうございました。

JUNCTION Coffee Roaster (熊本): 2022年10月 Kurasuパートナーロースター

今月の#クラスパートナーロースターは、熊本県のJUNCTION Coffee Roaster。店主の田崎さんは、二十代後半まで自動車整備士として働かれ、退職後、「カフェ」で働くため、シドニーへ。その後、素晴らしい人やコーヒーとの出会いを経て、スペシャルティーコーヒーに目覚めることに。   シドニー滞在中、Artificer Coffeeの焙煎を担当するなど、輝かしいご経歴をお持ちですが、そこまでの道のりは決して平坦ではなかったようです。「そんなんじゃどこでも働けないよ。」というのは、かの有名なArtificer Coffeeの佐々昌二さんからの一言。 渡豪前、新しい環境に「ワクワクしかなかった」と語る田崎さんでしたが、現実は、履歴書を持ってお店を回っても、なかなか職を見つけられず、ほとんど心が折れる寸前だったとのこと。そんな折、たまたま知人の伝で佐々さんとインタビューが出来ることに。当時は、「佐々昌二」という存在の大きさも知らず、ただただ縋る思いで、話したとのこと。異国の地で生き抜いてきた佐々さんからの厳しくも暖かい助言を受けて、お皿洗いや豆の梱包など、所謂、雑用からコーヒーマンとしてのキャリアをスタート。別のカフェで働く傍ら、佐々さんのもとで、品質管理のカッピングに参加し、徐々に、パッキングスタッフ、プロダクションロースターへとステップアップ。カフェでの仕事を勉強するために向かったシドニーで、まさに人生の転機となる出会いや田崎さん自身の努力が重なり、コーヒーロースターに。   さて、今回、ご紹介していただく豆は、コロンビアとホンジュラスの2種類です。「シドニーで、たまたま友人に連れて行ってもらったコーヒー屋さんで飲んだコロンビアの味が今でも忘れられない」という田崎さん。今でもお店のラインナップの6〜7割はコロンビアというほどのコロンビアラバーぶり。一つは、そんな田崎さんが昨年、念願叶って、現地で買い付けたピンクブルボンのウォッシュド。そして、もう一種類は、コーヒーカウンティの森さんを通して出会ったホンジュラスのコーヒー。「これまで飲んだことも焙煎したこともほとんどなかった豆だけど、ホンジュラスが持つ新たな美味しさに気付いた。」と、取り扱いをスタート。今後、現地買い付けも視野に入れるなど、力を入れている生産地とのこと。   最後に、「初めて、現地に買い付けに行った、思い入れのあるコロンビアと新しく取り組んでいるホンジュラスのコーヒー。二つとも味わっていただくことで、JUNCTION Coffee Roasterを皆さんに届けられると思っている。デイリーで飲みやすいコーヒーを意識しているので、皆さんに毎日飲んでいただけるコーヒーというのが一つでも伝われば良いかな。」と語る田崎さん。魅力たっぷり。もっと書きたいことがいっぱいあったけど、1000字には収まりません

ecoma coffee (埼玉): 2022年9月 Kurasuパートナーロースター

今月の#クラスパートナーロースターは、埼玉・草加のecoma coffee。店主の吉岡さんは、二十代半ばまで音楽の道を志し、アコースティックデュオとして活動されていたそうです。その後、数々の美味しいコーヒーとの出会いに導かれ、焙煎士としてなった吉岡さん。これまでの道のりを少しだけご紹介。   「お店をするなら、一度は大好きなスタンプタウン(ポートランド)のコーヒーを現地で飲んでおきたかった」と語る吉岡さん。当時勤めていた会社を辞め、4ヶ月間、ポートランドに滞在。何軒ものコーヒーショップやクラフトビールのブリュワリーを飲み歩くうちに、当初の目的であったスタンプタウンという存在以上に、「ポートランド」という街の在り方そのものに感銘を受けることに。ecoma coffeeを開業する際、知人からの紹介で見つけたというコーヒーとは関係のないお店から、展示されているだけの古びた焙煎機を譲り受けたそう。一度、自らの手で全てバラして、使える状態に戻したという話を聞いて、まさにポートランドという街の文化や哲学が、今も、吉岡さんの中に息づいているんだと実感しました。   さて、今回、ご紹介していただく豆は、ブラジルとケニアの2種類です。ブラジルは、辻本さん(SHU・HA・RI)から購入された銘柄とのこと。「いわゆる、ナッティーやチョコレートといったブラジルらしい味わいから少しだけはみ出るフルーティーさがある」と表現される一杯。「少しだけはみ出る」という表現に興味をそそられますよね。 そして、もう一種類は、吉岡さんが大好きというケニア。当時通っていた、お店のマスターに焙煎を教えて欲しいと直談判するほど、「そこで飲んだケニアが衝撃的に美味しかった」と語る吉岡さん。僕は、その人が大好きなコーヒーを飲むのが大好きです。特別な想いや感情の乗った一杯を飲めるのはとても嬉しいです。   最後に、「スペシャルティーコーヒーだからこう飲まないといけないってのはない。ブラックでも美味しいが、お砂糖や牛乳を入れたりして、色んな飲み方をすることで、また違った色が出てくる。」と語る吉岡さん。インタビュー中、「音楽」や「ビール」「メキシコ料理」といった様々なワードが飛び交っていました。一見すると、コーヒーとは関係のないもののようですが、コーヒーという一つの事柄に対して、色んな角度から語ることのできる吉岡さんの「幅」が、とてもかっこよく見えました。貴重なお話、ありがとうございました。  

YARD Coffee & Craft Chocolate (大阪): 2022年8月 Kurasuパートナーロースター

今月の#クラスパートナーロースターは、大阪・天王寺のYARD Coffee & Craft Chocolate。店名にもあるように、コーヒーだけでなく、産地ごとの味わいを楽しむことができる高品質なチョコレートも製造販売されています。2019年のオープン以来、幅広い層のお客様に親しまれる同店。関西でも、益々存在感を増す代表の中谷奨太さんにお話を伺いました。   「本当に好きで始めたので、これからもやっていくことは変わらない。」 今後の目標について、そう語る中谷さん。前職で、システムコンサルティングとして勤められていた頃、お父様が営むパティスリーを手伝ったことをきっかけに、「改めて、父の仕事の良さを知った。」と、30歳を目前に、食の世界へ。そこから僅か2年と、周囲も驚く速さで独立、YARD Coffee & Craft Chocolateをオープンされました。 いざ、足を踏み入れると、この業界では、栽培から抽出の現場まで、革新的な発想や技術により、日々、新しいものが生み出されていて、「でも、だからこそ、目の前のお客様と向き合い、しっかりと、自分たちの意志を示していくことが大事。」と、穏やかな口調ながら、そう語る中谷さんの表情からは、これまでの歩みに対する自信と、これからの未来に対する決意のようなものを感じました。   さて、今回、中谷さんからご紹介いただく豆は、ナチュラルプロセスのエチオピアとケニアの2種類です。アフリカ特有の鮮やかなフレーバーを感じやすい豆だからこそ、焙煎士の志向するものが現れやすいもの。「バランスが良く、味わいにレイヤーがあり、じんわりと甘いコーヒーが好き。」という中谷さんならではの味づくりが楽しみです。   最後に、「コーヒーは私たちに豊かさをもたらし、今日一日の活力を与えてくれます。世界各地から厳選したコーヒー豆に対して、その豆の持つ素材本来のフレーバー・味わい・余韻を感じる焙煎をお楽しみ下さい。」と語る中谷さん。「良い車に乗るとか、コーヒーでお金儲けがしたいわけではない。」という言葉が印象的で、年齢が下の僕が、失礼ながら、もっと仲良くなれそうなんて、勝手に親近感を覚えたのでした。改めて、素敵なお話をありがとうございました。    

KAMIN COFFEE ROASTERS (和歌山): 2022年7月 Kurasuパートナーロースター

今月の#クラスパートナーロースターは、和歌山・岩出市のKAMIN COFFEE ROASTERS。店主の西田武史さんにお話を伺いました。   「市役所のコーヒー係の係長」 和歌山という土地で、コーヒー屋を営んでいく上で、ご自身の役割をそう表現される西田さん。第一印象から、物腰柔らかで、でも、きっちりと周りの環境や状況を分析されていて、まさに、コーヒーシチズンが安心して悩みを打ち明けられるような頼れる係長さんでした。前職で、百貨店に勤められていた頃、「もの作りをする地元の友達がかっこよく見えた。」と、29歳で、コーヒーの世界へ。百貨店という非日常と、コーヒーのある日常というのは、一見、相対するもののようで、でも、根幹にある「楽しい一日や空間を提供する一端を担いたい。」という西田さんの想いは変わっていないのだと思います。   さて、今回、西田さんからご紹介いただく豆は、エチオピアとブレンドの2種類です。 「扱っているコーヒー屋さんも多く、色んなところで飲めるからこそ、直火式の焙煎機との味わいの違いを楽しんで欲しい。」ということで、浅めの焙煎で仕上げたナチュラルプロセスのエチオピア(ティルティラ・ゴヨ)。 そして、もう一つは、同店のレギュラー商品でもあるKOYAブレンド。こちらのブレンドは、「和歌山の街や高野山の澄んだ空気感を表現したくて、それを感じてもらえるような味わい」とのこと。さらに、今回、Kurasuのサブスクリプション限定で、ブレンド内容を一部変更して、コロンビアのシドラブルボンを使用したスペシャルバージョンでお届けしていただけます。贅沢すぎる。   最後に、「海外には直火式の焙煎機があまりない。国内でも若い世代の人たちには馴染みがないと思うんですが、直火式でも、飲みやすくて、冷めても美味しいコーヒーを焙煎できる。それを楽しんで欲しい。」と語る西田さん。「熱風式」が良しとされるこの時代に、あえて時代に逆行するように、「直火式」の道を突き進む。若輩者ではありますが、同じ焙煎士として、ここに至るまでの試行錯誤の過程が見えるからこそ、西田さんのコーヒーが、まさに「人の手」によって作られたものだということを、皆さんにも知って欲しいと思います。文字ではない、本質的な体感としての味わいをぜひ。

TERRA COFFEE ROATERS(大阪): 2022年6月 Kurasuパートナーロースター

今月の#クラスパートナーロースターは、大阪・江坂のTERRA COFFEE ROATERS。 同店で、ヘッドロースター兼クオリティーコントロールを務める山本順平さんにお話しを伺いました。 実は、同じ小川珈琲出身の先輩ということで、尊敬の意を込めて、いつも通り、順平さんと呼ばせていただきます!   「人間力」 僕が順平さんの存在を知ったのは、前職の小川珈琲に所属していた時でした。働いていた時期が違うので、直接、店舗でお会いすることはなかったのですが、当時、コーヒーを始めたばかりで、やる気に満ち溢れていた僕にとって、ベルリンのPopulus Coffeeで焙煎されている凄い先輩がいるという噂はとても刺激になったのを覚えています。   あの時、順平さんが焙煎された浅煎りのホンジュラスを飲んで、僕は進むべき道を決めることができました。 インタビュー中、「人間力を上げたい。」と仰っていましたが、順平さんはその行動力で、僕を含め、多くの後輩に勇気を与えて下さっていましたよ。   さて、今回、順平さんからご紹介いただく豆は、エチオピアとケニアの2種類です。「せっかくなら、自分たちならではの豆を届けたい。」ということで、Populus Coffeeオーナーのヘンリック氏を通して、フランス・ボルドーの商社から買い付けたというナチュラルプロセスのエチオピア。日本では流通していない銘柄とのことで、僕も飲むのが待ち遠しいです!そして、もう一つは、今季、Kurasuでも販売予定のケニアのコーヒー。強いローストに負けない、はっきりとした酸の輪郭とボリューミーな甘さが印象的とのこと。   最後に、「僕たちの焙煎は甘さとテイストバランスにフォーカスしているので、少しでも皆さんに伝わればいいかな。」と語る順平さん。後輩の身分で失礼ながら、最後まで、控えめで、どこまでも真面目な人でした。 僕がコーヒーを続けてこられたのは、その時々で、目指す人がいたから。厨房で、毎日、サンドウィッチばかり作っていた僕の背中を押してくれたのは、間違いなく、遠く離れたベルリンでご活躍されていた、順平さんの存在があったからです。 四年越しで、ありがとうございます

K COFFEE(奈良): 2022年5月 Kurasuパートナーロースター

今月の#クラスパートナーロースターは、奈良・大和郡山のK COFFEE。 オーナーの森さんは、30歳まで、お好み焼き屋を目指していたという何とも興味深いご経歴の持ち主です。SHU・HA・RI 辻本さんからご紹介いただきました。改めて、このご縁に感謝です。   「ここでしか飲めない、はない。」   そう語る森さんのことを、自分とは正反対な人だと思いつつも、その柔らかさと力強さの入り混じった独特な個性が羨ましくも思えました。インタビュー中、僕がする質問に対して、「みんな、難しく考えすぎている。」と、一見、何も考えていないかのように答えをはぐらかしながらも、どう言葉にするべきかを考えて下さっている森さんのお顔は真剣そのもの。 印象的だったのは、「今でこそ、ミルクやお砂糖も何でもOK。」と断言される森さんですが、「当初は、最高の状態のものだけを飲んで欲しくて、ドリップバッグや挽き豆で販売することすら嫌だった。」と仰っていたこと。それを聞いて、森さんのコーヒーがこんなにも円やかで、力強いのは、きっと、今に至るまでの悩みや葛藤がカップに映し出された結果なのだろうと感じました。時間を掛けて、積み上げた「自信」があるからこそ、多くの人のコーヒーライフに寄り添うことができるんだと思います。   今回、森さんからご紹介していただく豆は、グアテマラとインドの2種類です。グアテマラは、森さんをご紹介して下さったSHU・HA・RI辻本さんからの購入ロットとのこと。もう一つは、インドのアナエロビックプロセスという珍しいコーヒーです。僕の知る限り、Kurasuのサブスクリプションでは初めての取り扱いではないでしょうか。入港したばかりのフレッシュなニュークロップとのことで、とても楽しみです。   最後に、「特別なものではなく、日々のちょっとした幸せみたいな、しみじみとした幸せ、その人のコーヒーライフにちょっとした幸せが訪れたらいいなって思います。」と語る森さん。僕が出会ったコーヒーピーポーの中で、最もゆるくて、コーヒーが大好きな人。グラフのどちらにいようが、やっぱり、僕には、一番端にいる人がかっこよく見えてしまいます。まだまだ語り足りないですが、続きは、きっと、コーヒーが教えてくれるはずです。世界には、かっこいい人が沢山いるなあ。

FINETIME COFFEE ROASTERS (東京): 2022年4月 Kurasuパートナーロースター

今月の#クラスパートナーロースターは、東京・経堂のFINETIME COFFEE ROASTERS。 オーナーの近藤さんは、焙煎の国際大会(台湾)優勝を始め、様々な大会で好成績を収められている、輝かしいご経歴の持ち主です。 2017年以来、2度目のご紹介。お話する機会をいただけたことを大変嬉しく思います。 「情報を出し合って、オープンな関係性を築きたい。」 そう語る近藤さんは、まさに、僕が思い描く「かっこいい大人」な人。 というのも、まず、お話が止まらない。インタビューしている間も、ずっと、コーヒーについてのあれやこれやをお話して下さって、準備した質問もほとんど聞けぬまま、ついに終わりの時間を迎えてしまいました。 でも、それが近藤さんの好きなところ。そこから、「また、後で。」なんて、さらっと、数時間後に、インタビュー2回戦目に突入。 お話では、自店の焙煎機(ディードリッヒ)や生豆のことだけでなく、他店のこと、業界のトレンドなんかもしっかりと把握されていて、コーヒーへの愛の大きさが、ヒシヒシと伝わってきました。 一般的には、少し年齢の離れた僕にも、自分の好きなものについて、これだけ楽しそうに話せるのって、簡単なように思えて、実はとても難しいことだと思いませんか?「業界のオープンマインドな精神に助けられた。」と語る近藤さんは、しっかりとご自身でもそれを体現されていました。 大人な僕でさえ、こんな大人になりたいと思わせてくれる人です。   今回、近藤さんからご紹介いただく豆は、ウォッシュドとナチュラルのエチオピアを2種類。 どちらも、毎年、必ず、他より良いというウォルカ地区の豆。エチオピアが好きだからこそ、美味しいと考える幅が狭く、その分、焙煎も骨が折れるが、ハマった時のフレーバーの弾け方が中南米の豆にはない良さとのこと。 甘さが特徴というディードリッヒで焙煎するエチオピア、僕もとても楽しみです。 最後に、「僕自身は、世界中の美味しいって言われてるコーヒーを取り寄せて、カップして、検証して、自分の豆も自信を持って出しているんで、そんなには劣っているとは思ってない。ぜひ、その味を楽しんで欲しい。」と語る近藤さん。   最後まで、本当にかっこいい人でした。 まだまだ語り足りないですが、続きは、きっと、コーヒーが教えてくれるはずです。これで、コーヒーが美味しいからずるいんだよな。

darestore(宮城): 2022年3月 Kurasuパートナーロースター

「カッピングよりもブリューイングで美味しい方がいい。」   今月の#クラスパートナーロースターは、仙台・青葉区のdarestore(デアストア)。 昨年末には、2店舗目として、フードメニューを充実させたdarestore Coffee&Eateryをオープンされました。   今回、2度目ということで、創業以来、焙煎を担当されている石山さんにお話を伺いしました。 冒頭の言葉には、石山さんのお人柄やコーヒーそのもの、また、それらを取り巻く環境に対する絶妙なバランス感覚が集約されているように感じました。というのも、「焙煎士」と聞くと、ストイックな反面、拘りが強く、頑固なイメージを持たれる人も少なくないと思います。 焙煎士にとって、焙煎と品質管理はセットです。焙煎をするときは、必ず、品質を確認するために、カッピングを行います。多くの場合、カッピングで美味しいものは抽出でも美味しいのですが、時に、そうでないものもあります。カッピングでの味わいを突き詰めることが、かえって、抽出を難しくしてしまう側面があります。 ただ、石山さんの考えは違います。焙煎とカッピングという反復の中に没まず、その先にある、コーヒーを淹れる人の顔、業界の現状や未来をしっかりと見つめられています。 カッピングの重要性を理解された上で、それでもなお、「みんなが美味しく淹れられてこそ」と、抽出で美味しいことを最優先に味づくりをされています。   今回、石山さんからご紹介していただく豆はインドネシアとルワンダ。インドネシアは、伝統的なスマトラやトラジャのようなゴーンとした質感ではなく、質感の綺麗さが特徴のコーヒーで、これまで、インドネシアを敬遠していた人にも美味しく飲んでもらえるはずとのこと。 そして、なんと、ルワンダは、darestore創業以来、初めての取り扱い。今では、ポテト(異常に臭い欠点豆)もほとんど出なくなり、年々、少しずつ、だけど、確かな品質の向上を受けて、初の取り扱いを決められました。味わいは同じアフリカでもエチオピアやケニアのような弾けた印象ではなく、優しく、でも、しっかりとした甘みのあるコーヒーとのことです。 最後に、「飲んでもらえることにワクワクするし、色んな楽しみ方してもらえることが嬉しい。」と語る石山さん。本当にとても魅力的な人でした。   まだまだ語り足りないですが、続きは、きっと、コーヒーが教えてくれるはずです。