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2050 COFFEE × Bean Voyage:コーヒーを通じて女性生産者を支援する未来

2050 COFFEE × Bean Voyage:コーヒーを通じて女性生産者を支援する未来

国際女性デーとコーヒー産業の現状

先週の3月8日に迎えた国際女性デー。女性労働者の権利獲得・向上のための活動を由来とするこの日は、世界中の女性のエンパワーメントを考え、促す日となっています。

しかし、きっかけとなった1904年のデモ集会から100年以上経った今でも、社会における性差別や不平等による被害や機会の損失が完全に解決しているとは言えないのが現状です。そしてそれはコーヒー産業においても、大きな課題の一つとなっています。

地域差はあるものの、国連食糧農業機関(FAO)などの調査ではコーヒー生産の現場の労働者における女性の割合は70%ほどまでにのぼるとのこと。それにもかかわらず、文化的・社会的障壁により、そういった女性たちの存在は、消費者の目に触れることはあまりないのが実情です。

そのような環境では、政策の立案などの意思決定が行われる場などで、彼女たちの存在が認識されにくいことは言うまでもなく、結果として経済的な権利や教育の機会が限られ、貧困などの悪循環に陥る人たちも少なくありません。こうした現状を変えるために、世界中で支援の取り組みが進んでいます。

その取り組みの一つが、女性のコーヒー農家・生産者をサポートするNPOであるBean Voyage(ビーン・ボヤージュ)。コスタリカやメキシコといったコーヒー生産国で、コーヒー生産に関わる女性たちに経済的な自立を促し、生活の向上につながるよう、フェアな価格での取引やトレーニングを提供しています。

2050 COFFEE × Bean Voyage

Kurasuの姉妹ブランド、2050 COFFEEが目指すビジョンは、持続可能なコーヒー産業の実現。社会的・環境保護の観点から意義のある取り組みを支援しながら、未来のコーヒー文化を形作っています。

その一環として、2050 COFFEEではBean Voyageの活動理念に深く共感し、メキシコの女性生産者たちが農園再生に取り組むためのトレーニングプログラム『Farmer School』への支援や、将来的なコーヒーの買い付けを視野に入れた協業を行うことになりました。

Bean Voyageとの出会いは、WOC Busanで開催されたBean Voyageの取り組みに関するセッション。会場のMomos Coffeeで、Bean Voyageの設立者・Sunghee Tarkさんに詳しく話を聞きながら、コーヒーをカッピングさせてもらい、その取り組みの素晴らしさに感銘を受けました。

その後もソウルのCafe Showの展示会などで何度か再会する機会があり、繋がりを重ねていくことに。持続可能なコーヒー産業への共通の想いや課題意識を通してご縁が深まっていき、今回のパートナーシップにつながりました。

知識に裏付けされた、サステナブルで生産力の高い農園再生を目指して

今回、私たちが主に参加する取り組みは、Bean VoyageのResilient Communities Initiativeプログラム。メキシコの生産者たちを対象とした、教育や支援を行うプログラムです。

メキシコの一部のエリアでは、農園におけるコーヒー株の老化に伴う生産力の低下、サビ病などへの抵抗力の低下が問題となっています。ですが、生産者たちに農園の再生に必要な資源や知識が不足していることで、解決につながっていないそう。

そこでBean Voyageは生産者たちに、温暖化や環境の変化、病害に強いだけでなく収穫量も多い品種を育てるプラント・ナーサリーの作り方を教える年間プログラムを立ち上げ、支援することにしました。

2050 COFFEEとのパートナーシップが、私たちの取り組みをより効果のあるものにし、メキシコの生産者たちのサステナブルな農園再生の助けになると感じています。

ゆくゆくは彼女たちの育てた新しいコーヒーが2050 COFFEEで提供できれば、生産者たちの努力と、それを価値あるものと認識する消費者とをダイレクトにつなぐこともできるようになります。

このパートナーシップにより、生産者の生活水準の向上だけでなく、サステナブルで高品質な商品が市場に届き、バリューチェーンに関わる全ての人に利益をもたらすことにつながるでしょう。 

ーBean Voyage設立者・Sunghee Tarkさん x 2050 COFFEEインタビューより

Tarkさんはさらに、「このコラボレーションが、私たちが関わるコミュニティとコーヒー業界全体の両方において、永続的でポジティブな影響をもたらす可能性があると信じています。教育、サステナビリティ、そしてエシカルな消費行動を通じて、私たちはより強く、環境の変化にしなやかに適応できるサプライチェーンを築いていけるのです」と話してくださいました。

2050 COFFEEでは、資金提供による教育プログラムの支援だけでなく、日本市場でのメキシコの女性生産者たちの認知向上や、Bean voyageのアンバサダーとしての情報発信なども行っていく予定です。

 

私たち消費者ができること

「買い物は投票であること、そしてそれが持つパワーを忘れないで」と話すTarkさん。

Tarkさんは、コーヒーがどこから来たか?という問いだけでなく、私たちの手に届くまでに、どれほどの人たちがどのように関わり、どれほどのストーリーが存在しているかー消費者である私たちがその道のりに関心を持ち続けることで、産業全体により良い変化が訪れるのだ、と言います。

2050 COFFEEとのコラボレーションをきっかけに、日本の消費者にもBean Voyageの活動や、女性生産者たちの努力が広く知られるようになり、コーヒーの消費がより公正、エシカルでサステナブルなものになる助けとなるよう願っています。

今回支援しているプログラムについては、引き続き情報の公開を行っていく予定です。

数年後、より強く、より高品質に生まれ変わったメキシコのコーヒーを皆さんと一緒に2050 COFFEEで味わえるかも...Kurasuの皆も、今からとても楽しみにしています。

ぜひ、2050 COFFEEのSNSなどをフォローして、Bean Voyageの活動報告や最新情報を受け取ってください!

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