今月のKurasuパートナロースターは、大分県のCreate Coffee Lab。住宅街に並ぶ小さな暖簾、煙突からは香ばしい焙煎の香りが漂います。何気ない街角を包むアロマには、オーナーの椎原さんの経てきたグローバルな経験が詰め込まれています。今回は広い視野と地元への深い愛情を掛け合わせた椎原さんの物語に触れ、コーヒー業界の多様な側面を伝えたい想いを書き紡ぎます。
椎原さんは、急成長する中国経済の可能性を感じて、大学時代に中国福建省の厦門(アモイ)にある大学で経済貿易を専攻。2010年頃、彼は中国で盛り上がりを見せていたコーヒー文化に触れます。卒業後、中国語を活かせる仕事を探し、地元の大分県にある三洋産業の国際営業部に入社。現在は、フィルターやドリッパーなどを製造するCAFECブランドを支えるグローバル企業です。入社を機に初めてコーヒーに触れ、コーヒーの世界に没頭するようになります。
いろんな現場に行くある日、彼は焙煎所に訪れます。名の知らぬ国から届く麻袋。豆の情報を調べると、JICAにコーヒー農家のコミュニティ開発やマーケティングに携わる職種があることを知ります。当時は豆に最も近い現場で栽培や精製、焙煎に携わりたいと考え、早速協力隊員に応募。なんと、ルワンダに渡航することになります。
しかし、生産地で目にしたコーヒー産業の裏側。それはコーヒー農家が抱える低モチベーション、限られた収量、そして不安定な市場価格といった課題です。多くの農家が他の作物への転向を考えている現状を目の当たりにし、品質の向上を通じて農家の経済状況を改善する必要性を実感します。限られた派遣期間の中でできることとして、彼は焙煎機を道の駅に設置し、小規模農家にも焙煎の機会を提供するなどの創意工夫を行います。彼は、コーヒーが単なる飲料を超えて、人々の労力と情熱が込められた飲み物であるという貴重な原体験を得ます。
帰国後は、豆屋の開業を決意。住宅街の一角で、家の前を改装し、穏やかな雰囲気の中でコーヒーを淹れ始めます。まるで豆腐屋さんのように、店は地元に愛され、大繁盛。創業2年目を迎える今、焙煎量も増え、2店舗目の開業予定を立て、新しい焙煎機も導入するそうです。しかし、急成長の中でも、品質は妥協せず、Qグレーダーの資格を取り、競技会に挑戦し受賞されています。
彼の豆屋が目指すビジョンは「グローカル」。日本に暮らす人々が香り高いコーヒーを楽しみ、地球に思いを馳せる時間を届けたいということ。今回のサブスクでは、椎原さんが想い入れのあるルワンダのコーヒー二種を届けます。彼の等身大の情熱を感じながら、ぜひその味をお楽しみください。
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