ロースターの学生時代に始まるルワンダへの愛
東京で学生時代を過ごしたヘッドロースターのTakuya。記憶を遡れば、当時からルワンダのコーヒーは好んで飲んでいたようです。
「スペシャルティコーヒー」を知り、産地を選んだり、豆ごとの個性を意識したりしてコーヒーを飲むようになったとき、最初に好きになったのは〈エチオピア〉。他にはない独特なフレーバーが、新鮮な体験を求める若さにはちょうど良かったのでしょうか。これはコーヒー好きならみんなが通る道かもしれません。
しかし、その後も変わらず好きであり続けたコーヒーは〈ルワンダ〉でした。甘さがしっかりありながら、みかんや紅茶のような優しい余韻が口の中に残る。確かに、言われてみれば彼の人柄ともよく合うような穏やかなコーヒーです。
当時はよく〈FUGLEN〉や〈ONIBUS COFFEE〉といった東京の名店を巡りながらコーヒーを飲んでいたそうです。そんなTakuyaがまさか今や〈ONIBUS COFFEE〉と協同で買い付けをおこなうインポーター〈Green Pastures〉からコーヒーを仕入れているとは、感慨深いですね。
今度は、Takuyaが焼いたルワンダを飲んでロースターを志す若者がいるかもしれない。そう思うと、何だかいい話だなと感じます。
Rwanda Ruli Honey ジューシーで甘く春らしいコーヒー
- 焙煎度:浅煎り
- プロセス:ハニープロセス
- 品種:ブルボン
- カップコメント:甘い香り、焼きリンゴやみかん、レーズンの味わい、黒糖のようなしっかりとした甘みとそれに伴う余韻
ルワンダのコーヒーは主にウォッシュド処理されていますが、〈Ruli Honey〉はブルボン種の甘さをハニープロセスで引き出すことで、その真価を発揮しています。
例えば「じわじわ」という表現が合うホンジュラスのコーヒーがあるなら、ルワンダの〈Ruli Honey〉は「じゅわじゅわ」と表現したくなるほど、ジューシーな果実感と味わい深さを兼ね備えています。
都会の喧騒を柔らかな花の香りが包み込む春の季節。そんな時期にふさわしい、心を穏やかにするコーヒーです。
春の訪れを告げる一杯
ルワンダの生産サイクルでは10月に精製が終わり、1月から3月にかけて我々の手元に豆が届きます。そのためスペシャルティコーヒーショップでは、3月から4月にかけてルワンダのコーヒーを紹介することが多くなります。
だから、ルワンダと言えば「春が来たな…...」とじわじわ考えさせられる、そんな情感があるのです——「じわじわ」ではなく「じゅわじゅわ」ですね。
焙煎前に愉しむ お気に入りコーヒー
ロースターは焙煎を始めると、数時間は作業場を離れることができません。そのため、毎回焙煎を始める前に、その時々の「お気に入りコーヒー」を淹れ、コーヒーの味わいの変化やフレーバーノートを考えることがあります。
そして、ヘッドロースターが現在、特にお気に入りなのが〈Ruli Honey〉だそうです。紹介する豆を選ぶ観点は、鮮度、在庫状況、エスプレッソとの相性など様々ですが、〈Ruli Honey〉はその全てにおいて高得点。フレッシュで甘い味わいは春らしく、これからの季節にぴったりです。
焙煎中、コーヒーを片手に「フローラルな紅茶のような香りとルワンダ特有の優しい甘さの余韻を大切にした焙煎のアプローチで挑みたい」と語るTakuya。〈Ruli Honey〉の魅力が最大限に引き出された一杯、夏が来るまでのあいだは継続的に販売するとのことで、さらに美味しくなる変化も楽しみですね。
実は、シーズナルブレンド〈春こち〉にもルワンダのコーヒーを使用しています。フレッシュなコーヒーをフレッシュな季節に、ぜひたくさんの方に楽しんでいただきたいですね。お花見の前に、春の訪れを感じさせるホットコーヒーはいかがでしょうか?もしまだ体験されていない方は、ぜひこの機会にルワンダのコーヒーをお試し下さい!
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