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FLOで淹れる、Kurasu浅煎りコーヒーの基本レシピ

FLOで淹れる、Kurasu浅煎りコーヒーの基本レシピ

この記事では、Kurasuの店舗で実際に使っているFLO Dripperのレシピをご紹介します。

私たちバリスタにとって、一杯を美味しく淹れることは、実はそれほど難しくありません。難しいのは、それを毎日、担当するバリスタが変わっても、忙しい時間帯でも、同じように再現し続けることです。

このレシピは、FLO Dripperというドリッパーの特徴を踏まえて検証を重ね、Kurasuが店舗で使うために設計しました。

今回はレシピそのものだけでなく、なぜこのレシピができたのか、その背景と考え方もあわせてお伝えします。

店舗のレシピに求めた条件

店舗で使うレシピは、ただ「美味しい」だけでは足りません。次のような条件も同時に満たす必要があると思いました。

  1. バリスタが変わっても、目指す味わいが共有しやすいこと
  2. 忙しい時間帯にも無理なく続けられるシンプルな動作
  3. 複数杯を並行して淹れても、品質を保ちやすいこと
  4. 豆の状態に合わせて、共通の基準から調整できること

この4つの条件と、次に紹介する目指す味わいとの、両方を満たすところからレシピを設計しました。

目指した味わい

Kurasuがこのレシピで目指したのは、次のような味わいです。

  • 豆の個性がしっかり感じられ、バランスがよいこと
  • クリーンでありながら、レイヤーのある味わいであること

これらの条件を満たすかたちで完成したのが、以下のレシピです。

レシピ

● HOT

豆量 12g
湯量 200g
湯温 90℃前後
ディスク 基本はMediumディスク
フィルター Origami Paper Filter Wave
抽出時間 2:20前後
抽出量 170g前後
時間 湯量 累計
1st 0:00〜0:07 40g (20%) 40g
2nd 0:40〜0:52 80g (40%) 120g
3rd 1:20〜1:32 80g (40%) 200g

ここからは、この数値がどんな考えで決まったのかをお話しします。

FLOの特徴をどう捉えたか

FLOは抽出の前半はお湯の抜けが良く、後半は液位が下がるにつれて流れが緩やかになっていくドリッパーです。

そのため、流れのよい前半に注ぐ湯量の大半を使い、流れが緩やかになる後半に湯量を残しすぎない、という考え方を設計の軸にしました。フィルターの選び方も、湯量比率も、注ぎ方も、この特徴への対応から生まれています。

ORIGAMIのWaveフィルターを選んだ理由

Kurasuでは、FLO DripperにORIGAMIのWaveフィルターを合わせています。

理由は、FLOの特徴を活かしながら、店舗で目指す味を安定してつくりやすいからです。

ORIGAMIのWaveフィルターは、お湯の抜けが比較的速いフィルターです。FLOは抽出の前半は流れがよく、後半は液位が下がるにつれて流れが緩やかになっていきます。そのため、フィルター側でも一定の通水性を保てることは、抽出全体の流れを安定させるうえで大切でした。

また、流れに余裕があることで、同じ抽出時間の中でも挽き目を少し細かく調整しやすくなります。これにより、豆の個性や甘さ、フレーバーを引き出しながら、重たくなりすぎないクリーンな味わいを目指しやすくなります。

つまりORIGAMIのWaveフィルターは、FLOの流れの特徴に合っているだけでなく、Kurasuが店舗で目指す「クリーンで、レイヤーのある味わい」を安定して表現しやすい選択だと考えています。

注湯比率と注ぎ方を決めた理由

先ほど触れた通り、FLOは前半の流れがよく、後半は流れが緩やかになります。そのため、流れのよい前半に全体の大半を使い、後半に湯量を残しすぎない設計にしました。

各投には、それぞれ次の役割があります。

  • 1投目 (40g・20%):粉全体に均一にお湯を行き渡らせる
  • 2投目 (80g・40%):酸、フレーバー、ボディの骨格をつくる
  • 3投目 (80g・40%):後半の流れに合わせて、全体をまとめる

1投目で粉全体に均一にお湯を行き渡らせることが、2投目以降の抽出のベースになります。ここが偏ると、場所によって抽出の進み方に差が出やすくなるため、店舗では特に丁寧に扱っているポイントです。

注ぎ方は、なるべく低い位置から、優しくサークルを描くこと。サークルの回数は少なめにしています。1投目(蒸らし)だけは、上下にケトルを動かしながら勢いよく注ぎ、粉全体をしっかり撹拌させます。

この「低く、ゆっくり」という動きは、味づくりだけでなく、店舗での再現性のためでもあります。低い位置からのほうが動きが見えやすく、担当するバリスタが変わっても、注ぐ位置や角度のブレを小さくできます。結果として、誰が淹れても目指す味に近づけやすい、共有しやすい動作になっています。

店舗での再現性と複数杯の同時抽出

店舗では、注文が重なることが日常的にあります。美味しさだけでなく、営業中に実際に機能することも、レシピに求められる条件のひとつです。

このレシピは、13〜14秒ずらして淹れ始めることで、2〜3杯を並行して抽出できるように設計しています。

湯量配分がシンプルで、注湯のテンポが一定だからこそ、複数杯を同時に扱っても、それぞれの抽出が大きくズレることなく進みます。オペレーションのしやすさは、忙しい時間帯における品質の安定にも直結する要素です。

豆に合わせた調整の考え方

このレシピの数値は、店舗でも完全に固定されているわけではありません。豆の状態や焙煎からの日数に合わせて、主に挽き目で味を整えています。

レシピは、正解をひとつに決めるためのものではなく、調整のための共通基準として使っています。同じ基準から出発することで、バリスタが変わっても、目指す味の方向を揃えやすくなります。

Kurasuが店舗の一杯に込めていること

このレシピにとって、数値を守ること自体が目的ではありません。

Kurasuが届けたい味を、店舗で安定して表現するための手段として、このレシピは設計されています。美味しさはもちろん、再現性やオペレーションのしやすさまで含めて考えることが、私たちにとってのレシピづくりです。

店舗で一杯のコーヒーを飲んでいただくとき、その一杯の背景にあるこうした設計にも、少し関心を持っていただけたら嬉しいです。

▶ FLO Dripper(Varia x Kurasu Kyoto)

▶ ORIGAMI コーヒーペーパーフィルターウェーブ

▶ コーヒー豆(シングルオリジン)

【FLOの詳細やレシピは、動画でもご紹介しています】

FLO Dripperがどんな器具なのか、Kurasuではなぜこのドリッパーを使っているのか、そしてカフェで実際に使っているレシピについて、Kurasuのバリスタ Amiri が動画で語っています。ぜひ、こちらもご覧ください。

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