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Gluck Coffee Spot (熊本): 2021年6月 Kurasuパートナーロースター

今月ご紹介する#クラスパートナーロースターは、熊本のGluck Coffee Spot

熊本の中心地に2017年にオープンした本店のGluck Coffee Spot、パティシエが創り出す焼き菓子とコーヒーのペアリングを提案する姉妹店、licht coffee & cakes (リヒト コーヒー&ケークス)、そして焙煎所と、3つの店舗を切り盛りするのはオーナー、ロースターの三木さんだ。

 


コーヒーとの歩み


自家焙煎経験ゼロからスタートしたという三木さん。お店を始める前は、アパレルショップの一角にあるバーカウンターでコーヒーを淹れていたそう。そこで提供していたのは熊本の有名店、AND COFFEE ROASTERSのコーヒー。彼らのコーヒーは、三木さんのスペシャルティコーヒーとの衝撃的な出会いをもたらした事でも思い出深い味だ。

 

 

熊本城にほど近い古民家をリノベーションした本店は、年月を重ねた木の温かみが感じられる居心地の良い空間。2019年にオープンした2店舗目のlicht coffee & cakesは、熊本駅前の便利な立地で、同じく木材を基調にした内装だがよりすっきりとモダンな印象だ。去年オープンしたばかりの焙煎所は、本店から車で30分程度走った所、住宅地の一角にある。広い空間に、コーヒー器具が並び、プロバットの5㎏窯がどっしりと厚みのある存在感を放っている。


「個人的には浅煎りのフルーティーなコーヒーが好き」と話す三木さんだが、お話を伺っていて興味深かったのが、店舗によってガラリと変えた雰囲気と、それに合わせた業務形態の違いだ。

 

 

「提供するコーヒー豆は店舗ごとに使い分けているんです。2店舗目のリヒトにはパティシエがいて、お菓子とコーヒーのペアリングを提案するカフェに特化した形で営業しています。来てくださるのは20代前半の若い方たちが中心で、ラテなどエスプレッソベースのドリンクが人気です。フィルター抽出の注文との割合は7:3ぐらい。ところが本店はほぼ真逆で、フィルター抽出が中心によく出ます。来てくださるのは高校生〜年配の方まで幅広い層。同じ熊本で、地域が同じでもこれほど違いが出るのは面白いですね」と三木さん。


お店をはじめたばかりは深煎りを求めてやってくる人が多く、今でも幅広い好みに合わせて楽しんでもらえるように、中煎りと深煎りのブレンドも提供している。



 

Gluck Coffeeの焙煎


三木さんが焙煎するコーヒーを表現するキーワードは、「クリーンカップ」と「スイートネス」。信頼するインポーターから買い付けた豆を、まずは浅めに焙煎し、カッピングと微調整を繰り返しながら、ホットで飲んでも、アイスで飲んでも、更には水出しでも美味しいGluck Coffeeの味に仕上げる。


「焙煎も抽出も、スイートな印象に作り上げること、口当たりもよく甘くて、冷めても飲み心地がいいカップに仕上げる事を心がけています。また、抽出器具でガラッと印象が変わらないのもGluck Coffeeブランドのコーヒーの特徴です」と三木さんは説明する。


現在は産地からダイレクトトレードを行っている九州のインポーターから豆を仕入れている。現地の情報をリアルに伝えてくれるので、扱う豆や産地、生産者に親近感を持って接する事ができるのが魅力だという。

 

 

熊本と三木さんのこれから


大分出身だという三木さん。「熊本のいいところは?」と伺うと、大きすぎず小さすぎず、規模感が良いところ、流行りに敏感な県民性、そして食材が美味しくご飯が美味しい所、と教えてくれた。


「カフェは多いのですが、自分の世代で、というと熊本はまだ(コーヒー屋さんが)少ない。地元への愛着が強い人が多い熊本ですが、若い人たちがコーヒーをやりたいなと思っても地元で働く場所がないのが現状です。九州なら福岡に行くのがほとんどですね。


熊本にも少しずつお店が増えたら、働く場所が増えるし、そうすることで熊本出身のバリスタもちょっとずつ育てていけたらいいな、と思っています」と三木さんは話す。


今後の展望としては、技術向上、そしてより深く素材を理解すべく、自分でも産地へ行ってみたいそう。「自ら買い付けをするとなるとそれだけ消費量も多くならなければいけない。お店を始めて5年目になるけれど、ここからどうしようかと話し合っています」という三木さんの眼差しは、未来へ向けて輝いていた。


Gluck は、ドイツ語で「幸せ、幸福」を意味するという。様々な人々の好みやライフスタイルに柔軟に寄り添う三木さんは、これからも、熊本を愛する人々、そして日本中、世界中へ幸せを届けてくれることだろう。