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インドネシア産地ブログ2026(前編: Java Frinsa Estate)

インドネシア産地ブログ2026(前編: Java Frinsa Estate)

ヘッドロースターのTakuyaです。2026年7月上旬、1年ぶりにインドネシア・ジャワ島を訪れました。今回は、昨年も訪問した、コーヒーの生産・精製・輸出を手がけるJava Frinsa Estate(Bandung)に加え、彼らが輸出を担うパートナー農園であるTujuhenam Estate(Garut)とKopi Bunar(Tasik)にも初めて足を運びました。

インドネシアの首都ジャカルタから高速鉄道Whooshで約30分。そこからさらに車で2時間ほど走り、Frinsa Estateの倉庫に到着しました。着いたころにはすでに夜も遅く、その日は近くのヴィラに宿泊。翌朝、ヴィラの共用スペースへ向かうと、代表のFikri、創業者であり父でもあるWildan、そしてFrinsaチームが温かい朝食とともに出迎えてくれました。農園で過ごすFikriは、日本で会う時以上に生き生きとして見えます。朝食を終えると、さっそく彼らの農園の一つ、Riung Gunungへ向かいました。

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※ちなみに「Frinsa」という名前は、創業者Wildan Mustofa氏の4人の子どもたち(Fikri、Rifda、Nadia、Salsa)の名前に由来しています。

Fikri Wildan

Frinsa Estate全体の今年の生産量は、昨年と比べて約30%減少しました。コーヒーノキをはじめとする果樹には、豊作の翌年に樹の養分が不足し、花がつきにくくなる性質があります。豊作年(表年)と不作年(裏年)を繰り返す「隔年結果」と呼ばれる現象で、今年はその裏年に当たるそうです。

さらに、昨年の乾季に雨がまばらに降ったことで開花のタイミングが分散し、チェリーの成熟にもばらつきが生じました。その結果、収穫や選別が難しくなり、生産量にも影響したといいます。一方、今年の乾季は安定した晴天が続いており、来年の生産には明るい見通しを持っているとのことでした。

Frinsa Estateの自社農園では、Lini S、P88、Andungsari、Sigarar Utang、Ateng Super、Borborなど、多様な品種を育てています。その多くは、耐病性や生産性を高めるために交配・選抜されてきた品種です。

ルーツもさまざまで、Sigarar UtangやAteng Superはスマトラ島、Andungsariはジャワ島、Borborはティモール島に由来します。一方、Lini SやP88のように、海外で育成された後、インドネシア各地の研究機関や農園を通じて普及した品種もあります。インドネシアでは、スマトラ島などの西部は湿潤で、ティモール島などの東部は比較的乾燥しています。その中間に位置するジャワ島は、異なる気候帯に由来する品種を比較的育てやすい環境なのだそうです。

また、彼らの農園では、コーヒーノキの間隔を狭くする「population system」と呼ばれる密植栽培を採用しています。単位面積あたりの本数を増やし、限られた農地から効率よく収量を確保するためです。森林保護の観点から農地を無制限に広げられない、この地域ならではの工夫でもあります。

Riung Gunung農園では、コーヒーノキを覆うシェードツリーとしてユーカリが植えられていました。高く伸びたユーカリは強い日差しを和らげ、風からコーヒーノキを守ります。また、根を張ることで傾斜地の土壌を支え、侵食や地滑りを抑える役割も期待されているそうです。

ユーカリは水分を多く吸収するため、環境によってはコーヒーノキと水分を奪い合う可能性があります。しかし、降雨量の多いこの土地では、その性質を踏まえてもシェードツリーとして適していると考えているとのことでした。

翌日訪れたWeninggalih農園では、既存の松林の下でコーヒーが育てられていました。松は必ずしもコーヒーにとって理想的なシェードツリーではなく、水分や養分の競合、光量不足といった課題もあります。それでもここでは、森林を伐採して農地を広げるのではなく、松林を残したまま林床をコーヒー生産に活用しています。幹からは松脂も採取されており、森林を維持しながら複数の産物を得る、この土地ならではのアグロフォレストリーを見ることができました。

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農園を巡った後は、Frinsaのオフィスでチームの皆さんとニュークロップをカッピングしました。自社農園のロットに加え、周辺農家から集めたチェリーを精製した「Frinsa Collective」、さらにFrinsaが輸出を担うTujuhenam Estate(Garut)とKopi Bunar(Tasik)のロットも並びます。さらに、量は多くないものの、昨年Fikriと話して実現したAteng SuperとLini Sのシングルバラエティのウォッシュドも用意されていました。

精製を終えたばかりで、まだ味わいが十分に開いていないロットもありましたが、全体として品質は安定していました。今季も安心して買い付け、皆さんに彼らのコーヒーを紹介できそうです。

カッピングの後は、World Coffee Research(WCR)やインドネシア・コーヒー・カカオ研究所(ICCRI)と連携して運営する実証圃場も訪れました。ここで試験栽培されているのは、耐病性と高い収量が期待されるインドネシアのアラビカ品種「Komasti」です。苗木や肥料、栽培手法などの提供を受けながら生育状況を継続的に記録し、その結果をレポートとして共有しています。

今回は、同行したインポーターのTYPICAさんとのプロジェクトの一環として、私もこの圃場にユーカリの苗を植えました。ユーカリは成長が非常に速く、種類や環境によっては年間2〜4mほど伸びることもあります。今回植えた小さな苗も、数年後にはコーヒーノキを日差しや風から守るシェードツリーへと育っていく予定です。

Frinsa Estateでの2日間を終え、次に向かったのはGarutにあるパートナー農園、Tujuhenam Estateです。(中編へ続く)

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