パナマ バンビート エステイト [浅煎り]

パナマのバンビートエステイトから、クラシックなティピカ種のロットをご紹介します。

オレンジやアプリコットの風味をベースに、カラントやブルーベリーを思わせる重厚感のある酸味が重なり、カップに立体感をもたらしています。さらに、日本茶のような滋味深い味わいも、このコーヒーの特徴のひとつです。

バンビートエステイトが生産するゲイシャ種は、Best of Panamaで1位に輝いた実績を持ち、その品質を求めて世界中から多くのバイヤーが集まります。そんな中、バンビートエステイトのIvanは、「このティピカ種こそが、私たちのコーヒー生産におけるすべての工程に込められた丁寧さと伝統を体現している」と語っています。

彼らが誇りをもって届けるこのティピカ種を、皆さんに紹介できることを嬉しく思います。

バンビート・エステート・コーヒーは、1900年代初頭よりシットン家によって所有されてきた歴史ある農園です。1945年には、アルベルト・シットン・リオス氏が父親から農園を引き継ぎ、パナマ・チリキ県バンビートの山岳地帯にて本格的な運営を開始しました。現在もなお家族経営が続いており、4代目・5代目によってその伝統が守られています。

農園は標高1,660〜1,800メートルに位置し、2つの国立森林公園に囲まれています。東西に伸びる2本の山脈が自然の防壁となり、夏季の北風からコーヒーの木々を守るとともに、農園内に2つのマイクロクライメイト（微気候）を形成しています。また、2つの湧き水が農園内にあり、これが精製処理場の主な水源となっています。

バンビート・エステートでは、自社の温室とカッピングルームを備えています。温室では、コーヒーの遺伝資源を保存しながら、若木の育成を行い、プランテーションの持続的な維持を図っています。コーヒー精製における副産物（果肉やミューシレージ液）は、有機肥料として再利用されています。カッピングルームでは品質管理のためのテイスティングが行われており、訪問者に向けて各品種の風味を体験できる機会も提供されています。

さらに、持続可能な農業の実践と、健康的で社会性のある労働環境の整備にも力を入れています。地域社会との連携にも積極的で、社会貢献プログラムの一環として、近隣の小学校に通う児童に対し、学期中の朝食を提供しています。また、ホリデーシーズンには地域全体を対象としたクリスマス会を開催し、食事や贈り物の提供も行っています。