今月のKurasuパートナーロースターは、兵庫県のコーヒーポート芦屋浜ロースタリー。海風が心地よい芦屋市の南芦屋浜に店舗を構えています。白を基調とした美しいデザインの建物は、周囲の街並みや雰囲気と調和しており、このお店のコーヒーがこの街の人々の生活に溶け込んでいることを感じさせます。「芦屋浜の港のようなコーヒー屋さんになれたら」と話すオーナーの小川さん。コーヒーを通して、この場所に帰ってきた人々にエネルギーを与えられる存在を目指しています。今回、直接店舗に伺い、窓から海の見える素敵なカウンターでゆっくりお話を伺いました。
コーヒーポートを開業する以前、小川さんは京都の洋菓子店で働いていました。「元々食への興味が強かったのですが、夫が生豆商社で勤務していることもあり、素材が一つながらも多彩な味わいや表現があるコーヒーという分野へ次第に惹かれていきました」と小川さん。複数の素材を扱うよりも、一つのものを突き詰めたい、という想いがあり、そこにコーヒーが上手く当てはまったそう。大阪のレコールバンタンというバリスタ専門校に通い技術を習得した後、現在の場所にコーヒーポート芦屋浜ロースタリーをオープンしました。
小川さんがロースターとして大切にしているのは、お客さんの好みや求める味わいを軸にして、生豆を選び、焙煎・抽出すること。「例えばブラジルならこの味わい、というのを決めて買付と焙煎をしています。オリジン毎に味わいのイメージを決め、味のラインナップの幅を広く用意しておくことで、お客さんが美味しいと思うコーヒーを提供し続けることができる。」私が訪れた時には、浅煎りから深煎りまで14種類ほどのラインナップがあり、メニューの下にはフレーバーのマッピングチャートがありました。足を運べば、きっとあなたの好みのコーヒーも見つかるはずです。
また、コーヒーポートは、日本のロースター・バリスタにとっての港でもあります。彼女自身、未経験の状態から開業に至ったバックグラウンドがあり、海外からのゲストを招いたセミナーやワークショップの開催にも力を注いでいます。「正しい知識が身につけば、同じ言葉でコーヒーを語り合うことができる」と話す小川さん。自身がコーヒーを学んできた経験から、プラクティカルに、正しい知識を学ぶことができる場を多くの人に提供しています。
日々コーヒーに真摯に向き合い、人とのつながりを大切にしてきた小川さん。その積み重ねが、この場所にやさしく広がり、訪れる人々の心にも静かに届いています。