「タイのコーヒー」と聞くと、どんな味を思い浮かべますか?
フルーティ? それともやわらかくて飲みやすい?
タイ北部・チェンライ近郊で、Akha Ama Coffeeとともに新しい世代のコーヒーづくりに挑戦しているのが Ayo & Mika夫妻。Kurasuでも、彼らのコーヒーを取り扱っています。
かつてはトマトを育てていた農家が、今では世界のロースターに注目されるコーヒーを作るようになりました。その背景には、タイのコーヒー生産者を支援するAkha Ama Coffee(アカアマコーヒー)のLeeさんとJennyさんが築いた、地域と若者をつなぐ長い信頼の物語があります。前編にて、そのストーリーを皆様にお届けしました。
後編では、次世代を担う生産者Ayo & Mika夫妻の挑戦と、彼らが生産現場でリアルに見つめる「タイのコーヒーのこれから」をお届けします。
ーーコーヒー農園を始める前は、何をしていましたか?
Mika:Akha Ama Coffeeで5年間働きました。その後、別のカフェで2年間働き、専門学校に通っていた時にAyoと出会いました。結婚してから、コーヒー農園を始めました。
Ayo:子どもの頃からずっと農業をしてきました。コーヒーの前はトマトや梅などを育てていました。家族としては24〜25年前からコーヒーもやっていました。

農家のAyoさん(右)、Mikaさん(左)
ーーAkha Ama Coffeeと一緒に仕事をすることになったきっかけは?
Mika:私からJennyに「Ayoの家族がコーヒーをつくっているのですが、どうでしょう?」と相談しました。最初にAkha Amaから注文をいただいたロットが500kgだったか2,000kgだったか正確には覚えていませんが、私たちにとっては初めての取引で少し自信がありませんでした。
いくつかサンプルを送り、たくさんフィードバックをいただきました。アドバイスに沿って自分たちのやり方をいろいろ変えていった結果、昨年は 10,000kg を生産できました。
ーーコーヒー農園としては、何年取り組んできましたか?
Ayo:本格的にこだわって取り組み始めてから 8年になります。これからさらに成長したいと思い、多くの点を見直しました。もともと親がやっていた農園の土壌づくりから取り組み直し、Geisha や Java などの植え替えも進めました。
ーーなぜ、そこまでコーヒーにこだわるのでしょうか?
Mika:私たちのエリアでは、当時コーヒーに本気で取り組んでいる人がまだ多くありませんでした。最初は私たちだけで 4,000〜5,000kg 作れる状況でした。Jennyからは「買うことはできるけれど、大量には買えないかもしれない」とも言われていたので、毎年Akha Amaのラインナップに並べてもらえるよう、品質も量も上げる必要がありました。
そのうち、2〜3人のロースターから注目され、1,000〜2,000kg のオーダーもいただくようになりました。自分たちが良いコーヒーを作れば、ロースターが注目してくれる——その実感が自信になり、もっとこだわって、より良いコーヒーを作り続けようと思えました。

SCAJ 2025では、LeeさんがKurasuのブースでコーヒーをサーブ。
Ayo:JennyやLeeが紹介してくれたロースターから、望むプロセスを指定されることもあります。こちらで生産して送ったコーヒーに対してフィードバックをもらい、その内容を反映して修正を重ね、より良いものに更新することを大切にしています。
ーー現在、生産しているプロセスと品種を教えてください。
Ayo & Mika:プロセスは、Washed、Honeyというクラシックなものから、Anaerobic NaturaやSemi-washといった実験的なものまで試しています。品種は、Catuai、Caturra/Catimorなどが中心で、来年から Java、Batian などの植え付けも始めます。

ーーKurasuとの取り組みについて、どのように感じていますか?
Mika:Kurasuに継続して使っていただくことで、生産の基準が上がっていると実感します。自分たちのコーヒーが海外でも評価され、使われていることは、大きな誇りであり、次の年をもっと良くするための原動力になっています。
Ayo:ロースターから届く具体的なフィードバックが、私たちの改善に直結します。結果として、地域の中でもコーヒー中心の農業にシフトするモデルになれたのではないかと思います。
ーーこれから目指したいことは?
Mika:品種×プロセスの最適な組み合わせをもっと掘り下げたいです。これまでの実験を通して「このプロセスなら、こういう風味になる」というイメージが持てるようになってきたので、自信を持って“らしさ”を出すことに挑戦したい。
Ayo:土づくりと収穫後プロセスの精度をさらに高めたいです。少量でも価値の高いロットを安定して届けられる生産者でありたいと思います。
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Ayoさん、Mikaさん、ありがとうございました。
Kurasuで取り扱っているAyo&Mikaのコーヒーはこちら。次世代を担う生産者が作り出す味わいを、ぜひ味わってみてください。
Text: Production team, Ratchatajaroentad Ponrawit(a.k.a. Moo)


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