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恋史郎コーヒー(宮崎)2025年6月Kurasuパートナーロースター

恋史郎コーヒー(宮崎)2025年6月Kurasuパートナーロースター

今月のKurasuパートナーロースターは、宮崎県の恋史郎コーヒー。「コーヒーが果実であることを日常に」をコンセプトに掲げる、宮崎市のスペシャルティコーヒーロースターです。"恋史郎"は店主・田中さんの息子の名前に由来しており、特に"恋"の字は田中さんの地元・恋ヶ浦から取ったそうです。田中さんは元サーファーで、恋ヶ浦のローカルリーダー的存在として、そのサーフポイントを守っていた経歴を持ちます。長年続けていたサーフィンを辞め、2015年に恋史郎コーヒーをオープンした田中さん。そんな田中さんのこれまでの歩みと、彼が大切にしているコーヒー観に迫ります。

田中さんがスペシャルティコーヒーと出会ったのは2010年頃。地元でコーヒーショップを始めるという先輩にエチオピアの浅煎りを飲ませてもらい、そのフルーティな味わいに衝撃を受けたそう。宿を営んでいる実家の家業を手伝いながら、鹿児島のVOILA COFFEEや、熊本のAnd Coffee Roastersに通い詰めてコーヒーを学び、2015年に店舗をオープンしました。

田中さんがそれまで熱中していたサーフィンを辞めたのは、サーフィンとコーヒーが感覚的に非常に近いものだと感じているからだそうです。「流動性」が彼にとってのキーワード。「サーフィンは他のスポーツにはない"地面が動く"性質があります。しかもそれは自然が生み出すもので、一生のうちに全く同じ波は二度と来ないんですよね。」と田中さん。コーヒーも自然の産物で、生豆も焙煎も、日々流動しています。「ロースターはその流動性の中で常にベストカップを目指します。ただ、厳密に言えば、全く同じカップというのはなくて、必ず何かしらの差があるんです。」変化し続けるものの中で技術を高めてベストに近づけ続ける、そのプロセスが田中さんの感覚にはまったそう。また、良い波に乗れた時の高揚感と良いカップを作れたときの高揚感も近いそうで、「本当に似てると思う」と笑いながら話していました。

店舗オープンから10年間、自分たちのスタイルを変えず浅煎りのコーヒーを提供し続けてきた田中さん。「宮崎ではまだまだ浅煎りのコーヒーが浸透していない」と話します。飲んだことがない人が多いので、まずは飲んでもらうことが大事。地域のコーヒーカルチャーを発展させるために、今後はゲストバリスタやコンペティションへの参加を通じて刺激を与えたい、とのこと。味づくりにおいては、焙煎から抽出まで一貫して綺麗な液体を作ることにフォーカスされています。豆が本来持つ果実感のある味わいを、ぜひ味わってみてください。

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