今月のKurasuパートナロースターは、大分県の3CEDARS COFFEE。「三つの杉」という名前には、ロースター・三杉さんの心の深奥に根ざしたコーヒーへの愛が刻まれています。コーヒー豆屋としてスタートし、今年で8周年を迎える3 CEDARS COFFEEは、コーヒーラバ―の間で「3CEDARS COFFEEの豆は美味しい」と好評です。そんな三杉さんが歩んできた道を伺いました。
三杉さんは、大学卒業後に福岡のコーヒーショップでバリスタとしての経験を積み、店舗立ち上げの初期メンバーとして関わるなど、コーヒーの「川上から川下まで」の全過程に触れられます。まだシアトル系のコーヒーカルチャーが広まり始め、カフェラテやカフェモカが一般にも広く知られるようになった頃でした。
このように長年コーヒーの仕事へ携わってきたベテランの三杉さんに、スペシャルティコーヒーに最初触れた頃の記憶を伺いました。20年ぐらい前の話。品評会で受賞したロシナンテ農園のコーヒー。透明感があり、きれいな甘さのあるコーヒーでした。コーヒーに長年携わりながらも、記憶に残るコーヒーは指で数えられるほどというのが現実。そのような中で「その頃の記憶だけは、一生大事にしたい」と語ります。
3 CEDARS COFFEEの立ち上げ前、中米にコーヒー豆の買い付けに行かれた三杉さん。「店はないものの、豆を購入すれば売らないといけないという状況をつくれる」と自分を追い込んだそうです。豆を売るためには、液体よりも豆のままで届けた方がベストだと考え、コーヒー豆屋として開業。最初は、コーヒーを飲みに来られた方々を断っていくしかない状況が辛かったそうです。しかし、豆のプレゼンテーションをしたいという強い想いで続け、コーヒー豆屋として認知されファンも増えていきます。
コーヒー豆の焙煎に深いこだわりを持つ3cedars coffee。世界中のコーヒーロースターが愛用するプロバッドのUG22kgを使用しています。三杉さんがコーヒー業界に足を踏み入れた当初、George Howell Coffee、Square Mileなどの当時の美味しい有名なコーヒー店がプロバットの焙煎機を使用していてプロバットに憧れるロースターが増えたという逸話もあるそう。そのアナログな操作性が持つ魅力と蓄熱性の高い焙煎ならの特徴である甘さを想像しながら、今回届くコーヒーを楽しんでほしいです。
これから未来を見据え、三杉さんは若い世代にスペシャルティコーヒーの魅力を届けるべく、カフェの開業を目標に掲げています。近年、品種やテロワール、プロセスの境界を超えて進化するコーヒーの世界。そんな中でも三杉さんが目指すのは、伝統的な味わいも大切にしつつ、多様なコーヒーの選択肢を提案し、客一人ひとりの味覚に寄り添う一杯を追求し続けることです。
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