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MANLY COFFEE (福岡): 2020年7月#クラスパートナーロースター

7月のコーヒーサブスクリプションでご紹介するのは、福岡のMANLY COFFEE。国内のエアロプレスチャンピオンシップ確立への大きな貢献はもちろんのこと、引き続き様々な場面でコーヒーに携わる人々をインスパイアし続けている須永さん。前回定期購買にご参加くださったのが2017年の2月。あれから3年半が経ち、須永さんのコーヒーとの向き合い方は、福岡のコーヒーシーンはどう変わったのか。お話を伺った。

 

MANLY COFFEEの焙煎:新しいチャプター

MANLY COFFEEの焙煎はフジローヤル。以前の1kg窯から3kgにパワーアップし、容量、火力や排気が大幅に向上して快適、と話す須永さん。新たな焙煎機と共に最近、転換期を迎えたのだそう。

「初めは快適にやいていたんですけど、色々試すうちに何だかしっくりこなくなって。焙煎の壁は何度もぶつかりますが、これは焙煎機に関係があるのではと感じるようになりました」

悩む日々の中、あるところではコーヒーの味に焙煎機は関係ない、あくまでもやき方の違いだとはっきり言われた。そうか、と思いしばらく試行錯誤を続けていると、また別のところでは、フジローヤルは深煎りに向いているから、浅煎りは難しいですよ、とこれまたはっきりと言われたという。

「今はそのどっちの答えも正しくて、理由もわかるし、そうなんだなと思うんです。結局は構造上焙煎機による味の違いもある。だけどある一定のレベルに達すればどの焙煎機でも美味しくやくことができるようになる。

でもその時はもう行き詰まってしまって、LANDMADEの上野さんにトレーニングをお願いしたんです。フジローヤルのセミナーを担当していらっしゃる方で、福岡までお越しいただいて1日。

上野さんのトレーニングでは、「こういう風にやく」という明確なものがあって、何分でこのぐらい、などとしっかり決まっています。ではなぜそうなのか?というところにも触れながら、どうしてここでダンパーをあけるのか、火力をこのタイミングで上げるのか、というのが初めて自分の中ですっきりしたんです。目指す焙煎によってプロファイルを組み立てていく、そのやり方っていうのがわかりました。」

点と点がつながり、試行錯誤が実を結んだ新生MANLY  COFFEEのコーヒーは、以前よりも厚みのある甘さとバランスが取れたものに進化した、そう須永さんは微笑む。

 

エアロプレス大会との関わり

JAC(ジャパンエアロプレスチャンピオンシップ)を立ち上げた事でもよく知られている須永さんだが、実は来年で大会の運営から離れるつもりだという。「昔、海外を回っているときに若い人たちが意見をしっかり持って活躍している姿を見て、日本もこんな風に若い人が活躍しなきゃだめだな、という気持ちがずっとあったんです。エアロプレスのことも、若い力でやってほしいな、どこかのタイミングで次の世代に渡さないとな、と思っていましたと話す須永さん。

JACの大会は年々盛り上がり競技人口が驚くほど増えました。そしてそれを支え、共に運営してくれているメンバーもエアロプレスとコーヒーを愛するユニークな人達が集まるとても素晴らしいチームとなりました。今私はほぼ何もしていない状態なのですが(笑)、運営だけでなくJACの大切なコアな部分も共有しあえているので安心して後を任せることができます。

2021年はちょうど私がエアロプレスの世界大会に挑戦してから10年になります。この節目を最後に運営からは離れエアロプレスの母として大会を見守り続けたいと思います。そして、自分のお店をしっかり作っていこうと思っています。」

 

福岡のコーヒーシーン

福岡を代表するロースターの1人として活躍を続けてきた須永さん。この3年で、福岡のコーヒーシーンはより一層盛り上がり、次世代、またその次の世代がどんどん誕生しているという。

「まず、みんな福岡が好きと言う気持ちがベースにあると思います。福岡の人たちは個人店が好きで、個人経営で輝いているお店がたくさんあるんです。それが憧れや、自分もやってみたいと思うきっかけにつながっているのかな」そう須永さんは分析する。

スペシャルティコーヒーはオープンソース、知識の共有が魅力。福岡も、そんな特徴がある、と須永さんは言う。福岡には、カフェ同士が競争すると言うよりも、マーケットを広げ、皆で力を合わせて盛り上げていくと言う感覚があるのだそう。おしゃれで雰囲気あるカフェ、美味しさを求め味で勝負のコーヒー店と、これまで少し分かれていた分野がつながり始めている流れも感じている。世界基準を意識しながら、自分自身もアップデートしていきたい、そう考えている。

 

自分と向き合う・生き方を考える

「前は、世界一になりたい、とお話ししていたと思うんですが、それを目標にしてギラギラというよりも、自分の好きなこと、好きな風にコーヒーを作ってやっていきたい。最近そんな気持ちになって。もっと暮らしを整えたい。自分の体を鍛えたい。楽しく生活したい。その先に世界一もちらついていたりするけれど、そこに執着をしない。そういう気持ちを自覚したら、今やってることをただ深めていけばいいんだな、と思ったんです」と須永さんは説明する。

MANLY  COFFEEのテーマの一つに、Coffee is beautifulLife is beautiful“  というものがある。今回の気持ちの変化で、それがより今の自分と深くつながるテーマだと感じたと言う。

心と言葉の輪郭を重ね合わせるように、丁寧に確認された言葉を使って話す彼女の言葉には、心の中心を通って伝わり響くような不思議な力強さがある。

お話を伺えば伺うほど、自分の軸を大切に、自己研鑽の大切さをとことんまでに突き詰めている方なのだと改めて感じた。その真摯さが相手とのコミュニケーションに向かうとき、考えていることや経験してきたこと、心の柔らかい所までを恐れずに伝え、向き合う強さとして現れるのだ。日本、そして福岡に新しいコーヒーシーンを立ち上げ、コーヒーにかかわる次世代のロールモデルとして輝く魅力がそこにある。

 

後日、須永さんからこんなメッセージをいただいた。

自転車乗りながらふと思いがおりてきたので
取り急ぎ送ります。
コーヒーを始めて20年。途中で自ら小さな青いヨットを作りこれまで思うままに、何度かの嵐にあいながらも知恵をしぼり、周りに力をかりて、どうにか進んできました。色んなものを手に入れたり、手放したり、傷を負ったり!?。ただ1つ"情熱"という光だけは変わらず今も私の心の中で輝いています。この20年はたくさんの嬉しいことや楽しいことがありました。その中に葛藤や不安、羨望などもスパイス的に散りばめられています。そうして今見えている景色はとても広く色鮮やかな景色が広がっています。 

 

(このインタビューは、2020年の3月以前に収録したものです。それから私達の生活を取り巻く状況は大きく様変わりし、須永さんもまたこの変化の中で、様々な事を感じていらっしゃる事と思います。自らの心を見つめ、周りの姿を見つめ、常にそれに正直であろうとする須永さんのこれからに、私達もたくさんの刺激をいただきながら進んでいく事になるでしょう。須永さん、お話ありがとうございました!)

2017年2月の須永さんのインタビューを読むにはこちら

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