今月の#クラスパートナーロースターは、山梨県甲府市の寺崎COFFEE。誇張も虚飾もなく「地元に愛されるまちのコーヒー屋さん」という言葉が似合います。街角のコーヒー屋さんとして、長年、コーヒーと人と向き合ってきた寺崎さんのものがたりを少しだけ紹介。
店主の寺崎さんは大学進学をきっかけに山梨に初めて触れた。コーヒー業界に興味を持ち就職活動をしたものの、寺崎さんが想う仕事は見つけられず。一度、物事を広く見るためにイギリスへ留学した。そして24歳の頃、再び山梨に戻った時、カフェ店主をやらないかという誘いをきっかけにお店を始める。親戚もいない山梨で、若さの勢いではじめたお店。当然のように最初はお客様も少ない。しかし、お店を続けているうちにお客様からも身内のように接され、地域に溶け込んでゆくのが嬉しかったそうだ。
それから、2007年。ワールド・バリスタ・チャンピオンシップの開催地が東京だった年。その年に寺崎さんはチャンピオンJames Hoffmannのプレゼンに出会う。世界のコーヒーの行く末、初めて触れた産地特性というスペシャルティコーヒーの概念、浅煎りという焙煎へのアプローチ。コーヒーの選択肢が、喫茶店、もしくはスターバックスしかない中で、今までのコーヒーに対する概念が覆される経験だったそうだ。
今回、寺崎さんがお届けする豆は、エチオピアとホンジュラスの2種類。数年前、エチオピアの産地へ訪れた寺崎さんは、現地で山梨と近い豊かさを感じた。それは自然の恵みに囲まれた、心落ち着く豊かさ。エチオピアから日本・甲府は遠い海の向こうの小さな街。この小さな街角で飲む一杯のコーヒーから広がる世界観と想像力を大事にしています。 もう一つは、ホンジュラスの代表的な生産者、マリサベル・キャバレロさんと夫であるモーゼス・ヘレーラさんのコーヒー。彼らは持続的に美味しいコーヒーをつくれるよう大いに注力しています。新しい品種を植えたり、農園の土壌をよりよくするために全力をつくすなど、彼らが環境の可能性を信じる姿勢は、コーヒーを味わうと感じ取ることができるでしょう。
最後に、近年は日本のコーヒーシーンも急速に発展し、バリスタに憧れ、コーヒーを志す若者も増えています。寺崎さんは「コーヒー業界の若い人材に、素敵な業界だと思ってもらいたい」と想いを語られていました。メディアが発達し、届く情報は多いけれど、はじめてコーヒーに、カフェに、心が動いた瞬間はいつか。その一瞬の純粋な動機を、リアリティある原体験を、長く大事にしてほしいとのこと。「心の動機に世代も、国籍の壁もなく、みんな等しい」と穏やかに話す寺崎さんに、知らぬ間に輪を広げ、境界を超えて、笑顔を増やしていく力を感じました。
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