OREAとは
OREA(オレア)は、イギリスのロンドンを拠点とするコーヒープロダクトメーカーです。
OREAの語源は、旧ギリシャ語で「From the Mountains」(山々から)、現在のギリシャ語では「Beautiful」(美しい)という意味があります。
家でもアウトドアでも使うことを想定したBrewerや、五感でコーヒーを楽しめるSense シリーズのカラフェやコップなど、デザイン性に富んだ製品を数多く生み出しています。

「Make Better」はOREAの哲学における重要な指針です。ファストファッションや使い捨ての消費財が世の中を席巻している中、それを助長するのではなく、一生モノの製品作りを心がけています。
ハイエンドな製品を少量生産しているため、素早く製品を改良し、常に改善し、進化させているのが、OREAの強みです。
OREAの製品を購入することは、彼らの歴史の一部を手にすることと言えるでしょう。
OREAとKurasuの出会い
Kurasuが海外のコーヒー器具を販売するブランド「Kigu」を立ち上げた2021年の夏頃、SNSや競技会の情報を中心に、海外ブランドのリサーチを進めていました。その中で、Instagramでスタイリッシュに商品を紹介していたOREAが目に留まり、興味を持って連絡を取ったのが、やり取りの始まりでした。
電話やメールを重ねる中で、代表のHoriaが実直に商品と向き合う姿勢に共感し、「ぜひ一緒に仕事をしたい」と思うようになりました。彼が最初に正式販売したブリュワーは、バージョン2(V2)でした。

実はその前にバージョン1を販売する直前まで進めていたものの、最後の最後で納得がいかず販売を取りやめたというこだわりぶりでした。(サンプルを少量配布したのみで終了)海外ブランドでここまでのこだわりを持つのは珍しく、その姿勢に大きな魅力を感じました。
V2のサンプルを受け取った後、Kurasu Kyoto Standで夜な夜なテストを重ねました。湯抜けの速さやコンパクトなデザイン、熱伝導性の高いアルミニウム合金の特性、そして海外での人気ぶりから、日本でも受け入れられるだろうと考えていました。
しかし、小売価格がかなり高くなることが大きなハードルとなり、販売には踏み切れませんでした。Horia自身も価格の高さを認識していました。
その後も継続的にやり取りを続ける中で、OREAが満を持して販売を開始したV3は、圧倒的なクオリティと、一点もののブリュワーベースという独自の製品コンセプトに惹かれ、ついに販売を決定しました。
「売れるからいいわけではない」OREAのこだわりと進化
OREAのユニークな点は、新しいバージョンを発売すると、旧バージョンの生産を即座に終了することです。たとえ旧バージョンが人気だったとしても、Horiaの考えるベストな製品に常に更新し続けるのがOREAのスタイルです。
現在販売されている最新バージョンはV4。ブランドの知名度が高まった今では、かつてのV2のような高額なブリュワーでも受け入れられるようになりました。
また、V3に関しては今でも「在庫はありますか?」と問い合わせがくるほど人気がありました。しかし、それらが再販されることはありません。なぜなら、Horiaが「今、最も良い」と考えるのはV4だからです。

OREAは、「売れるから」という理由で製品を作るのではなく、Horia自身が本当に良いと思うものにフォーカスし、そのクオリティを徹底的に追求しています。こうしたこだわりが、OREAのプロダクトが世界のコーヒー競技会で使用される理由のひとつではないでしょうか。
実際、2022年の世界大会優勝者・Sherryさん、2024年の優勝者・Martinさんは、それぞれ当時の最新バージョンのOREA Brewerを使用していました。
最後に:常に「最良」を追究するOREAと共に描く未来
これからもHoriaと彼のチームが生み出す、革新的でデザイン性の高いコーヒー器具を紹介していきます。次はV5か、それともV6か――これからのOREAの進化にぜひご期待ください!