窓から差し込む光に包まれながら、一杯のコーヒーを淹れる、静かなひととき——その時間をより特別なものにする、ハンドメイドガラスのドリッパー「OREA Glass Brewer Type A」がKurasuに届きました。
造り手は、ロンドンを拠点に、革新的なデザインと機能性で世界のスペシャルティコーヒーシーンを牽引するOREA。 彼らが新たに生み出したこのガラスブリューワーは、単なる抽出器具というより、職人の手仕事が光る工芸品のような佇まいです。
この記事では、この美しく機能的なドリッパーがどのように生まれたのか、その背景にあるストーリーをお届けします。
「不可能」から始まった、ハンドメイドガラスのドリッパー

このドリッパーの物語は、製造パートナーからの「それは不可能だ」という一言から始まりました。
OREAチームが求めたのは、完璧な幾何学形状を保つためのフラットな内面と、どんなサーバーやカップの上でも安定するための、精緻な外側の縁(リッジ)。この二つを、ハンドメイドガラスの製法で両立させる。それは、熟練のガラス職人にとっても非常に難しいことです。

しかし、OREAの哲学の中心には、常に「安定性へのこだわり」があります。「私たちはぐらつくブリューワーが嫌いだ」と彼らは語ります。器具の安定性こそが、日々のコーヒーの一貫した抽出、一貫した美味しさをもたらす。その信念を形にするため、彼らは諦めませんでした。
製造パートナーと幾度となく対話を重ね、試作を繰り返し、長い時間を費やした末に、ついに彼らはアイデアを実現する方法を見つけ出します。OREAチームと、彼らの情熱に応えた職人たちの努力が実を結んだ瞬間でした。
OREA Glass Brewer Type Aは、特別なアイテムです。型に吹き込んで成形するのではなく、一つずつ手作業で、少しずつ形作られています。一部、回転や加熱のために機械は使われていますが、最終的な成形はすべて職人の手によるもの。製造が容易ではないため、決して安価ではなく、一度に多くを作ることもできません。今回Kurasuがお届けできるのも、わずか200個。その一つひとつに、「不可能」に挑み、それを乗り越えた造り手たちの想いが込められているのです。
ガラス素材がもたらす、クリアな味わい
OREAチームは、このドリッパーを開発するにあたり「素材そのものが持つ可能性」を探求したと言います。というのもガラスという素材は、コーヒーの抽出において非常にユニークな特性を持っているのです。
熱をゆっくりと吸収し、そして素早く放出する。それがガラスの特性です。この特性により、抽出液の温度変化が穏やかになります。 セラミックやプラスチックと比較してなめらかな温度変化が、透明感のある味わいと質の良い酸味をもたらしてくれるのです。

OREAがこだわり抜いた完璧な形状に、ガラスという素材のユニークな特性が組み合わさることで、他のどのドリッパーとも違う、クリアで奥行きのある風味を生み出します。このドリッパーだけの味わいを、ぜひ一度体験してみてください。
「低温抽出」で、さらに奥行きある味わいへ
このドリッパーのサンプルが私たちの元に届いた時、まず、その静かで凛とした美しさに惹かれました。 しかし、私たちが本当にこのドリッパーを皆様にお届けしたいと決めたのは、その抽出体験に、想像以上の発見があったからです。
Kurasuチームは、このドリッパーのポテンシャルを探るべく、特性の異なる2種類の豆でテストを行いました。
まず試したのは、ケニアの浅煎り豆「Kenya Gititu PB」。少し温度を抑えた88.5℃での抽出で、素晴らしい結果が出ました。カップの中に現れたのは、鮮やかなグレープフルーツのような酸の質感と、それを支えるジューシーな甘み。Kenyaの個性がしっかり出ており、テイスティングしたスタッフ全員が「美味しい!」と声を揃えました。
次に、私たちKurasuのハウスブレンド(深煎り)で挑戦しました。ここでも、87.5℃という比較的低温で抽出することで、みずみずしくジューシーな甘さや、ワインのような奥行きのあるリッチさなど、複雑な味わいを引き出すことができました。

このドリッパーは、ガラスの穏やかな熱保持力によって、低温でもコーヒーの成分をじっくりと、しかし過剰になることなく引き出す力を持っています。これにより、浅煎り豆の繊細な酸味と角の取れた甘みを引き出し、深煎り豆で懸念される不要な苦みや雑味の抽出は抑えつつ、豆本来の甘さや質感が際立たせることができます。
このように「温度」という変数をいつもより少し意識することで、コーヒーの新しい表情を引き出せる。抽出の工夫で、様々な味わいの可能性を追求できる。OREA Glass Brewer Type Aは、そんな楽しさを秘めたドリッパーなのです。
ベースで演出する「自分らしさ」

このドリッパーのもう一つの魅力は、付属するアクリルベースで、自分らしい表現を加えられる点にあります。今回ご用意したのは、遊び心たっぷりのネオングリーンと、ガラスの透明感をさらに際立たせるクリアの2種類。どちらも光を受けると美しく輝き、コーヒーを淹れる時間をよりフォトジェニックに演出してくれます。
抽出器具も、自分らしさを表現する大切な要素。その日の気分でベースを選び、あなただけのコーヒースタイルを楽しんでみてはいかがでしょうか。
あなたにとっての「最善の一杯」を見つけて
今日のスペシャルティコーヒーの世界には、数多くの素晴らしいドリッパーが存在します。特に、同じフラットボトム形状を持つガラスや金属製のドリッパーは、デザインも美しく、どれを選ぶべきか迷われる方も多いでしょう。それぞれの製品が持つ個性と哲学をご紹介し、あなたが本当に求める一杯に繋がるためのお手伝いができればと思います。
OREA Glass Brewer Type A: コーヒーとの「時間」を大切にするあなたへ
美しい佇まい、背景にある物語、そして希少性。100%ハンドメイドが生み出す唯一無二の表情と、OREAブランドが持つ「遊び心」で構成されたGlass Brewer Type Aは、特定の抽出メソッドに縛られず、温度や挽き目、注ぎ方を自由に探求できるアイテムです。結果だけでなく、そこに至るまでの「時間」そのものを大切にする方に選んでいただきたい、美しい道具です。
April Glass Brewer: 理想の「バランス」を再現したいあなたへ
April Brewerの価値は、その哲学の明確さと再現性にあります。創業者が世界大会で証明したように、このドリッパーは、バランスのとれた甘みの高いコーヒーを生み出すために、細部まで設計されています。抽出メソッドにある程度の一貫性があり、それに従うことで誰でも世界レベルの味わいを体験しやすい、いわば「完成されたレシピ」を内包したドリッパーと言えるでしょう。理想のバランスを、安定して再現したい方に最適です。
Graycano Dripper: 抽出を「科学」したいあなたへ
Graycano Dripperは、素材と熱力学への深い理解から生まれました。アルミニウムのコアをセラミックでコーティングした二重構造のボディは、優れた熱伝導性と温度安定性を誇ります。ユニークなV字リブを持つ独特の形状は、湯の抜けを精密にコントロールするために設計されています。抽出の変数を自らの手で管理し、再現性を追求したい探求者にとって、信頼できるパートナーとなります。
日常に、静かで豊かな時間を

今回ご紹介したOREA Glass Brewer Type Aは、ただコーヒーを抽出するための道具ではありません。造り手の想いを職人の手仕事でかたちにした、特別なアイテムです。
ハンドメイドガラスの静かな美しさは、あなたの日常に優しい光と穏やかな時間をもたらしてくれます。この特別なドリッパーで、いつものコーヒータイムがさらに豊かなものになりますように。


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