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【コーヒー品種】パカス、ティピカ、ブルボンアヒ、シドラ。今、私たちが届けたい4つの個性

【コーヒー品種】パカス、ティピカ、ブルボンアヒ、シドラ。今、私たちが届けたい4つの個性

「コーヒーの味を左右するものは?」と聞かれたとき、産地や精製方法、焙煎度合いなどを思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、近年のスペシャルティコーヒーを語る上で欠かせないもう一つの大切な視点が「品種」です。

同じ産地で育っても、品種が違えばカップに広がる風景は驚くほど変わります。今回は、現在Kurasuでお届けしている豆の中から4つの個性豊かな品種をピックアップし、それぞれの魅力や特徴、Kurasuで取り扱っている豆について、ヘッドロースターのTakuyaがご紹介します。

(1)パカス Pacas

パカスは、1949年にエルサルバドルで生まれた品種です。Pacas家にて、ブルボンの突然変異種として誕生しました。その後、エルサルバドルの研究機関が育種選抜を行い商用化され、1974年にIHCAFEによってホンジュラスに導入されました。

特にホンジュラス・サンタバルバラ地域の気候や土壌との相性が良い品種で、今では「サンタバルバラといえばパカス」と言われるまでに普及しました。

Honduras Belarmino Contreras(ホンジュラス ベラルミノ・コントレラス)

パカス種の豆として、今Kurasuでご紹介しているのは「ホンジュラス ベラルミノ・コントレラス」です。Kurasuでは4年目の取り扱いとなる信頼のロットで、現地の徹底した乾燥プロセスの検証により、毎年素晴らしいクオリティを保っています。

オレンジや枇杷、和紅茶などの繊細なフレーバー、角の丸い酸質、甘さが出やすいため、焙煎が深くなりすぎないよう意識しています。ただ甘いだけでフレーバーがあまり感じられないカップにならないように注意が必要です。

苦味を出さず、甘さを自然に引き出すことで、アフターまで心地よい液体に仕上がると考えています。

■商品ページ:
https://jp.kurasu.kyoto/products/honduras-belarmino-contreras-2025

(2)ティピカ Typica

ティピカは、18世紀初期にジャワ島からオランダ アムステルダムに持ち出された一本のコーヒーノキが祖先だと言われています。

ヨーロッパでの新世界の動きの中で、中南米でプランテーションが広がり、1940年ごろまでは中南米の農園の大半がティピカを育てていたそうです。しかし、品質は良いものの生産性や病害耐性が低いことから、別の品種に植え替えられていきました。

Panama Bambito Estate(パナマ バンビート エステイト)

Kurasuでご紹介している「パナマ バンビート エステイト」は、クラシックなティピカ種のロットです。Best of Panamaで1位に輝いた実績を持つ名門農園の彼らに、長い伝統と丁寧な仕事を体現する品種としてティピカを勧めてもらい、取り扱うことになりました。

バンビートのティピカは、高標高で時間をかけて栽培されており、密度が高く硬さもあります。そのため、細胞内の圧力上昇が均質に起こりハゼがまとまって大きい音で出ます。結果としてハゼ後に温度が上がりやすい状態になり、火入れのコントロールに一層気を払わないと、ただ甘いだけの液体にもなりやすいのです。

ナッティに寄りすぎず、柔らかい果実味とグリーンティーの風味を引き出した、透明感のあるカップになるよう心がけています。カラントやブルーベリーを思わせる重厚感のある酸味をお楽しみください。

■商品ページ:
https://jp.kurasu.kyoto/products/panama-bambito-estate

(3)ブルボンアヒ Bourbon Aji

ブルボンアヒは、エチオピア原生種の遺伝的特性を持つ品種で、コロンビアのウィラなど一部地域でのみ栽培されている稀少品種です。Aji(アヒ)とは現地語でチリや唐辛子を意味し、チリのようなスパイシーな香りをチェリーから感じたことからそう名付けられたそうです。

情報も少なくまだまだ分かっていないことが多い品種ですが、Kurasuがお取引しているYadimir(ヤディミル)のYarumo Farm(ヤルモ農園)では、ウォッシュド・ハニー・ナチュラルなど様々なプロセスをトライした結果、長時間発酵のウォッシュトプロセスが適していると判断したようで、それが現在の標準となっています。

Colombia Yadimir Quiguanas Perez(コロンビア ヤディミル・キグアナス・ペレス)

Kurasuでご紹介している「コロンビア ヤディミル・キグアナス・ペレス」は、ブルボンアヒ種のウォッシュドです。オレンジブロッサムやジャスミンのようなフローラルな香りと、プラムや白ワインのような鮮やかな酸味が特徴的で、コロンビアであまり感じることのない味わいの幅があります。

フレーバーが複雑で、焙煎によって大きく変化します。強く火を当てすぎると重たいワイニーまで行きますし、火力が足りないとフローラル・シトリック止まりになってしまいます。また、エチオピア由来の品種にしては酸のボリュームが大きいため、シャープな印象にならないよう気を使う必要があります。

熟度のある心地よい酸に整えつつ、フレーバーが複雑に感じられるちょうど良いポイントで止めることを重視しています。

■商品ページ:
https://jp.kurasu.kyoto/products/colombia-yadimir-quiguanas-perez

(4)シドラ Sidra

シドラは、エクアドルのピチンチャ周辺の試験農場(ネスレ系列)で開発された品種です。「ネクストゲイシャ」などと呼ばれ、話題になっていました。

当初は、レッドブルボンとティピカの交配と説明されていましたが、後になって行われたDNA検査によると、エチオピア在来種に近い系列と言われています。しかし、正式な記録がないため、シドラと言われているものの中でも複数の遺伝的背景があると思われます。

Ecuador Lugumapata Sidra(エクアドル ルグマパタ シドラ)

現在Kurasuで提供しているシドラ種の豆は、「エクアドル ルグマパタ シドラ」です。青リンゴや洋梨のような果実の印象から始まり、アロエヨーグルトを思わせるミルキーな味わい、そしてマンゴーのような深い甘みへと変化する、非常にユニークなフレーバーを持っています。

品種として発酵の影響を受けやすい印象があります。火が入りやすいため、焙煎が極端に短くならないようゆっくり時間をかけることを特に意識しています。

焙煎時間が短すぎると、シャープな酸やヘビーな赤ワインの印象が一気に出てくるため、抽出したときに温度変化でシトラス、トロピカル、ワイニーなニュアンスが順に出てくるような調整を目指しています。シドラ特有のシロッピーな質感も特徴です。

■商品ページ:
https://jp.kurasu.kyoto/products/premium-ecuador-lugumapata-sidra

まとめ

「品種」という視点でコーヒーを見てみると、いつもと違う発見があるかもしれません。気になる品種があれば、ぜひ飲み比べて、好みの個性を見つけてみてください。

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