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Colombia Origin Trip 2025(前編:品評会への参加)

Colombia Origin Trip 2025(前編:品評会への参加)

こんにちは。KurasuヘッドロースターのTakuyaです。3月末から4月上旬の約2週間にわたってコロンビアに滞在し、オリジン(産地)を訪問しました。

Kurasuとしてオリジンを訪れるのは、2023年のエチオピア以来、二度目です。私個人としては初めてのオリジン訪問でした。

今回の旅は、いつも中南米の生豆の仕入れでお世話になっているインポーターのSYU・HA・RIさんにコーディネートしていただき実現しました。

このオリジン訪問の主な目的は2つ。ウォッシュドコーヒーの品評会「COLOMBIA WASHED COFFEE FESTIVAL 2025」への参加(買付)と、農園の視察です。Trip Reportの前編にあたる本記事では、品評会の様子をロースター目線でお届けします。

COLOMBIA WASHED COFFEE FESTIVAL (以下CWCF)とは、コロンビアのエクスポーターであるFairfield Trading社とSYU・HA・RIが主催するウォッシュドコーヒーのみの品評会です。各農家からサンプルが提出され、その中から選定された46ロットをカッピングしてスコアリングし、1〜46位まで順位付けします。上位に入賞したロットには、通常の買付金額に加え、プレミアムが直接農家に支払われます。


Fairfield Tradingは、クラシックなウォッシュドプロセスがなされ、一定以上のクオリティ基準を突破した豆のみを農家から購入しています。代表のAlejandro Renjifoは、コロンビアという国のコーヒー生産の特性上、ナチュラルやハニーで品質を担保し続けるのは現状難しいと考えています。雨季と乾季が入り混じり、エリアによっては年中雨が降るような気候特性。また、小規模農家が多く、各農家単位で収穫〜乾燥まで手掛けているところがほとんど。これらの要因から、乾燥に時間をかけざるを得ず、過醗酵になってしまっているナチュラルやハニーが大半だと言います。

また、農家からの買付時点でクオリティの基準を厳密に設けることで、輸入者、ロースターへと続くサプライチェーンでの輸出者としての信用価値を高めています。同時に、購入に至らなかった生産者へフィードバックを与え、クオリティの重要性を伝え続けることで、コミュニティ全体でクオリティの良いコーヒーを作っていこうという動きを生み出しています。CWCFは、Alejandroのこうした考えのもと、再びクラシックなウォッシュドコーヒーにスポットライトを当てたいという想いで昨年初めて開催され、今年二度目の開催に至りました。

 

今回のCWCFでは、丸3日間かけて、ブラインドカッピングにて審査が行われました。そして上位20ロットは再度ブラインドカッピングにてスコアリングされ、最終順位が決定します。ジャッジは、コロンビアから5名、日本から10名の計15名で、私も今回審査に参加させていただきました。

 

Geisha種が数多く並ぶ中、提出された46ロットで1位を獲得したのは、なんとColombia-Caturra(Colombia種とCaturra種のブレンドロット) !自分含め大勢がハイスコアを出していたロットで、まるでケニアコーヒーを思わせるようなジューシーな果実感が印象的でした。

また、Pink Bourbon種やCastillo種も上位に多く入賞しており、ただ高級品種を植えれば良いコーヒーができるのではなく、やはりコーヒーはテロワールあっての品種・プロセシングだと感じました。この結果が生産者の今後の投資(何の苗を植えていくか等)にも大きく影響するので、こういったクラシックな品種が良い結果になったことは生産者にとってポジティブなことだと感じます。


個人的にカップとして最も印象に残ったのは、5位に入賞したCarlos SotoのColombia種のコーヒー。White peach, Transparent, Pear, Orange などとメモに残していますが、とにかくクリーンで瑞々しい酸味とフローラルな香りがあり、衝撃を受けたことを覚えています。自分がGeisha以外で最もハイスコアを付けたカップで、素晴らしいコーヒーでした。

 

今回のCWCFでは、Carlos Soto、Astrid Medina、Lisandro Quilcue、Alejandro Renjifo、Northern Colombia Regional lotの5種のコーヒーを買い付けました。これらは7月頃に日本に入港してくる予定です。今後のリリースを楽しみにお待ちください!

(後編:農園視察レポートに続く)

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