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ランダムブリュワーズでも手順は変えず、優勝者Kotaroのレシピとエピソード公開!

ランダムブリュワーズでも手順は変えず、優勝者Kotaroのレシピとエピソード公開!

ランダムブリュワーズでも手順は変えず、優勝者Kotaroのレシピとエピソード公開!

8月1日・2日に開催された Kurasu 9周年を祝う夏イベントの目玉企画「ランダムブリュワーズ大会」。社内外、バリスタ歴の有無を問わず参加できるブリュワーズ大会です。事前に公開された器具たちの中で、当日何が当たるかわからない。そういう変数の多い、多種多様な器具のサプライヤーであるKurasuならではの企画。

実はKurasu京都店のバリスタ・Kotaro が、なんと、偶然にも予定外の飛び入り参加から始まり、見事優勝を果たしました。


長年、Kurasuでバリスタとして働き、シェアロースターを使った焙煎にも取り組むなど、常に高い志を持ち続けてきた彼。最近では店舗トレーナーとしても活躍し、その姿勢は多くのスタッフにもよい影響を与えています。

今回はイベント当日の様子、そしてKotaroがバリスタとして大切にしていることを語ってもらいました。それぞれのラウンドを勝ち抜いたレシピも紹介しているので、ぜひご覧ください。

—— 今回どういう経緯で大会に出場したんですか?

本当に急でした。もともとは友達が出場する予定で、そのサポート役として遊びに行ってたんです。僕自身は出るつもりはまったくなくて。でも当日、出場予定だった人が2人来れなくなって。
そしたらその場でMCをしていたRisaさんからマイクで「もしこの場で参加されたい方いますか?」と声をかけて、私に「Kotaro、出てみる?」って言ってきて。(笑)バックオフィスのKangさんとかも、それで突然参加することになって。ちゃんと参加料を2000円払って急遽エントリーすることになったんです。ほんまに準備ゼロです。でも、参加料払ったからには、ちゃんと挑みたいなという心構えで。

突然の第1ラウンドスタート、器具は「エアロプレス」

—— 初戦はどんな器具を引きましたか?

エアロプレスでした。エアロプレスは毎年、大会開催されていますし、僕も普段から好きな器具なのでちょっと安心しました。
豆は「ブラジル マルシアーノ・トマチニ」。Kurasuでは、もう3年目紹介している豆で、バリスタとしても好きなラインナップの一つです。15gに対して220mlのお湯、温度は90℃。スタンダード式(正位置)で淹れて、ペーパーフィルターを2枚重ねてクリーンに仕上げました。

よくエアロプレス大会では、インバート式(逆さま)が使われていて、エアロプレス大会の世界チャンピオンが使用している方式もあって、そちらがよく用いられる印象がありますが、緊張していたので、逆さまの状態のものを正位置にするとき、こぼすと恥ずかしいな、というのが本音で、スタンダード式で抽出しました。

本当は「Fellow Ode Brew Grinder Gen2」グラインダーの、挽き目を「8.2」で合わせるつもりだったんですけど、緊張で間違えて「7.2」にしてしまって。心の中で、「やばい!」と思ったんですけど、意外とスタンダード式抽出と相性が良かったのか、甘さとのバランスが濃さが出て良い結果になって。第2ラウンドへ進みました。

第2ラウンドは、器具は「V60」、こだわりは抽出環境を固定すること

—— 2回戦は?

Kotaro:
Harioの「V60」です。これが一番得意。Kurasuのバリスタにとっては円錐型で、クラシックに使用されてきている器具なので、「初心忘るべからず」という印象のドリッパーでしょうか。12.5gに200ml。挽き目は「8.2」くらい。
競技大会って、レシピが注目されがちかなと思うのですが、個人的にはブリューする環境をいかに変えずに整えられるか、ということは大事だと思っていて。

意識したのは抽出環境を固定すること。淹れるポジションも第一ラウンドの、最初に決めた場所から動かさないし、挽き目もたまたま変えていなかったんです。結果的に抽出する際の変数が減って、安定して淹れられたと思います。

同じラウンドで競技した方々は、スタートの合図直後、すぐ豆を挽いてすぐ淹れてたんですけど、僕はまず、豆のハンドピックをしっかりやりました。コーヒーの味わいは、抽出の腕も重要ですが、かなり素材に左右されるので、未成熟豆や欠け割れ豆など、豆を引く前に、豆の状態をできるだけ、整える。

その後、審査員への提供のタイムリミットぎりぎりになるくらいに、抽出を終えて、できるだけ鮮度の高い状態で出す。液体温度も含めてコントロールしました。
限られた時間の中で、改善するには限界のあるレシピよりも、環境を調整することを重視する、というランダムブリュワーズゆえの、こだわりポイントでしたね。


いよいよ、ファイナル第3ラウンド、器具は「OREA Brewer Porcelain」

—— 決勝はどんな器具を?

Kotaro:
第3ラウンドは「OREA Brewer Porcelain」、フラットボトムドリッパーでした。初めて触る器具でしたけど、やることはシンプルです。
豆は同じく12.5gに200ml。他のフラットボトムドリッパーと同様、抽出は「40-80-80」の三段注ぎ。
第2ラウンドと同じ考え方で挑み、味も綺麗に出てくれました。第3ラウンドの競技者は、某有名カフェで勤めるバリスタさんたちだったので正直不安でした。でも、自分の一杯に関しては「美味しく仕上がっている」っていう感覚が最後はありました。それも、環境を整えて抽出しているからこそ、不慣れなドリッパーでも、ある程度は味わいの傾向を想像できたのかもしれません。

残るは、結果発表...

—— 優勝が決まったときはどう感じました?

Kotaro:
正直に、めちゃくちゃ嬉しかったです。飛び入りでルールもちゃんと把握してなかったのに(笑)。でも、普段からやってる「細かいこだわり」がきちんとカップに出たんやと思います。
次の日からお客さんに「優勝したんでしょ?」って声かけられたり、なんか「優勝者のコーヒー」っていう風に見られるのは、ちょっと恥ずかしいけど嬉しかったですね。日ごろの一杯をより意識するきっかけになりました。

これからの挑戦

—— 今後の目標は?

Kotaro:
エアロプレスチャンピオンシップに出たいです。今度はちゃんとレシピから準備して、大きな大会で挑戦してみたい。
今回の大会で学んだのは、ほんの些細なディテールでもカップに表れるということ。日々の積み重ねを大事に、クリーンで甘さのあるコーヒーを追求していきたいですね。

Kotaroの優勝レシピまとめ

各ラウンドのレシピのポイント:豆のハンドピックを重視
Round 1(エアロプレス)

豆: ブラジル マルシアーノ・トマチニ
豆量:15g
湯量:220ml
湯温:90℃

グラインド::Fellow Ode Brew Grinder Gen2 挽き目「7.2」

ポイント:スタンダード式、ペーパーフィルター2枚

時間 湯量

  • 0:00–0:08 +40g(合計40g) 軽く攪拌するように注いだあと、エアロプレスをスピンさせる。
  • 0:40–0:52 +180g(合計220g) 注ぎ終えたらプランジャーを差し込み、わずかに引き上げてドローダウン(液の落下)を止める。
  • 1:05–1:25 プレスする。

Round 2(Hario V60)


豆: ブラジル マルシアーノ・トマチニ

豆量:12.5g
湯量:200ml
湯温:90℃

グラインド:Fellow Ode Brew Grinder Gen2 挽き目「8.2」

各ラウンドのレシピのポイント:ハンドピックを重視

時間 湯量

  • 0:00–0:08 +40g(合計40g) やさしく円を描くように注ぎ、軽く攪拌
  • 0:40–0:50 +60g(合計100g) なめらかに円を描くように注ぐ
  • 1:05–1:15 +50g(合計150g) なめらかに円を描くように注ぐ
  • 1:35–1:45 +50g(合計200g) なめらかに円を描くように注ぐ
  • 2:20(±10秒)で落ち切り

Round 3(OREA Brewer Porcelain))

豆: ブラジル マルシアーノ・トマチニ

 

豆量:12.5g
湯量:200ml
湯温:90℃

グラインド:Fellow Ode Brew Grinder Gen2 挽き目「8.2」

時間 湯量

  • 0:00–0:08 +40g(合計40g) やさしく攪拌するように円を描いて注ぐ。
  • 0:40–0:52 +80g(合計120g) なめらかに円を描くように注ぐ。
  • 1:20–1:32 +80g(合計200g) なめらかに円を描くように注ぐ。
  • 2:20(±10秒)で落ち切り。
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