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Kurasu Journal

Townsquare Coffee Roasters (福岡: 2017年9月 #クラスパートナーロースター

次にご紹介する#kurasucoffee サブスクリプション提携ロースターは、福岡のTownsquare Coffee Roasters。コーヒーカルチャーの成長著しい福岡でもひときわ目を引くスペシャルティコーヒー専門店だ。その中核を担う井手さんにお話を伺った。 井手さんはどのようにコーヒーに関わる道に入られたのでしょうか? 昔はパティシエとして働いていました。元々コーヒーは飲めなかったのですが、仕事でサイフォンを扱う機会があり、それをきっかけに飲めるようになりました。私自身の業界への入り口はラテアートで、これができるようになったら格好いいなと思って始めました。その後Townsquareで焙煎する事になって、コーヒー豆への興味がより深まり、コーヒー自体をよりおいしくできたらいいなと思うようになりました。   Townsquare Coffee Roastersについて教えてください。 今年の10月に7周年を迎え、他にもコーヒー関係の店、和食レストランなどを系列店として持つグループ会社を母体としています。オープン当初からスペシャルティコーヒーを専門として扱い、系列レストランから引き抜いたシェフによるフードやカリフォルニア出身のDavid Ockey氏の作る本場のカップケーキなど、本格的な食事も提供しています。初代の店長は現在COFFEE COUNTYを切り盛りされている森さんで、スペシャルティコーヒーを福岡に広めようと完全熱風式のペトロンチーニを導入し焙煎を開始しました。 当店ではラテアートも行っていて、コーヒー自体の味わいを追求するスタイルが多い福岡で少し変わったものを提供できていると思います。卸売りや、カフェのセットアップのお手伝い、技術提供などもしています。卸先以外にトレーニング依頼を受けることも多いです。 自宅でコーヒーを淹れるライフスタイルも推進していて、カフェでも幅広い種類の器具の販売スペースを設けています。   お店としてラテアートを始めたのはいつ頃ですか? 私がここで働き始めたのは4年ほど前ですが、その頃にはすでにラテアートを積極的に行っていました。個人的にはどちらかというとコーヒー自体のおいしさを伝えたいと考えているのですが、ラテアートをきっかけとしてコーヒーに興味を持っていただいたり、コーヒーを好きになっていただくのも素敵だなと思います。   カフェ設立・技術サポートと、ラテアートにも焦点を当てたスタイルはTownsquare Coffee Roastersさんならではのものとして注目を浴びていますね。 3年ほど前に福岡を訪問したのですが、その時と比べてカフェ、ロースターが飛躍的に増えているという印象を受けました。5年前のオープン当初、現在とはかなり環境が異なっていると思いますが、お客様の反応はどのようなものでしたか? そうですね、初めのころは来店してくださる方の数も少なかったですが、ずっとやっていく、ということに意味があるのかなと思っています。「ここでコーヒーを飲んで以来、他のところでは飲めなくなった」というお言葉もよくいただきます。少しでも多くの方に知っていただく事が大切だと思っているので、いろいろなイベントに参加したり、積極的にセミナーを開催するなど、常に発信し続けることを心がけています。当店の地域密着型という姿勢から、お客様は地元の方が多いのですが、さらに他のエリアからも参加・交流していただけるよう、様々なセミナーも開催しています。 カッピングのセミナーも開催していて、年に一度大規模なものを主催しています。前回は九州のロースターのコーヒー豆を集め、さらに東京などからお客様が持ち寄ってくださったものも含め全部で25、6種類を皆様にカッピングしていただくことができました。福岡をはじめ、他のロースターさん方と良い関係も育てていけていると感じています。 8月には同じ福岡にあるステレオコーヒーさんで毎月一度のカッピングを開催し、それも今回で5回目となりました。その他にもプロのカメラマンを講師として迎え、コーヒーとケーキを被写体としたミニワークショップも実施し、さらに9月にはドリップの初級セミナーも予定しています。     Townsquare Coffee Roastersの焙煎について教えてください。 オープン当初から焙煎は浅煎りをメインとして、ほぼ毎日焙煎しており、常に20種類前後の豆を取り揃えています。 焙煎に使用しているのは九州での導入が初となる「Petroncini社」製熱風式焙煎機で、独自の焙煎理論と技術により厳選した素材の持ち味を最大限引き出しています。焙煎後は欠かさずカッピングによる品質管理を行い、さらにその後も定期的にカッピングを行うことで、時間経過による味わい・品質の変化にも目を光らせ管理しています。 店頭では、本日のコーヒーをまず試飲していただき、その後その味わいを軸としてお好みの味を表現していただき、お客様にぴったりのコーヒーをご紹介できるような接客を行っています。   今後の展望について教えてください。 さらなる焙煎技術の向上、ラテアートも大切にしながら、お客様のフォーカスがそればかりにならないような、バランスの取れた商品のご紹介、チームの形が変わっても必ずスタッフ皆がおいしく抽出できるような体制を整えること、が主でしょうか。 今後はさらにコーヒーに特化していく予定です。      

4/4 SEASONS COFFEE ゲストバリスタ + エスプレッソセミナー フォトレポート

東京、新宿にある4/4 SEASONS COFFEE(ALL SEASONS COFFEE)のオーナー・ロースターの齋藤さんがゲストバリスタとしてKurasu Kyotoにお越しくださいました。 ご提供いただいたのはエスプレッソとハンドドリップ。シングルオリジン、ライトローストの焙煎が特徴の4/4 SEASONS COFFEEのコーヒーはKurasuの京都・シンガポールの両店舗でも7月から取り扱わせていただいており、甘くクリーンな酸がKurasuのお客様にも大変好評です。 イベントは終日大賑わいで、ハンドドリップをお持ち帰りのお客様にはまずふたをせずに風味を楽しんでいただき、アイスのドリンクをご注文の方にはストローで混ぜずに飲んでいただくなど、それぞれのドリンクを一番おいしく楽しんでいただくための齋藤さんの細やかなサーブで、お客様も非常に満喫してくださったご様子でした。 「こんなにフルーティーなコーヒーは初めて飲みました!」との声も上がり、「これがスペシャルティーコーヒーの楽しみ方です」と、ご自身のこだわりや、他のスペシャルティーコーヒーショップが取り組んでいることなど、スペシャルティコーヒーの魅力を楽しそうにお客様に伝える齋藤さんの姿勢がとても素敵でした。 閉店後のエスプレッソセミナーでは、今東京で主流になっているエスプレッソ抽出とクラシックな抽出方法の飲み比べを行いました。 クラシックな抽出とは、コーヒー豆に対して抽出量が2倍になること。それに対し、今回齋藤さんに教えて頂いた方法では、コーヒー豆と同じ量が抽出されるため、コーヒー豆が持つ産地ごとのフレーバーがよりしっかりと感じられます。普段エスプレッソをそのまま飲む機会が少ないため、飲み比べにもなじみがない方もいらっしゃいましたが、エスプレッソについて、そしてエスプレッソの楽しみ方を心行くまで教えていただけました。 また、ご自身が出場されたジャパンバリスタチャンピオンシップについても詳しくお話しくださり、バリスタがカウンターの中で普段どんなことを考えながら抽出をしているのかなど、様々な事柄について知っていただけた大変素晴らしい機会となりました。 Kurasuではこれからも色々なイベントを企画します!イベントページをフォローして、ぜひご参加ください。 https://www.facebook.com/pg/kurasu.kyoto/events/   Last week, Saito-san from 4/4 SEASONS COFFEE in Shinjuku, Tokyo visited Kurasu Kyoto as a guest barista and served his roast both as espresso and pourover. 4/4 SEASONS COFFEE is focusing on single...

27 COFFEE ROASTERS (神奈川) : 2017年8月 #クラスパートナーロースター

次にご紹介する#kurasucoffee サブスクリプション提携ロースターは、神奈川県藤沢市、辻堂に位置する27 COFFEE ROASTERS。神奈川県を代表するスペシャルティーコーヒーロースターになるまでの20年間の歩みについて、代表の葛西さんにお話を伺いました。   コーヒーの世界に入ったきかっけ、今までの道のりを教えてください。 実は店を始めてもう20年になります。1997年に自家焙煎挽き売りと喫茶の店「自家焙煎かさい珈琲」として始めました。ちょうどシアトル系の大型チェーンショップが開店したタイミングでしたが、当時はスペシャルティコーヒーという言葉も出回っていませんでした。もともと海が好きで辻堂に住んでいて、会社勤めをしていたころは東京まで通勤していたのですが、東京も通勤も好きではなくて、ここで仕事をしながら住めたらいいなと考えたのが開業のきっかけです。ちょうどその頃に実家の工場が廃業することになり、商売をやってみないかと言ってもらいました。両親は宮城の出身で、コーヒー業者に勤めていた親戚がいたことから話が進んで、勢いでお店をオープンすることになりました。 特にコーヒー好きだったというわけでもなく、どこかで修行したり、コーヒーに関わる環境で勤務した経験もまったくありませんでした。現在のようなオープンな情報もありませんでしたので、初めは何をしたらいいのかすべてが手探りでした。皆はなぜコーヒーを美味しいと思うのだろう?そんな疑問から始めたぐらいですから、良くも悪くも品質判断の基準が定まっていなかったので、逆に自分の仕事やお客さんが求めているものを客観的に見ることができたかも知れません。好きすぎるあまり自分の思いを押し付けてしまうことなどもなく、一方通行にならないようなバランスも取れていた部分があったかも知れません。 その後2003年にスペシャルティコーヒーに出会い、それまでの昔ながらの喫茶経営からスペシャルティコーヒーにフォーカスしたお店の形に自然と少しずつ変化していきました。そして2012年、コーヒー豆販売と新しい焙煎機を導入した「27 COFFEE ROASTERS」としてフルリニューアルオープンしました。現在では現地の生産者や農協、輸出業者とのつながりを大切にし、品質重視の姿勢でセミナーやカッピングなども行いながら、おいしいコーヒーを伝える、「コーヒー嫌いだった人に振り向いてもらえるような1杯」を作っています。     コーヒーとの関係の転換期はどのようにして訪れましたか? 喫茶店では、凝り性なこともありますし、仕事は一生懸命やっていました。ただ、方向性が定まらないまま色々やってしまっていたんですね。当初はイートインもやっていました。「豆だけで売り上げを立てる事は難しいだろう」という思い込みもあり、お菓子を置いてみたり、フードメニューを変えてみたり…色々手を広げすぎてしまったんです。売り上げも安定していませんでしたし、自分自身店の中にこもって狭い世界にいたと思います。 そんな時、2003年に日本にSCAJが設立されて、スペシャルティコーヒーが入ってくるようになりました。そこでスペシャルティコーヒーのカッピングセミナーがあったので参加して、今まで飲んだことのない味にとにかくびっくりしたんです。これがコーヒーなのか!という驚きを感じたのを今でも鮮明に覚えています。その時は、すぐにそれがいいか悪いかはわからなかったのですが、とにかく今まで自分が飲んできたものと全然違った。そこから今まで何となく「スペシャルティコーヒー」と言われて買っていたものは何だったのだろう、本当にいいコーヒーというのはどうやったら買えるのだろうか、と考え始め、ぐいぐいとスペシャルティコーヒーに引き込まれていきました。 当時はカッピングもあまり行われておらず、情報を得るには本などで勉強していた程度で、海外からの情報や同業者との交流もほとんどありませんでした。しかしスペシャルティコーヒーに衝撃を受けて、これをちゃんとやれば道が開けるんじゃないか、そう直感したんです。それからはできる限り外に出て、セミナーにも参加し勉強しました。 そうするうちに、店の方向性も、コーヒーへの姿勢も自然と変わってきました。元々はカウンターがあって、ドリップやサイフォンがあって、喫煙もOKのいわゆる昔ながらの喫茶店だったのですが、まずは禁煙にして、フードの提供もやめて、と、徐々に変えていき、5年前には完全にリニューアルし、かさい珈琲から27 COFFEE ROASTERSへと名前も変えました。   大きな変化ですね。お客さんの反応はどうでしたか?   たくさんの人に反対されましたし、最初の反応は決して良くなかったです。正直な感想や思うところを言ってくれる人もいれば、何も言わずに来なくなってしまうお客さんもいました。ですが、それまで喫茶店をやっていたころは(これをずっとやっていくのかな)という不安があったところ、これなら安心して、信じてやり続けられるという風に思えたのがスペシャルティコーヒーだったんです。品質は嘘をつかない、そこをきちんと守っていればずっとやっていけると思って続けました。   新しいお客さんももちろん増えて、同じ価値観やコーヒーに対する興味をもってきてくれるお客さんが集まるようになりました。基本的には地元の人が多いですが、東京や、遠方からのお客さんも徐々に増えていっています。       27 COFFEE ROASTERSのコンセプトはなんですか?   とにかくシンプルに、10年、20年経っても同じようにやっていけるようなものを目指して作りました。半分は焙煎所、半分は抽出する場所として、この店に来れば一通り体験できるという場所にしたかったんです。余計なものを置かず、コーヒーだけに集中できるような店にしました。お客様の9割が豆を買われる方々なので、店内でドリップするフィルターにはV60などあまりマニアックでない器具を使い、豆を買ってくださったお客さんも同じように淹れられるようにしています。   27 COFFEE ROASTERS の焙煎、コーヒーについて教えてください。   20年前店を始めたころには誰も焙煎を教えてくれませんでした。コーヒー好きであれば自分のいきつけや好みの店がいくつもあって、そこでノウハウを教えてもらうなりやり方があったのでしょうが、そういうものがない、ゼロの状態からスタートしなければならず苦労しました。今はむしろ情報が多すぎるための苦労もあると思いますが、当時は原料の豆を仕入れるにもルートが限られていて、問屋さんにもあまり良いものが揃っていないという環境でした。その後共同購入グループ「C-COOP」に参加し、同じような境遇の仲間が集まる中でお互いに焙煎を学び、海外にも目を向けるようになり、一緒にアメリカなどの海外のロースターを訪問見学させてもらったりもして、徐々に経験を積んでいくことができました。         産地にも興味があったので、ニカラグアなどにも行きました。栽培しているのを実際に目の当たりにすると、生産者達の思いも汲んで、ちゃんと売りたいという気持ちが強まりましたし、COEなどの審査会にも行ってみたいと思うようになりました。それから審査員として参加すべくカッピングのスキルなども学び、2008年に初めてCOE審査会にオブザーバー参加しました。それからは毎年中米を中心に、つながりができている産地に行っていますが、オーストラリアやアメリカと比べると、産地とのつながりの歴史や深み、購入量には日本との歴然とした差を感じさせられます。日本は大手チェーンなどが主導する流れがまだまだ強く、個人ロースターはすぐに買い負けてしまうんです。その差を乗り越えていかなければ良いものは手に入れられません。すぐに解決するのは難しいでしょうが、日本なりのやり方があると考え、同じ目線で仕事のできる比較的小規模な生産者が多い中米とのつながりを構築しています。 現在、焙煎は自分とスタッフの4人チームでやっています。焙煎機にはローリングスマートロースター35kgを使用し、スペシャルティコーヒーの持つ爽やかな酸味や透明感、スムースな甘さを最大限に引き出す努力をしています。コーヒー豆の外側に過度なダメージを与えずに、豆の芯にしっかり熱を与えて風味を発達させています。 27 COFFEE ROASTERSでは、それぞれのコーヒーが持つ素材の味わい、長所を素直に表現し、味わっていただく事を大切にしています。...

Kurasu Kyoto は1周年を迎えました!

Kurasu Kyotoでの1年 8月11日、Kurasu Kyotoがオープンして、無事1周年を迎えることができました。まだ十分に知られていない日本製のものや職人の技を世界にもっと知ってもらいたい、そんなシンプルなコンセプトから始まったKurasu。皆様に支えられ、気づけばこんなに素晴らしい記念日を皆でお祝いすることができるようになりました。 家庭用品の販売から始まった小さなオンラインショップは、コーヒーの魅力と世界で盛り上がる大きなうねりに出会い、さらにそこには日本のコーヒーカルチャーも大きく影響していることを知りました。そこで商品をコーヒー器具、日本製で高品質のものに絞り込み、また日本中の焙煎所と手を取り合い、コーヒー豆定期購買サービスも開始。さらには京都に1号店となるカフェをオープンし、実店舗を持つブランドとして、京都で着実に成長を続けています。 Kurasuを通して、コーヒーの大切さを感じ、コーヒーがもたらす人々とのつながり、そしてコーヒーが育ててくれた日本中、世界中のコミュニティーに出会うことができました。日本の手仕事の素晴らしさ、古いものを大切にしながら、新しいものもオープンに取り入れる文化を発信するという当初の目的は変わらず、コーヒーを通してより一層それを実現していきます。 ロースターの皆様、お客様、友人、そして家族の皆に心からの感謝を、そして新たに迎える未来の旅とコーヒーに、乾杯!  

Kurasu joins "HOME". HOOPが手がける新しいスタイルのシェアロースター

日本のコーヒー業界の中でも「シェアロースター」という言葉を最近少しずつ耳にすることがここ一年確実に増えている。ロースターが各々焙煎機を所有し行うのではなく、一か所に通常複数台の焙煎機を設置し、数件のロースターが共同使用する形の焙煎所だ。焙煎機の種類・製造元は実に様々で、それぞれ実際に使用してみるまで使い手との相性が分からない上に、高額であり、さらに設置するには面積・排気を含め適切な環境が求められる。そのため、初期費用を抑えながら色々な焙煎機を試すことができ、場所の心配もいらないシェアロースターの人気が高まっているのだ。 NY、メルボルンといったコーヒーカルチャーをけん引する都市ではすでに当たり前にある光景。そして今月、いよいよ日本でもシェアロースター「HOME」が大阪・南船場にオープンした。 日本全国のロースターから豆をピックアップし、カフェや定期購買という形で提供するコンセプトであるKurasuも自分たちで焙煎する可能性を探りたい。その為に、HOOP代表である小川さん、山田さん、後藤さんの三人にお話を伺った。       設立時、彼らがHOOPのコンセプトでもある「ライフスタイルのイノベーション」を探る旅の中で訪れた街、ニューヨーク。そこで立ち寄ったカフェで紹介してもらったのが、アメリカにおけるシェアロースターの先駆けであるPulley Collective「プーリーコレクティブ」。アッパーベイに面する、ブルックリン・レッドフックに位置するこのパブリックシェアロースターには、様々な種類の焙煎機やエスプレッソマシンが設置されていた。港町のため、世界中から直接届いた生豆をすぐに試すことができる。そこで焙煎された豆が町に届けられ、NYのコーヒーカルチャーを賑わせているのだ。       日本のコーヒー業界で経験を積んできた山田さんにとって、彼らの、そしてシェアロースターという存在自体のオープンさは驚異的だった。職人として自らの技術を磨くことに専心し、結果として品質は高いが閉鎖的になってしまいがちな日本のコーヒー業界には常々問題意識を持っていたという山田さん。ここでは、焙煎技術などの情報を皆で広く共有しているどころか、たくさんの人々がそれぞれの強みを生かし、互いを高めあっている。その光景は旅が終わっても脳裏に焼き付いていたという。   その後、HOOPでも焙煎機を購入しようという話になったが、そこでHOOPのこだわりのコーヒー、と銘打って売り出すというのも、面白さがたりない。検討していた機種であるプロバット社のプロバトーネだけをとっても、すでに大阪に十数件同じマシンを使っているロースターがいる。自家焙煎に新入りとして飛び込むよりも、自分たちにしかできないことは、と考えたとき、真っ先に人の頭に浮かんだのがブルックリンでの光景だった。 世界では、「共有する」というコンセプトがどんどん進んでいる。自分だけのための技術ではなく、技術を共有してお互いを高めあうという意識の持ち方が主流になりつつあるのだ。自分たちが主体となって価値を提供するというよりも、皆で価値を生み出すシェアロースターというあり方が、HOOPのビジネスの理念と合致した。     技術を持ったバリスタが自家焙煎を始めるという流れが今後日本でも進んでいくと3人は考えている。HOMEを立ち上げることで、今までスペース・資金などの壁に阻まれて焙煎に挑戦できていなかった人々が自由に活動できるようになり、そこから広がる可能性にはすさまじいエネルギーがあると感じているのだという。 HOMEでは、訪れた人には基本の焙煎手順をシェアしてくれるため、あとはどんどん自分で焙煎にチャレンジしていくことができる。コーヒーの抽出に基本があるように、焙煎にも基本の手順があると山田さんは説明する。その基本を共有し、自由にカスタマイズしてもらうのだという。「一から始めると色々と失敗もあるのですが、私たちがすでに経験した失敗も併せてシェアすることで、時間を無駄にせずに自分の焙煎を追及してもらえるようにしています」と山田さん。       時間、温度、火の調節など様々な過程でのほんの少しの違いがガラリと味を変えることがある。その匙加減はもはや個人の哲学のようなもので、それぞれの好みやこだわりによって生まれた違いから、お互いにまた新しいことを学んで行く。そうして個人の、そして共有財産としての技術が磨かれていくのだ。   インタビューが終わるころ、山田さんが、「今から焙煎しましょうよ、めっちゃ面白いですよ」と明るく提案してくれた。とにかくオープンで、皆と手を取り合い新しい価値を生み出していく、HOOPのそんな姿勢が生き生きと感じられる、素敵な訪問となった。     HOOPについて HOOPは、「Co Imagine ともに想像しよう」をテーマに、異なる文化やバックグラウンドを持つ人々が出会う場を提供し、そこで生まれる物語を通して様々な分野における人々の意識や感性を育むことを目的にしている企業だ。今年7月頭のオープニングウィークでは国際・食・働き方・音楽などあらゆる方面から、ライフスタイルをより楽しく、新しくするイベントを開催した。通常営業時には、世界各地のコーヒーが楽しめるコーヒースタンド、シェアロースター、そしてイベントの開催を軸に行っている。コーヒースタンドではコーヒー界Appleと称されるブルーボトルコーヒーに対し、コーヒー界のGoogleと言われるFour Barrel Coffeeフォーバレルコーヒーなどのコーヒーを味わうことができることで話題になった。    https://hoop.coffee/

Saredo Coffee (福岡) : 2017年7月 #クラスパートナーロースター

次に#kurasucoffee サブスクリプション提携ロースターとしてご紹介するのは、福岡のSaredo Coffee。明るく暖かみのある店内で、店主の権藤さんに、お話を伺った。   1.コーヒー業界にはどのようにして入られたのですか?   コーヒーと関わり始めたのは、スターバックスでバイトを始めたのがきっかけです。雰囲気の良さにひかれて、10年ほどいました。それまではコーヒーといえば甘いものぐらいしか飲まなかったのですが、豆の販売・接客を通して、お客様のニーズを探り、喜んでもらえるものを提案できた時、リピートしていただけた時などの嬉しさも手伝って、コーヒーへの興味を育てていきました。社内のテストなどに向けて勉強し、名古屋の店舗で勤務していた頃、黒エプロンをもらい、社内の大会で東海3位に入賞することができました。 スターバックスでは最初の3年を地元の福岡で、その後は名古屋で勤務したのですが、本格的にコーヒーに目覚めたのは名古屋に移ってからです。名古屋では深すぎない焙煎のものが比較的手に入りやすく、よく清水珈琲さんや小野珈琲店さんから豆を買っていました。 学ぶうちに、浅煎りの面白さを知り、ある日お客様から「苦くないコーヒーがほしい」と言われ、ここにはない、自分で作るしかないと思い、思い切ってはじめたのがSaredo Coffeeです。     2.自分でお店をやりたいと思い始めたのはいつ頃でしたか? スターバックスに入ってから7年ぐらいが経ったころに自分で店を持つことを考え始めました。そこから3年ほどは構想を練ったり、貯金をしたり・・・焙煎は富士珈機さんなどのセミナーに通って学びました。本格的に焙煎の経験を積み始めたのはお店を始めて、窯を置いてから、トライアンドエラーで・・・無茶なんですよ(笑)   3.福岡のご出身ですよね?地元への思い入れがあってお店を福岡で開かれたのでしょうか?   そうですね、このエリアは地元なのですが、元々地元福岡でやりたいなと思っていました。知っている場所で、通いやすい距離で。   4.焙煎機にGiesenを選んだ理由は?   初めはディードリッヒを買おうとしていたんですが、代理店のノーザンコマーシャルに声をかけられて。周りに使っている人が誰もいなかったのですが、人と被らないところがいいなと思い、思い切って買ってみることにしました。福岡では契約している人は一人もいなかったと思います。 焙煎も最初は大変でした。どれだけ捨てたことか!当たりはずれも多かったし、安定させられませんでした。店を何日間か閉めてしまったこともあります。 焙煎機が到着してから店を開けるまで2週間弱、その間に猛特訓しました。Giesenからもトレーナーが来て教えてくれたりもしました。それでも1年ぐらいは迷い続けていたと思います。自分で納得できるものばかりを作れなかったときはカップに飲み残していくお客様もいたり・・・その頃に豆の仕入れ元を変えて、焙煎も自分が納得できるようになったら、カップが全部空っぽになるようになっていました。お客様が豆を買いに来るペースも早くなったり、そういうところで、うまくできているんだなと感じることができました。いまだに迷うことも多いですが、ようやく安定させられるようになったかなと思います。   5.権藤さんの豆へのこだわりを教えてください。   スペシャルティにこだわっているというわけではないのですが、選んでいくと結局そこに行き着くといった感じです。豆の仕入れは、ワタルさんなどが有名どころですが、僕はマツモトコーヒーさんという商社から仕入れています。取引がある店舗は福岡には一店舗しかないと思います。とにかく人が扱っていないもの、人と違うものを探して見つけました。いつも安定したものを送ってくれるし、電話すれば親身に相談に乗ってくれる、いいパートナーです。一人でやっているところなのですが、サポートがとても良い。うちの豆は100%マツモトコーヒーさんからです。ここでしか買えないもの、僕にしか焼けないものを作って、それを皆さんが応援してくれている。その期待に精一杯応えていきながら、長くやれたらいいなと思っています。   6.主に中深煎りで焙煎されていますが、初めから決めていらっしゃいましたか?   はい、酸っぱすぎず、苦すぎず、軽すぎずで行こう、と初めから決めていました。スターバックスでお客様の好みをお伺いしていて、圧倒的に多かったのが、「飲みやすいもの」、「酸っぱすぎないもの」、「苦すぎないもの」だったんです。それで自分で焙煎するときにどのあたりでやっていこうかと考えたときに、中深煎りがちょうどいいんじゃないかなと思いました。個人的にもそのぐらいが好きですね。セカンドクラックの手前ぎりぎりぐらい、浅くてもファーストクラックの終わりぐらいを目安に焙煎しています。   7.色々なことにチャレンジされる姿勢が素晴らしいですね!開店から3年半、お客さんの反応の移り変わりはありましたか?受け入れられるようになるには時間はかかりましたか?   最初はだれもが買える問屋さんから豆を買っていました。その後1年ぐらい経ってから仕入れ元を変えて、いいパートナーと面白い豆との出会いのおかげで、一気に売り上げが上がったんです。品質を上げたらお客様は必ず喜んでくれるという、一つの良い学びになりました。   8.そうやって分かるのは面白いですね!提供している中で、味が変わったと言われましたか?告知はどのぐらいされましたか?   告知はブログで簡単にした程度だったのですが、実際に飲んで気に入ってくださった方がプレゼントとして配ってくださったりして、いろんな方に応援していただいて、どんどん広がってつながって、という形でした。今はまだ一人でできる範囲ですが、引き続きまだまだ頑張っていきたいです。   9.今後の展望は?   あんまりビジネスプランといったようなものはないです。試行錯誤して今安定させられたものを、四季、季節に惑わされずにしっかり安定させていきたいなと思っています。 飲んでくださった方の感想ももっと知りたいです。飲んでどんな気持ちになったかなどのカップの感想や、会話が弾んだとか、なんでもいいので聞けたら嬉しいですね。 コーヒーって主役じゃなくて、飲んでみろと押し付けるものでもなくて、会話のツールや、なにかのきっかけであってほしいなと思っているんです。なので、Saredo Coffeeのコーヒーを通してどうなったのか、そんなお話を聞けたら幸せだなと思います。     7種類のシングルオリジンと数種類のブレンド、オリジナルのコーヒーベースやチョコレートが所狭しと並ぶ店内。見た目にも楽しく、愛らしい色合いのフラワードリッパーをはじめとした様々なグッズや、暖かい色合いのインテリアが、権藤さんの物腰の柔らかさと相まって居心地のよい空間を作り出している。同時に、コーヒーカルチャーの発展がめざましく、強豪がしのぎを削る福岡で、ここでしか出会えないコーヒーを出している。そのしなやかさと強さの組み合わせが、Saredo...

KurasuのハリオV60 抽出レシピ

淹れ方次第で幾通りもの抽出を実現できることで、コーヒー好きの間で長く愛されてきたハリオ V60。 お湯の注ぎ方ひとつで様々な変化を楽しめるこのドリッパーは、まさに淹れる人を映し出す鏡のようで、私たちをいつまでもわくわくさせてくれる一方、扱うのが難しいと感じることもあるのではないでしょうか。 そこで今回は、Kurasu Kyotoのレシピをご紹介。豆や焙煎具合によって都度細かく調節してはいますが、基本的にはどんな豆でもお家でクリーンな一杯を楽しんでいただける、そんなレシピをご紹介します。     必要な器具: V60ドリッパー、円錐型ペーパーフィルター(使用前に湯通しする)、バーグラインダー、プアオーバーケトル、デジタルスケープ、サーバー、ストップウォッチ 12g コーヒー (約 EK43: 7 細~中挽き) 湯温: 92-96℃   STEP 1 ドリッパーにフィルターをセットし、紙の匂いを飛ばすために素早くすすぐ。     STEP 2 お湯を沸かす。92〜96℃がベスト。家庭用のケトルを使う場合は、沸騰してから1〜2分冷ますとよいでしょう。   STEP 3 フィルターにコーヒーを入れ、種を埋める程度の小さなくぼみを中央に作ります。   STEP 4 ドリッパー・サーバーをスケールに乗せ、0表示にして、注ぐお湯の重さを正確に測れるようにします。このレシピでは、12gのコーヒーに対し200gの水を使用します(60g/ℓ)。  STEP 5 ストップウォッチをオンにし、まずは先ほど作ったくぼみの中に注ぎ込むように、お湯を25g優しく注ぎ、蒸らしを行います。   STEP 6 30秒後、表面が沈み始めたら、再度お湯を注ぎます。110gまで注ぎ、1分まで待ってから200gのところまで注ぎます。フレーバーの角を取るために軽くかき混ぜ、待ちます。全行程はおよそ2分程度で完了します。  

Finetime Coffee Roasters: 2017年6月 #クラスパートナーロースター

Kurasuが次にご紹介するのは、東京・経堂にあるFinetime Coffee Roasters。オーナー・ロースターの近藤さんにお話を伺った。   Finetime Coffee Roastersがオープンするまでの経緯を教えてください。 元々はセゾングループで流通や財務に携わっていました。 そこで社内の留学制度を利用して、MBAを取得するためにミシガン大学へ進学した後、10年ほどモルガンスタンレーの財務やオペレーションに関わっていました。その後退職を機に、新たに一人の生活が始まったのが40代後半の事でした。 第二の人生で何かしたいと思い、それまで経営や金融を学んでいたこともあり、自分でビジネスを立ち上げる事に決めました。食べることが大好きだったので食に関わる仕事がしたいと思ったのですが、シェフの修行を始めるというのもしっくりと来ず、しかし何か自分の手を使ってやってみたいと考え色々と調べ始めました。 するとコーヒー業界が大変盛り上がっている事を知り、元々コーヒーが好きで浅煎りのコーヒーももっと広めたいと感じていたこともあって、コーヒーに関する仕事をしようと思い至りました。中でもカフェは人が集まるコミュニティとしての場として興味深く、カフェのカルチャー、アートや映画など、自分の好きなものを組み合わせていい空間を作ってみたい、そう思いカフェをオープンすることに決めました。 その内に今の妻とも出会い、カフェを経営しながら2階に住んだら楽しそうだね、と話し合い物件探しをスタート。リノベーション物件を多く扱う会社にこの物件を紹介してもらいました。妻は元々の仕事を続けていますが、今は産休中で、カフェのお菓子作りなどで活躍してくれています。   どのようにして提供するコーヒーを絞っていきましたか?どのようにコーヒーについて勉強しましたか? 元々コーヒーは好きだったのですが、もっと浅煎りについての知識と経験を増やしたいと考え、開店するまで1年半程かけて勉強しました。東京を中心に、スペシャルティコーヒーを扱うところなど、200件位は回ったと思います。セミナーもある所には全て参加しました。 そのうちFuglen Tokyoに出会い、彼らのコーヒーや、生豆を扱うノルディックアプローチなどをとても気に入ったので、オスロまで行ってカッピングをさせてもらい、豆を買いたいと持ち掛けると快諾してもらえたんです。ですが少量単位での購入は割高になるため、Fuglen Tokyo経由で生豆を仕入れる事を提案され、日本で小島さんに改めてお願いし、取引がスタートしました。 その他にも、開店準備期間中にQグレーダーを取得し、エアロプレスチャンピオンシップで3位にも入賞しました。 短期間に本当に色々な事をされたんですね! これと決めると突き詰めるタイプなんです(笑)とにかく時間はありったけ使い、徹底的に勉強しました。   なぜ経堂を選んだのですか?   経堂は食べ物屋さんが多く昔からよく来ていたので馴染みもありました。美味しいものが好きな人が集まる場所ならば、美味しいコーヒーもきっと受け入れられる、そう思い、土地勘もあるこの場所を選びました。   Finetime Coffee Roastersのお客様について教えてください。 客層としては近所や地元の方が主ですが、コーヒー関係の方々やコーヒー好きの方々が遠方からも多くいらっしゃいます。 一度関西ローカルのテレビ番組の取材を受けたことがあって、その時には関西からの豆の注文が一気に増えました。その後他の地域でも放送される度にその地域からの注文をたくさんいただきました。その後も引き続き注文してくださっている方もいらっしゃいますし、テレビを見た年配の方から、「インターネットを使えないので」とはがきで注文をいただいたこともあるんです。テレビの力の大きさを改めて感じました。 カフェがリノベーション物件ということで、リノベーション物件を扱う雑誌にも時々取材されることがあり、その影響で新たに興味を持っていただく事もあります。  カッピングなどのイベントもたくさんやっていらっしゃいますね。 そうですね、できればもっと頻繁にやりたいです。単発でいくつかやってみたセミナーにも手応えがあったので、積極的に開催していきたいなと思っています。 はじめていらっしゃるお客様の8割ぐらいからは「酸っぱくなくて苦いのをください」と言われるのですが、うちはもう苦みの強い物は置いていないんです。自分自身、浅煎りが好きになるにつれて苦みの強い物は飲めなくなってしまったのもありますが、深煎りを置いてしまうとお客さんが皆そちらを選んでしまい、浅煎りを紹介する機会がなくなってしまうために意図的にそうしています。ずっと深煎りに親しんできた方にはなかなか受け入れるのが難しい部分もあるようで、「コーヒーじゃない」なんて言われてしまう事もあります。浅煎りにもっと親しんでもらえるようになるためにも、どんどんイベントを開催していこうと思っています。 Finetime Coffee Roastersのコーヒーについて教えてください。 コロンビアやアフリカ系はノルディックアプローチから、それ以外の中米系などは他のところから仕入れています。提供しているのは基本的に浅煎りで、深煎りは出していません。 せっかくエアロプレスチャンピオンシップで3位になったので、それを活かしてエアロプレスで抽出し提供しています。あとはエスプレッソ、カフェラテも出していますよ。       焙煎、抽出などは全部ご自身で勉強されたのですか?   基本的には自分で全部学べる場所を探して勉強しました。焙煎はカフェテナンゴさんで。やや深めの焙煎をされているところなのですが、深いのにクリーンなコーヒーを焙煎されるのに感銘を受け、セミナーなどに参加して習いました。中米のスペシャルティに特化している、なかなかディープなところです。あとはバッハさん、富士工機さんのセミナーにも参加しました。   オープンまでにかなり特訓したとはいえ、やはり豆によっては焙煎が難しくなかなか安定しませんでした。開店してからも手探りで進むこともありましたが、それでもある程度の味を出せるノルディックアプローチの豆はやはり素晴らしいと改めて感じました。まだアフリカ系の豆が出ていなかった頃、すごくいいコロンビアがあって、たまたまうちでしか扱っていなかったのでその時はかなり評判になりました。   エスプレッソ系は押上にあるバリスタトレーニングラボで勉強しました。そこではWBCのジャッジの方が、本番さながらに味を見て採点しながら教えてくれました。...

Enjoy Coffee Time 2017.6.4 イベントフォトレポート

今回で3回目の参加となったEnjoy Coffee Time。参加された皆様、お疲れ様でした! 当初の予想をはるかに超える来場者数で会場が大変にぎわい、とてもいい雰囲気の中でコーヒーを淹れることができました。 前回同様、時間帯ごとに豆を変えてハンドドリップで提供し、さらに今回はエアロプレスを使ったアイスアメリカーノを提供。「エアロプレスは初めて見る!すごい!」など、素敵な感想も多くいただき、たくさんの方々に喜んでいただけた素晴らしい機会となりました。 たくさんの方とゆっくりお話しでき、また京都を盛り上げるカフェやロースターの皆様とこのような活気あふれるイベントでご一緒でき嬉しかったです!皆様、またお店にもぜひ遊びに来てくださいね! 改めて、運営の皆様、ご参加くださった皆様、ありがとうございました! Kurasuではこれからも色々なイベントを企画します!イベントページをフォローして、ぜひご参加ください。 https://www.facebook.com/pg/kurasu.kyoto/events/ 当日の様子>>>    

ゲストバリスタ・エアロプレスセミナーwith MANLY COFFEE : イベントフォトレポート

5月27日、福岡のMANLY COFFEEから、オーナー・ロースターの須永さんがゲストバリスタとしてKurasu Kyotoにお越しくださり、閉店後はエアロプレスセミナーも開催してくださいました! 福岡と京都の水の違いに合わせ、念入りに挽き具合、分量、温度などを何度も調整されているお姿からはエアロプレスとご自身のコーヒーに対する並々ならぬ想いを強く感じました。 全てエアロプレスを用いた抽出を行っていただき、ライトローストのエチオピアナチュラルはラテ、アメリカーノとエアロプレスのインバート(インヴァート)でそしてコロンビアはインバート(インヴァート)でご提供いただきました。 ご来店くださったお客様にも、「エアロプレスでラテが作れるなんて知らなかった!」「すごく華やかな印象でおいしい」と大好評。 エチオピア イルガチェフェ ナチュラルの豆を使用したエスプレッソはバラのような華やかな風味があり、さらにミルクと混ぜるといちごオレのような後味が長く続き素晴らしいお味でした。 閉店後にはエアロプレスセミナーを開催。エアロプレスチャンピオンシップの世界大会に出場された須永さんから学ぶことができるまたとない機会ということで、セミナー参加者のみなさんからは質問が相次ぎ、真剣ながらも和気あいあいとした空気で大成功のうちに終えることができました。 エアロプレスの新たな可能性を教えてくださった、須永さん、本当にありがとうございました! Kurasuではこれからも色々なイベントを企画します!イベントページをフォローして、ぜひご参加ください。 https://www.facebook.com/pg/kurasu.kyoto/events/ 当日の様子>>>  

Meet Your Barista: Ayaka

Kurasuの新しいMeet Your Baristaシリーズでは、Kurasu Kyotoで働くバリスタたちを毎月ご紹介します。いつも話しているバリスタとの意外な共通点が見つかるかも?!   Ayaka 1. コーヒーの世界に入ったきっかけや、バリスタになった理由を教えてください。 高校生の時にスターバックスに来店して、そこで受けた接客に感動したのをきっかけにスターバックスで働き始めコーヒーに興味を持ちました。 オーストラリアのメルボルンではコーヒー文化が盛んだと知り長期休暇を取り、試しに1ヶ月住んでみたんです。その時に色んなカフェをまわり、コーヒーの魅力に引き込まれていきました。 その後4年間勤めたスターバックスを辞め、ワーキングホリデーでメルボルンに留学しSuperrandomというカフェで働かせていただき本格的にバリスタとしての人生が始まりました。.   2. Kurasuで働きたいと思った理由は? ちょうどオーストラリアでのビザが切れる2週間程前にオーナーである洋三さんのバリスタ募集の記事「京都から世界へコーヒーカルチャーを発信する」という記事をFacebookで見つけました。 日本に帰ってからもオーストラリアで学んだコーヒー、接客、英語を活かしたい。日本の人にもっといろんなコーヒーを飲んでもらいたい!伝えたい!と考えていた私にはここはぴったりの場所だ!と思いすぐ連絡をしてSkypeでお話ししました。 洋三さんの人柄にも惹かれ、お店はまだ場所しか決まってないような段階でしたが迷わずここで働きたいと伝えました。 . 3. Kurasuをユニークにしている、アピールポイントは何だと思いますか? たくさんあります。んーしぼれませんね。 でもしいてゆうならば、お客様とコーヒーと私たちバリスタの3つの距離がとても近いと思います。 日本人に限らず海外の方とも毎日たくさんお話しして、コーヒーについて熱く語り合い、またね。って送りだすんです。 オープン初日に来てくれたポルトガル人家族のお客様がsee you tomorrow って言って帰っていったあの衝撃は生涯忘れることはないんじゃないかってくらい嬉しい出来事でした。本当にその後四日間毎日飲みに来てくれました! たくさんの方にまた来よう。って思ってもらえるお店であり続けられるように毎日笑顔でコーヒーを淹れたいなぁと思っています。    4. 普段はどのようなコーヒーを好んで飲まれますか? んーその時の気分によってコロコロ変わります。ハマったらそればっかり飲む日が毎日続いたり、突然違うのが飲みたくなったり。   最近はお店ではピッコロ。(小さいグラスで飲むラテ)家ではハンドドリップで浅煎りの柑橘系のお豆を飲みます。   5. バリスタとしてコーヒーを作る中で、何が一番好きですか? ラテ、、、かなあ。ミルクのスチーミングが好きなんです。つやつやのミルクがエスプレッソに交わって浮き出て来た時にそれをハートにしたりチューリップにしたり。 いつもわくわくして作っています。 でもドリップしてる時間も静かで心地よいです。     6. コーヒー・ドリンクを作る際に気を付けていることは? たくさんのことに気をつけて作っているのですが、私は作っている時間もお客様に楽しんでいただきたいと思っています。 なのでお客様から見える角度でミルクを注いだり、エスプレッソの抽出を確認しながらお客様に話しかけたり、ウェイティングタイムも素敵な時間にしたいです。     7. Kurasu以外に好きなカフェを京都・日本・海外の3つから教えてください。...

COFFEE COUNTY: 2017年5月 #クラスパートナーロースター

Kurasuが次にご紹介する#クラスパートナーロースターは、福岡県久留米市にあるCOFFEE COUNTY。ロースター、オーナーの森崇顕さんにお話を伺った。   -COFFEE COUNTYができる以前の経緯をお聞かせいただけますか?   コーヒーカウンティを始める以前はタウンスクエア コーヒーで勤めていました。大きな焙煎機で焙煎するような仕事や、その後コーヒー豆と器具を取り扱うお店で働いたりしているうちに、産地へ行きたいという気持ちが大きくなったんです。3ヶ月ぐらい、ニカラグアなど中米へ行きました。勤めていた会社で付き合いのあった農園などを訪問して、SCAEで行われたローストチャンピオンシップ世界大会にコーチで呼ばれたのでフランスのニースへ行って、ワイナリーを巡ったりしてからニカラグアに戻り、それから帰国しました。声をかけてくれていた会社もあって、また勤める事も考えたのですが、組織にいると自由に海外に行ったりすることも難しくなる上に、せっかく経験してきたことを活かせない。そう感じて、独立を決めました。     -農園での経験・魅力が次のステップを踏み出す方向に変えて行くきっかけとなったのですね。そこからどのようにCOFFEE COUNTYへと繋がっていったのですか?  普通コーヒー農園を訪問するというと収穫シーズンか、実がしっかりついている時期や、カッピング、買い付けなどに行くものなのですが、僕は何もない時期に行きました。 5月にグアテマラでCOEに参加した後に、中旬頃からニカラグアに行きました。収穫も終わってしばらく経って、何もない季節。けれど普段誰も行かないその時期だったからこそ、生産者たちが普段何をしているのか、労働者たちはどんな環境で普段過ごしているのかを知ることができました。   農園には20万本近くが高低差400mほどもある山の斜面に沿って植えられているのですが、20kgもあるような肥料の袋を肩に担いで、毎日その斜面を上り下りしながら、一本一本肥料を撒いたり、草を刈ったり、育てた苗を植え付けたり、シェードツリーが茂りすぎれば伐採したり-本当に地道な作業ばかりでした。スペイン語を勉強して、農園に寝泊まりしながら農作業を手伝いながら過ごしました。     帰国後2、3ヶ月して店を作りました。妻の仕事の都合もあり、久留米市に店を構えることに決めました。以前住んでいた筑後市に比べると久留米は人も多く、工芸の盛んな地域です。久留米絣など織物の産地でもあり、福岡市が商売の中心地だとすると、筑後地方、特に久留米はモノづくりの中心地というイメージです。ショップが立ち並んでいるというよりは工房が多い。自然と僕も、ここでたくさん売っていこうというよりは、モノづくりの拠点としてこの店を捉えるようになりました。カフェを開く予算がなかったこともありますが、はじめから豆の販売に特化するつもりでしたし、人通りもあまりない場所ですが、こういうのもいいかな、と思って。だからお店、というよりも、作っている場所で買える、という感覚に近いですね。 -久留米という立地のなかで客層はどのような方が多いですか? 客層はやはり地元の人が多いですが、最近徐々に増えてきたなと感じています。久留米は福岡から 1時間弱かかるのですが、近頃はメイドイン久留米の靴など注目を集めている製品もあって、福岡から小旅行感覚で来る人が多いです。久留米に行って買う、という行為も含めて、全体的な体験としての商品価値を感じる人が増えてきているんです。    -なるほど。そうなると豆の売り上げは個人が多いのですか。卸でしょうか。どのようにCOFFEE COUNTYのブランドを広げていらっしゃるイメージですか?  場所柄、小売でどんどん売る、というよりも卸売が多いですね。3年が経って、地元にも知ってもらえて、売上も安定するようになりました。 コーヒーを落ち着いて飲んでもらえる空間も作りたくて、9月にはカフェを福岡にオープンしました。焙煎もカフェも、ひとつの場所で完成させられるのもいいけれど、久留米と福岡で0.5ずつ、あわせて1になるようなバランスも結構気に入っています。   久留米の店ではドリップのみを提供していますが、福岡ではエスプレッソも出していて、コーヒーの世界で経験を積んだ大山さんという方にお任せしています。店で作っているお菓子も、感覚のいい大山さんならではのいいものを出せていて、彼女がいたからお店を開いたと言えると思います。とても頼りになる方で、経営に追われることなく、自分の本来の仕事である焙煎に集中できるのは大山さんのおかげです。   -森さんの焙煎の特徴について教えていただけますか?   焙煎は基本的には昔から変わりません。僕のことを知っている人からは、僕の味がすると言われます(笑)自分でも、飲んでみると自分が好きなワインの味わいに似ているな、と感じることもあります。味の好みって、焙煎にしてもやっぱり普段飲んだり食べたりしているものに影響されるんですよね。焙煎で味を決めるのは、毎日焙煎して、カッピングして、を繰り返して、少しずつ自分が好きだなと思う味に近づけていく作業の繰り返しです。最終的に出来上がるものには、選ぶ豆はもちろん、自分の育ちまでもが影響しているな、全てが出ているな、と感じます。自分が自然と選ぶ物というものがあって、それを大切にしています。取引する豆の生産者を選ぶときもそうですが、味だけでなく、栽培への取り組み方や人柄の相性もあわせて考えています。 -農園との繋がりは今でも保たれているのですか? 中米へは毎年買い付けに行っています。ニカラグア、エルサルバドルやホンジュラスなど、一度に2、3ヵ国まわります。今年は1月にエチオピアに行って、先月にはインドネシアに行ってきました。日本にいて、輸入した豆を買っても美味しいものは作れると思います。自分が仕入れたものが、ノウハウのある商社が仕入れた豆よりも美味しいかというと必ずしもそうでないこともあるかも知れない。それでも、自分の目で見てきたものを伝える、そこに意味があると思っています。そういうものも、「おいしい」に含めた上で、やっていきたい。 -焙煎機はプロバットですよね?なぜこのマシンを選ばれたのですか?     はい、ヴィンテージのプロバット、1965年製です。ドイツから直接輸入しました。以前タウンスクエアではペトロンチーニ、工場で焙煎していた頃は大きなフジローヤルと、色々な焙煎機を経験しましたが、その中で一番相性が合うと感じたのが今のプロバットです。効率重視でないものづくり、職人のプライドやアイデアが随所に感じられます、無骨な見た目も気に入っています。   -COFFEE COUNTYとして、そして森さんの今後の展望はなんでしょうか?   特にこれといったものは何も考えていないです。 店舗を増やそうとも思っていません。 今の状態でほどよくバランスが取れているので、今の調子で、いただいている仕事に対して誠実に向き合っていこうと思っています。 今やっているスタイルの卸売り、楽しいんです。うちのコーヒーをちゃんと出してくれる、信頼の置けるお店の方を通して、自分の直接のお客さんじゃない人の反応を教えてもらったりして。そんな距離感や広がり方も自分に合っているのかな、と思います。自分でバリバリ規模を広げて、人を増やして、コーヒーをどんどん売って、という形ではなく、自分の手の届かないところでも自分のコーヒーが少しずつ伝わっていけば、自然と知ってくれる人も増える。しばらくはそうしていたいと思います。でも1年後何考えているかなんて、わからないですけどね(笑)   最近はコーヒーを飲むためのグラスを作ったりするのも楽しんでいます。手作りのもので、吹きガラスだったり、面白いものも多くて。うちのコーヒー豆のパッケージの絵柄も手描きで、風味をいくつかの種類に分けて、イメージに合う色をデザイナーさんに伝えて作っていただきました。かなりこだわったこともあって、完成するまで時間がかかったんですが、イメージにぴったりの風合いは本当に気に入っています。何にしても、量産できるデジタルのものよりも、人間的な、揺れのあるようなものが好きですね。  ...