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Kurasu Journal

Tag: クラスパートナーロースター

3 CEDARS COFFEE(大分)2024年1月Kurasuパートナーロースター

今月のKurasuパートナロースターは、大分県の3CEDARS COFFEE。「三つの杉」という名前には、ロースター・三杉さんの心の深奥に根ざしたコーヒーへの愛が刻まれています。コーヒー豆屋としてスタートし、今年で8周年を迎える3 CEDARS COFFEEは、コーヒーラバ―の間で「3CEDARS COFFEEの豆は美味しい」と好評です。そんな三杉さんが歩んできた道を伺いました。 三杉さんは、大学卒業後に福岡のコーヒーショップでバリスタとしての経験を積み、店舗立ち上げの初期メンバーとして関わるなど、コーヒーの「川上から川下まで」の全過程に触れられます。まだシアトル系のコーヒーカルチャーが広まり始め、カフェラテやカフェモカが一般にも広く知られるようになった頃でした。   このように長年コーヒーの仕事へ携わってきたベテランの三杉さんに、スペシャルティコーヒーに最初触れた頃の記憶を伺いました。20年ぐらい前の話。品評会で受賞したロシナンテ農園のコーヒー。透明感があり、きれいな甘さのあるコーヒーでした。コーヒーに長年携わりながらも、記憶に残るコーヒーは指で数えられるほどというのが現実。そのような中で「その頃の記憶だけは、一生大事にしたい」と語ります。   3 CEDARS COFFEEの立ち上げ前、中米にコーヒー豆の買い付けに行かれた三杉さん。「店はないものの、豆を購入すれば売らないといけないという状況をつくれる」と自分を追い込んだそうです。豆を売るためには、液体よりも豆のままで届けた方がベストだと考え、コーヒー豆屋として開業。最初は、コーヒーを飲みに来られた方々を断っていくしかない状況が辛かったそうです。しかし、豆のプレゼンテーションをしたいという強い想いで続け、コーヒー豆屋として認知されファンも増えていきます。     コーヒー豆の焙煎に深いこだわりを持つ3cedars coffee。世界中のコーヒーロースターが愛用するプロバッドのUG22kgを使用しています。三杉さんがコーヒー業界に足を踏み入れた当初、George Howell Coffee、Square Mileなどの当時の美味しい有名なコーヒー店がプロバットの焙煎機を使用していてプロバットに憧れるロースターが増えたという逸話もあるそう。そのアナログな操作性が持つ魅力と蓄熱性の高い焙煎ならの特徴である甘さを想像しながら、今回届くコーヒーを楽しんでほしいです。   これから未来を見据え、三杉さんは若い世代にスペシャルティコーヒーの魅力を届けるべく、カフェの開業を目標に掲げています。近年、品種やテロワール、プロセスの境界を超えて進化するコーヒーの世界。そんな中でも三杉さんが目指すのは、伝統的な味わいも大切にしつつ、多様なコーヒーの選択肢を提案し、客一人ひとりの味覚に寄り添う一杯を追求し続けることです。

WOODBERRY COFFEE(東京)2023年12月Kurasuパートナーロースター

今月のKurasuパートナロースターは、東京都にあるWOODBERRY COFFEE。都内の様々な場所にある5つのクラフトな店舗は、その落ち着く雰囲気から都市の人たちに愛され、憩いの場として親しまれています。これらの代表の木原さんは、留学期間中にアメリカコーヒーカルチャーに触れ、帰国後にコーヒーショップを立ち上げるという興味深いストーリーで満ちています。   オーナーの木原さん(上) 実家が花屋だったことから、自営業の大変さを物心ついて頃から知っていた木原さん。バリバリのエリートサラリーマンになるのが夢だったそうです。そのために、コンサルタントになると決め経営学修士号(MBA)を目指し、アメリカに留学されます。しかし、東日本大震災をきっかけに日本へ帰国することに。 地元である都内の用賀に戻って、次のステップを構想するときに、留学中にアメリカのサードウェーブコーヒーのブームを肌で感じた記憶を思い出した木原さん。そのインスピレーションから、帰国後、21歳の若さで「Woodberry Coffee Roasters」を立ち上げます。子供のころから花屋の経営を見てきたので、自営業をすることに抵抗が少なく、その後も都内を中心に店舗を展開されます。 お店を始めた2012年は、まだ「スペシャルティコーヒーの黎明期」。同時期には「ONIBUS COFFEE」や「Fuglen Tokyo」がオープンしました。一番の若手として、日本のスペシャルティシーンに飛びこんで、0から1をつくるために、試行錯誤を繰り返して自分たちのスタイルを確立していきました。   WOODBERRYのブランドの、こだわりとして掲げている三つの軸。それは、Sincerity(誠意)、Hospitality(おもてなし)、Exploration(探究)。これらの芯をWOODBERRYのチームとしっかり共有し、ローカルな人々を喜ばせられるお店作りを目指している木原さん。 「産地に対して好影響をもたらしつつ、地元に深く根付いた店舗の創造は、20軒規模が理想的だと考えています。それまでは頑張りたい」と話す言葉から、ボスとして描くビジョンを覗き込めた気がしました。

SKY BLUE COFFEE ROASTERS(札幌)2023年11月Kurasuパートナーロースター

 今月のKurasuパートナーロースターは、なんと北の大地、北海道・札幌にあるロースター、SKY BLUE COFFEE ROASTERS。代表の矢野さんは、SCAJローストマスターズの入賞歴やQグレーダーをはじめとする資格を持ち、専門学校で講師されるなど、北海道のコーヒーシーンを牽引する猛者の一人。Kurasuとしても、北海道のロースターさんを紹介する機会は少なく、ぜひ矢野さんの話を通して、北のコーヒーカルチャーにも触れていただきたいです。 はじめは広告代理店の営業として、キャリアを始めた矢野さん。6年ほど勤めて退職された後は、札幌のスペシャルティコーヒー事情を語る上で欠かせられないONIYANMA COFFEEをはじめ、10年ほどコーヒー事業の立ち上げや運営に携わりました。当時、たまたま東京の出張時に出会ったGLITCH COFFEE&ROASTERSの鈴木さんが淹れたコーヒーに驚き、スペシャルティコーヒーの可能性を感じたそう。もともと札幌は寒い気候の影響もあるのか、深煎りのコーヒー文化が根付いている街として知られています。しかし、多様な味わいを楽しめるコーヒー屋さんを道内にも作りたい想いから、矢野さんは2019年SKY BLUE COFFEE ROASTERSを立ち上げます。    しかし、本土から離れた地理的な特徴上、新しい文化を受け入れない特殊なマーケットが形成されている北海道。東京、大阪、福岡で成功した資本力のある企業も、進出に困難なのか、北海道である。そんな中で、深煎りに比べて、比較的に香りや味わいが個性的な浅煎りコーヒーを日常的に楽しんでもらうまでには、相当な努力と工夫が必要だったと振り返ります。 道民に寄り添えるコーヒーをどう届けるか。ここで、矢野さんの広告営業時代の経験が強く活きる。矢野さん自身が「コーヒーが飲めなかった」時に飲めたコーヒーは浅煎りのコーヒーだったことから、既存のマーケットではなく、新しい消費層を育んでいった。さらに、シェアロースターのサービスを始め、少しずつ仲間も増やしていった。こうした日々の愚直な努力が積み重なり、今は浅煎りのコーヒーも少しずつ日常に溶け込んでいる。   最後に、東京や大阪などの大都市に比べて、多様なコーヒーを飲む機会も、コーヒーを仕事にできる機会も少ない北海道。しかし、世代が変われば味の嗜好も変化するし、コーヒーを志す若者も増える中で、「助けられることなら助けるという気持ちは常に持ち続ける」と話す矢野さん。北の大地に潜められたコーヒーカルチャーの可能性を信じ、これから一層盛り上げていきたいと想いを話します。

ABOUT US COFFEE(京都)2023年10月Kurasuパートナーロースター

今月のKurasuパートナーロースターは、京都府にあるABOUT US COFFEE。2021年にKurasuのサブスクリプションに参加されたことがあるが、以来競技会で優秀な実績を残し、SCAJ主催の大会のジャッジも務めるなど、今では京都のコーヒー界隈に欠かせない存在になっている。今回は、伏見にある店舗にお邪魔し、店主の澤野井さんに直接お話を伺った。    前回のインタビュー時に「今後ロースターとしてしっかり認知されていくにあたって、客観的な基準というか、肩書にも拘っていきたい」と話されていた澤野井さん。翌年2022年のCoffee Collection World Discoverにて、日本をはじめ韓国やスウェーデン、オランダ、オーストラリアなど約50のロースターの中から、見事優勝、1位を獲得された。毎月ロースター同士で勉強会を主催し、努力を積み重ねた結果が素晴らしい実績につながった。「自分がブレていっていたとしても、ロースター仲間たちと味を擦り合わせて調整していく」勉強会が一つ軸となり、澤野井さん自身のブレが少なくなっていくに連れて、焙煎もベストレシピで調整できるようになったという。    ABOUT US COFFEEが焙煎において大切にしているのは「バランス」最近の競技会では甘さが評価項目として重視されるが、そこにフォーカスするのはあくまで大会のための別軸である。 「ABOUT USという名前にはコーヒーの多様性がリンクしています。深煎りが好きな人もいれば浅煎りが好きな人もいる。ウォッシュドが好きな人もいれば、ナチュラル好きもいる。もっとギャルギャルしたコーヒーが好きな人もいる。それらすべてがコーヒーを好きになってもらうきっかけになってくれたらいいと思っています。   澤野井として、ABOUT USとしての味のアイデンティティよりは、美味しいコーヒーを主役にする焙煎をしたいと思う」"US"という言葉に多様性の意味を込めた以上、自分自身も焙煎に限らず、コーヒーのすべてを通して多様性を表現したいと語る。そんな澤野井さんが「バランス」を突き詰めるのは、ある意味で必然なのかもしれない。     今後は新しく焙煎所をオープンする予定だそう。ギーセンの6kg釜を新しく迎え、カフェとしても利用できる場所にするとのことだ。進化し続けるABOUT US COFFEEは、これからもずっとあなたの世界を広げ続けてくれるに違いない。

ONSAYA COFFEE(岡山)2023年9月Kurasuパートナーロースター

今月のKurasuパートナロースターは、岡山県にあるONSAYA COFFEE。2008年に一号店をオープンし、今年で15年目を迎える地域に深く根付いたコーヒー屋さんです。 実は一度、お店に伺いオーナーの東さんにお会いしました。カウンター越しで丁寧に淹れてくれたコーヒーはとてもおいしく。しかし、私にとってONSAYAでのコーヒー体験は単なる飲み物としての意味を超えています。何か大人になるにつれて失われていた時を取り戻した感覚に陥ったのです。ロマンと言ってしまえばわかりやすいが、あえて簡単に言い切って適当にまとめたくはない反骨精神を久しぶりに発揮。一言では言い表せないONSAYA COFFEEの魅力に迫ります。ONSAYAという名前の由来は、Richard Groove Holmesの "Onsaya Joy" というソウルジャズ曲から由来している。"Onsaya"の"ya"の音が何々屋(や)を連想させ、日本らしい雰囲気を漂わせます。そこに「音」と「茶」を組み合わせて、「音茶屋」という他にはないユニークな名前に巡り合った。「良い音楽が旅を誘い、コーヒーが人をつなぐ、そうした穏やかな日常を届けたい」という想いを込めたと話すオーナーの東さん。そんな東さんは紆余曲折な人生を過ごしてきた。高校を中退し、一度、様々な仕事を経験して、大学に入り直す。しかし、その中でも変わらず心に残っていた、コーヒーの記憶。母親が好きだったコーヒー、そして父親が連れていく喫茶店。若い頃の東さんにとって、コーヒーと喫茶店は憧れの対象だった。一度、レールから外れた人生、思い切ってやりたいことを形にすると決め、大学卒業後はすぐに起業を。周りの力も借りながら、ゼロから作り始める喫茶店。「その時の全財産は10万円しかなくて、日銭暮らしをしていた」と笑いながら当時の状況を振り返る。しかし、やり続けていくうちに常連さんも増えてきた。そのうち焙煎も自らの力ではじめ、生産地へも訪れるようになった。気がつけば、世間ではスペシャルティコーヒーという概念が広がり、全盛を迎えたようだが、ONSAYA COFFEEはどこかスペシャルティという概念が先行しないような印象を受ける。   最後に、お店にはコーヒーにまつわる話のタネがたくさん蒔かれている。だからか、不思議なことにONSAYAではコーヒーの先の景色が見える。コーヒーを飲む場所の文化、デザイン、歴史、それにまつわる様々な社会問題、これらの要素を含むコーヒーカルチャーのすべて。きっとONSAYA に訪れてみるとわかるだろう。コーヒーカルチャー的なことを想像しながら、物寂しげに流れるブルースを楽しむ優雅な時間を過ごしてほしいのです。

Gluck Coffee Spot(熊本)2023年8月Kurasuパートナーロースター

今月のKurasuパートナロースターは、熊本のGluck Coffee Spot。Kurasuサブスクリプションへの参加は2021年以来。ここ最近、日本のスペシャルティコーヒーシーンが躍進している中で、熊本のコーヒー文化が特に盛り上がっているとの話を耳にする。今回は、多くのコーヒーファンを引き寄せる熊本の魅力、そして彼らがコーヒーを介して届けたい想いについて、オーナーの三木さんとバリスタの竹内さんに質問した。   「熊本の魅力は?」と伺うと、自然と都市の距離が近いと答える三木さん。熊本市は都市としてそれなりの規模がある一方で、車で1時間以内の距離に山があり、海もある。豊かな自然に囲まれ、美味しい食材に恵まれた土地柄に魅かれ、熊本に残る若者も多いそうだ。バリスタの竹内さんもそのうちの一人。 「三木さんに声かけらことがきっかけに、常連さんからバリスタへ。気が付けば5年目になっていた」と話す竹内さん。彼女はGluckでは、挑戦できる環境の中で、意志を持って働くことができるので、ベンチャー企業で働く感覚に近いと振り返った。今は、バリスタをしながら、生豆商社であるSYU・HA・RIのグリーンの仕事にも携わり始めている。Gluckで働き始めた頃は、コーヒーにまつわる文化に興味があったが、今やコーヒーの素材、そのものへ深くのめり込んでいる最中。そんな竹内さんは、「コーヒーに関わる仕事は多岐に渡るので、エネルギーを注げるきっかけの循環をつくる一員になりたい。」と笑顔で話す。きっかけの循環。熊本のコーヒー文化が盛り上がった背景の元を言えば、同世代とのつながりの深さがあるようだ。修行から独立というパターンよりは、同世代同士で切り盛りしていく感覚に近い。だからこそ、多様な価値観が混ざり合い新しい文化が生まれ、根付く。 オーナーの三木さんが思い描く未来に、大事なキーワードも循環である。お客様がコーヒーに興味を持ち、生活の中で溶け込むコーヒーを楽しんでもらえる。それは結果的に安定した量を買い付け、生産者と長年の密接な関係を持つことにつながるのだ。「日々の積み重ねを通して、この循環の輪を大きくしていきたい。」とのこと。

豆ポレポレ(沖縄)2023年7月Kurasuパートナーロースター

今月のKurasuパートナロースターは、沖縄市にある豆ポレポレ。「ポレポレ」はスワヒリ語で 「ゆっくりゆっくり」という意味を持つ。沖縄では、日本本土に比べて時間がゆっくり流れ、沖縄の独特な時間感覚を指しウチナータイムという言葉があるくらい。お店の名前に「ゆっくりとしていこう」という想いを込めたと穏やかに話すオーナーの仲村さん。だが、実は仲村さんは、2018年イタリア・リミニで開催された焙煎の世界大会(WCRC)で2位を獲得した腕前のロースターだ。   「コーヒーをもっと学びたい」というまっすぐな動機で挑戦し始めた競技会。限られた時間の中で、コーヒーに向き合うという環境を自らつくる意識をされたそうだ。今よりコーヒーに関する情報が少なかった頃、手探り状態で始め、最初は予選敗退。しかし、毎年、挑戦し続けるうちに、仲間でありライバルのような勉強会仲間も増えて、熱意がより高まった。勉強会仲間のうちで一人、二人と大会で手応えある結果を残し始める中、仲村さんも日本優勝後、世界大会へ出場、見事に準優勝をされた。世界大会を終えて、結果に対しては嬉しさと悔しさの感情が両方ある。しかし「なぜ競技会に挑戦したいか」と最初の動機を振り返ると「もっと美味しいコーヒーを出したいから、もっと挑戦したい」というシンプルな答えに行きついた。「もっと」を追及し続けたい、ただそれに尽きるのだ。少し余談として、ここ数年で、沖縄のコーヒーカルチャーも盛り上がっている。沖縄は土地柄の性質上、コーヒーの自然栽培ができるので、コーヒー農家さんも増えているようだ。地元民も移住者も混ざった島、沖縄だからこそ、コーヒー文化の表現が自由である。深煎りも浅煎りも、美味しければ良いという感覚で、コーヒー文化のグラデーションを体感できる魅力のある場所だ。 最後に、仲村さんは、まだまだもっと美味しいコーヒーを追及したいと話す。次の挑戦に向けて、プレイヤーとしてありながらも、次世代の挑戦も応援しているとのこと。最初、競技会に参加するときは、世界が遠いように見えた。しかし、本当はそれほど大きな差異はないのかもしれない。尻込みせず、近づいてみると、実は横一線。一歩踏み出す勇気を持ち、努力を積み重ねれば、コーヒーに携わるすべての人に可能性がある。楽しみながら、ゆっくりと挑戦してみよう。

LIGHT UP COFFEE x Kurasu トークセッション

トークテーマ:『おいしいコーヒーをより多くの人に楽んでもらうために』 日時:  7/15(土) 19:00~21:00  場所:Kurasu Ebisugawa定員:20名(要予約)料金:2,000円(川野さんがサーブするコーヒー込み) ※お支払いはイベント当日店頭にてお願いします。  LIGHT UP COFFEE x Kurasu 初のトークイベント!  コーヒー業界の中でも多方面で活躍されているLIGHT UP COFFEEの川野さん、Kurasuの代表のYozoさん。二方を招き、おいしいコーヒーをより多くの人に楽んでもらうために” というテーマで話し合って頂きます。 一人でも多くのお客様が感動できるコーヒー体験をどのように生み出すか。 必要なのは、コーヒーのクオリティやプライシングへのこだわりから始まります。 さらに、多くの人にコーヒーが飲まれることで、生産地にどのような影響を与えられるか。今回のトークセッションは、川野さんとYozoさんが思い描く Seed to Cup(種からカップまで)を探る対談です。参加者の皆さんには、川野さんが一人ひとりコーヒーをドリップします。また、当日は川野さんとYozoさんに質問できる時間もあります。   ご予約はこちらのGoogleFormから!! なかなかない貴重な機会、ぜひ皆さんご参加ください 一緒に美味しいコーヒーについてじっくり考えてみませんか?

LIGHT UP COFFEE(東京)2023年6月 Kurasuパートナーロースター

 今月のKurasuパートナロースターは、都内のLIGHT UP COFFEE。LIGHT UPという言葉には「おいしいコーヒーで、毎日を明るく照らす」というオーナー、川野優馬さんの想いが込められている。大都市、東京の中でもカルチャーが盛んな街、吉祥寺と下北沢に店舗を構え、直近では、新しく導入したProbat UG22と共に焙煎所を新設。それだけではない。インドネシアのバリ島を拠点にコーヒーの精製や生産にも挑戦され、オープンツアーの開催、それらを含む活動すべてを等身大のままYoutube、ポッドキャストで配信し、コーヒーファンを巻き込むのがLIGHT UP COFFEEの、川野さんのすごさである。このように多方面で活躍されている川野さんが照らしたいコーヒーシーンの未来へ迫りたい。 最近、川野さんがコーヒーに関して自問自答している二つのクエスチョン。 一つ目に量と質のバランス。コーヒーは素晴らしい飲み物である。コーヒーは、虚構の情報が飛び散る社会の中で、目の前の一杯、リアリティのある体験を届けてくれる。美味しいコーヒーは、ぬくもりを体に馴染ませ心を穏やかにする。こんな素敵なコーヒーをどのようにして多くの人に伝えられるのか。 問いの答えは、美味しいコーヒーを飲める頻度を高めること。スペシャルティコーヒーが大量生産・大量消費に対する「量から質への転換」の意味合いで始まったカルチャーであれば、今は美味しさを追及した次元でどのようにして「質から量へ転換」していくか考える必要がある。コーヒーを楽しむファンを増やし、文化を盛り上げ、生産者とも密接なパートナーになって行きたい。 二つ目はコーヒーにおいて最も大事なことは人であるという原点。川野さんがコーヒーを好きになったきっかけであり、人生の中で忘れられない一杯に出会えたFuglen Tokyoでの原体験に触れる。コーヒーにはまりたての頃、ノルウェーチャンプオンのTIm Wendelboeのケニアを飲んだ時、クリーンでフルーティーな味わいに驚きながらも、その場にいたFuglen Tokyoのオーナー、 小島さんの説明と対話があったからこそ、コーヒー、そのものへの好奇心が増した。振り返るとコーヒーに関わる全て、バリスタとの関係性、お客様同士の会話、作り手の気持ちなど、コーヒーは、ただのモノ売りだけではなく「コーヒーを通して人がモノへ込めた意志を伝えている」という感覚に陥ったそうだ。 最後に「コーヒーについてもっと知ってもらうのは、まずはコーヒーを気軽に飲んでもらってから」と話す川野さん。これからもLIGHT UP COFFEEは、枠と幅を飛び越えて、コーヒーを楽しく伝え続けていくだろう。みんながコーヒーをもっと好きになりますように。コーヒーに携わるすべての人が明るく照らされますように。

寺崎COFFEE(山梨)2023年5月 Kurasuパートナーロースター

今月の#クラスパートナーロースターは、山梨県甲府市の寺崎COFFEE。誇張も虚飾もなく「地元に愛されるまちのコーヒー屋さん」という言葉が似合います。街角のコーヒー屋さんとして、長年、コーヒーと人と向き合ってきた寺崎さんのものがたりを少しだけ紹介。 店主の寺崎さんは大学進学をきっかけに山梨に初めて触れた。コーヒー業界に興味を持ち就職活動をしたものの、寺崎さんが想う仕事は見つけられず。一度、物事を広く見るためにイギリスへ留学した。そして24歳の頃、再び山梨に戻った時、カフェ店主をやらないかという誘いをきっかけにお店を始める。親戚もいない山梨で、若さの勢いではじめたお店。当然のように最初はお客様も少ない。しかし、お店を続けているうちにお客様からも身内のように接され、地域に溶け込んでゆくのが嬉しかったそうだ。 それから、2007年。ワールド・バリスタ・チャンピオンシップの開催地が東京だった年。その年に寺崎さんはチャンピオンJames Hoffmannのプレゼンに出会う。世界のコーヒーの行く末、初めて触れた産地特性というスペシャルティコーヒーの概念、浅煎りという焙煎へのアプローチ。コーヒーの選択肢が、喫茶店、もしくはスターバックスしかない中で、今までのコーヒーに対する概念が覆される経験だったそうだ。 今回、寺崎さんがお届けする豆は、エチオピアとホンジュラスの2種類。数年前、エチオピアの産地へ訪れた寺崎さんは、現地で山梨と近い豊かさを感じた。それは自然の恵みに囲まれた、心落ち着く豊かさ。エチオピアから日本・甲府は遠い海の向こうの小さな街。この小さな街角で飲む一杯のコーヒーから広がる世界観と想像力を大事にしています。 もう一つは、ホンジュラスの代表的な生産者、マリサベル・キャバレロさんと夫であるモーゼス・ヘレーラさんのコーヒー。彼らは持続的に美味しいコーヒーをつくれるよう大いに注力しています。新しい品種を植えたり、農園の土壌をよりよくするために全力をつくすなど、彼らが環境の可能性を信じる姿勢は、コーヒーを味わうと感じ取ることができるでしょう。 最後に、近年は日本のコーヒーシーンも急速に発展し、バリスタに憧れ、コーヒーを志す若者も増えています。寺崎さんは「コーヒー業界の若い人材に、素敵な業界だと思ってもらいたい」と想いを語られていました。メディアが発達し、届く情報は多いけれど、はじめてコーヒーに、カフェに、心が動いた瞬間はいつか。その一瞬の純粋な動機を、リアリティある原体験を、長く大事にしてほしいとのこと。「心の動機に世代も、国籍の壁もなく、みんな等しい」と穏やかに話す寺崎さんに、知らぬ間に輪を広げ、境界を超えて、笑顔を増やしていく力を感じました。

warmth (群馬)2023年4月 Kurasuパートナーロースター

今月の#クラスパートナーロースターは、群馬県高崎市のwarmth。店主の福島さんは、バリスタチャンピオンプロデュースPaul Bassettでバリスタとして経験を積み、のちにPASSAGE COFFEEの立ち上げに関わります。PASSAGE COFFEE退職後は生豆商社のSYU・HA・RIで若手のグリーンバイヤーとして活躍され、同時に地元の群馬でwarmthを営んで地域を盛り上げています。コーヒー業界の多方面で活躍されている、そんな福島さんの想いを少しだけ紹介。 「お店をやりながらも、グリーンバイヤーの仕事はできるのではないか」SYU・HA・RIの代表、辻本さんとの出会いをきっかけに至った今の働き方。若手が育ち難いコーヒー業界の課題を改善するためにも、任せてもらったので、責任をもって次に任せていくことを大事にしたい。「最終的に、焙煎やクオリティコントロールといった仕事も任せていきたい。後任が失敗しないように、最終的な判断はするけども」とコーヒーショップにおける中核な人材を育てていきたいと想いを馳せます。「抽出から焙煎、クオリティコントロールといった消費国における一連の仕事を経験し、一人ひとりがオーナーシップを持った店舗マネージャー、グリーンバイヤーとして成長してくれると嬉しい」とのこと。福島さんは、コーヒーに関わる「川上から川下まで」を経験できるシステムをどのようにつくれるのか、試行錯誤しながら後進の育成に努められています。 さて、今回、福島さんにご紹介いただく豆はSYU・HA・RIとして買い付けたブラジルの二種類です。一つは、ブラジルバリスタチャンピオンシップで3回優勝されたボラム氏が運営するファゼンダウムのコーヒー。こちらは日本初輸入のロット。ナッツのようで、まろやかな酸を持つというブラジルのコーヒーに対する印象が覆されます。もう一つは、エスピリトサント地域のコーヒー。この地域は、ブラジルの中でも標高が高く、エスピリトサントの農家たちは、過酷な自然環境の中でコーヒーを育てます。限られた農地で、熟練した農家さんが手摘みで選別した豆は、まさに作り手の味が味わえるマイクロロットです。もし「なぜブラジルを二種類も?」という問いがあれば「あえてブラジル二種類にしました」と答えたいこだわりのブラジルをぜひ楽しんでください。 インタビューの最後に「素晴らしいコーヒーマンをどう残していくか」について考えているという福島さんの言葉を、自分は「素晴らしいコーヒーマンなのか」と問い直し、今日もコーヒーを淹れます。ゆっくりと、でも早く誇れる素晴らしいコーヒーマンになりたい。

Kinoshita Shouten (岡山)2023年3月 Kurasuパートナーロースター

 今月の#クラスパートナーロースターは、岡山県瀬戸内市のキノシタショウテン。店主の木下さんは、飲食店としての原点回帰をする気持ちでお店づくりにこだわっています。便利な時代だからこそ、手を抜かずにちゃんとやりたい、「あたりまえのことをあたりまえに」と想いを話す木下さん。そして今、地元に愛されるキノシタショウテンをはじめとし、複数の姉妹店を営むに至った道程に触れます。   高校生の頃、多様な文化に触れ、視野を広げたいと考えた木下さん。「せっかく日本を出るなら、行先は世界の都、ロンドンだろう」と意気込んで留学。多様性に触れると同時に、日本のことを聞かれても上手く答えられず、まず日本について知らないといけないと強く感じ、早急に帰国をすることに。その後、東京で大学入試を準備しながら働いていたコーヒー屋で、初めてコーヒーの世界に魅了された。 コーヒー屋で店長として4年間勤めた後、より技術と感性を磨くために、職人の街、京都へ。京都では、和食屋のマネージャーとして、農家さんとつながり、食材の選定、鮮度管理までの工程を経験します。当時の経験は「コーヒーも農作物だったんだ」と考え直すきっかけになったそうだ。 その後、独立を目指して故郷の岡山に戻ったものの、既に地元を離れて10年。まずは地元を知るために、郵便局で働き始めた。郵便配達をする中で、地元の方と触れ、日々経験を積み重ねていった。昼は郵便局で、夜は焙煎室で過ごす生活を約1年以上経た末に始めたのが、キノシタショウテンだ。お店の名前の由来は、昔、地元の牛窓で切手やタバコを売る個人商店を営んでいた祖母の想いを継いだもの。 キノシタショウテンをはじめて2年目になるとき、コーヒーの知識と生産地の状況の隔たりを埋めたく、各地に足を運ばれたそうです。同じウォッシュドプロセスであっても川水もあれば、湧水もある。それらがコーヒーの味に大きく影響するということに気づいた。「コーヒーは国ごとで違うよりも、農家さんごとに全く異なる」と話す木下さん。協同で毎年同じ農家さんから買い付けて、しっかり話し合える関係性ありきで、コーヒー屋としてのあたりまえができたと振り返る木下さん。そのあたりまえができて、はじめて消費者に感動を与える「スペシャルティコーヒー」を届けられる。 毎年、一歩ずつ成長していきたいと思いを馳せる。   最後に、木下さんが話してくださった飲食店としての原点回帰とは、今の基準ではなく、昔ながらのこだわり方にあたりまえの正解があると考えること。 だからこそ、あたりまえを徹底することは、安易なことではない。今、改めて問い直したいスペシャルティコーヒーのあたりまえ。人間が操ることができない自然と向き合い、コーヒーをつくることの難しさ。そして、数多くあるコーヒーの中でも、スペシャルティコーヒーをつくることの難しさ。「お互いの立ち位置を理解し合いながら、ただ高品質なコーヒーがほしいとビジネスライクに伝えることはできない」と語る木下さんの姿勢が、私の脳裏に浮かびます。