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Kurasu Journal

Tag: クラスパートナーロースター

darestore(宮城): 2022年3月 Kurasuパートナーロースター

「カッピングよりもブリューイングで美味しい方がいい。」   今月の#クラスパートナーロースターは、仙台・青葉区のdarestore(デアストア)。 昨年末には、2店舗目として、フードメニューを充実させたdarestore Coffee&Eateryをオープンされました。   今回、2度目ということで、創業以来、焙煎を担当されている石山さんにお話を伺いしました。 冒頭の言葉には、石山さんのお人柄やコーヒーそのもの、また、それらを取り巻く環境に対する絶妙なバランス感覚が集約されているように感じました。というのも、「焙煎士」と聞くと、ストイックな反面、拘りが強く、頑固なイメージを持たれる人も少なくないと思います。 焙煎士にとって、焙煎と品質管理はセットです。焙煎をするときは、必ず、品質を確認するために、カッピングを行います。多くの場合、カッピングで美味しいものは抽出でも美味しいのですが、時に、そうでないものもあります。カッピングでの味わいを突き詰めることが、かえって、抽出を難しくしてしまう側面があります。 ただ、石山さんの考えは違います。焙煎とカッピングという反復の中に没まず、その先にある、コーヒーを淹れる人の顔、業界の現状や未来をしっかりと見つめられています。 カッピングの重要性を理解された上で、それでもなお、「みんなが美味しく淹れられてこそ」と、抽出で美味しいことを最優先に味づくりをされています。   今回、石山さんからご紹介していただく豆はインドネシアとルワンダ。インドネシアは、伝統的なスマトラやトラジャのようなゴーンとした質感ではなく、質感の綺麗さが特徴のコーヒーで、これまで、インドネシアを敬遠していた人にも美味しく飲んでもらえるはずとのこと。 そして、なんと、ルワンダは、darestore創業以来、初めての取り扱い。今では、ポテト(異常に臭い欠点豆)もほとんど出なくなり、年々、少しずつ、だけど、確かな品質の向上を受けて、初の取り扱いを決められました。味わいは同じアフリカでもエチオピアやケニアのような弾けた印象ではなく、優しく、でも、しっかりとした甘みのあるコーヒーとのことです。 最後に、「飲んでもらえることにワクワクするし、色んな楽しみ方してもらえることが嬉しい。」と語る石山さん。本当にとても魅力的な人でした。   まだまだ語り足りないですが、続きは、きっと、コーヒーが教えてくれるはずです。

aoma coffee (大阪): 2022年2月 Kurasuパートナーロースター

今月の #クラスパートナーロースター は大阪・本町のaoma coffee(アオマコーヒー)。代表の青野さんにKurasuのサブスクリプションにご参加いただくのは実はこれで3回目。 EMBANKMENT coffeeに在籍されていた時、aoma coffeeのオープン時の2020年7月、そして3回目となる今回。 全国にファンの多い青野さんのコーヒーの魅力により迫るべく、お話を伺いました。コーヒー業界に入られたきっかけや焙煎を始めた当時の思い出などを語っていただいた過去のインタビューはブログ、Youtubeにて配信しておりますのでぜひご覧ください。 「大阪は、ソース文化と言われることもあるくらい比較的インパクトの強いものが多く愛されています。その影響か、大阪のコーヒー屋は1口目、2口目で勝負するお店が多いんです」と教えてくださった青野さん。 しかし、EMBANKMENT coffee時代から貫き大切にしているという青野さんのコーヒーへのこだわりは、その地域文化とはまた違ったものでした。   「何かを突出させるのではなく地味だけど、後半にかけてじわっとくる味わいを大切にしています。ファーストインパクトは強くないが、気づいていたら飲み終わってしまう。自然とまた飲みたいと感じるコーヒーですね」と、青野さん。真摯にコーヒーと向き合い続けている姿がかっこいい!   お店がある本町はビジネス街。aoma coffeeさん目当てで本町に訪れる方も多く、立ち飲みでサクッとサラリーマンの方が帰っていくことも。職場の近くにあったら毎日通いたいですね。   豆の買い付けは全て青野さんが行い、どれも決して派手な味わいではないながら、産地の持つテロワールが感じられるものを選定されています。 今回ご提供いただくルワンダは、生産コミュニティにこだわり、その中でも味わいのクオリティが高いものをセレクト。 ホンジュラスは、高品質のハイブリッド豆。国内の研究機関で開発された品種で、錆病に強く、収穫量が取れる品種なんだとか。品質面が課題となるハイブリッド豆も多い中、ホンジュラスの味をしっかり感じることができ、生産者さんの管理が行き届ききちんと育てられている、という事で選ばれました。   今後は、焙煎所の独立も視野に入れているという青野さん。今後の活躍も見逃せませんね。   それでは皆さん、コーヒーと向き合う素敵な時間をお過ごしください。    

BREATHER COFFEE (神奈川): 2022年1月 Kurasuパートナーロースター

2022年初めにご紹介するのは、神奈川県逗子のBREATHER COFFEE(ブリーザーコーヒー)。   オーナー兼ロースターの長谷川さんは大学卒業後、空間設計会社に3年、鎌倉のスターバックスに1年勤めた後、2013年にオーストラリアのメルボルンに渡航。 初めは職探しに苦労したものの、有名店のKrimper (クリンパー) で勤める事に。能力の高さが評価され、スポンサービザを取得した上でヘッドバリスタも務める事になり、約5年間メルボルンで暮らしました。     順調にキャリアを積んでいた長谷川さんですが、日本に一時帰国した際に、面白くなりそう!と思い帰国を決意。本帰国後、長年住んでいる神奈川県を中心に物件を探す中で、山と海に囲まれた自然あふれる逗子の環境を気に入り、その日にお店の物件とも巡り合ったのだとか。その後設計会社時代の仲間の力も借り、2018年5月に開業しました。 当初はメルボルンのMAKER(メーカー)のコーヒーを提供していましたが、コロナ禍で輸入が不安定になった事もあり、昨年の4月から自家焙煎を開始。メルボルンにいた頃から始めていた焙煎の勉強に加え、日本で活躍する焙煎士の方からのサポートも受け、試行錯誤しながら今の焙煎に辿り着いたそう。 焙煎機はDiedrich( ディードリッヒ)で、大事にしているのは「浅煎りだけどしっかり火を通し、豆の個性である甘みを引き出す」こと。訪れる人が自然体でいられる逗子の土地柄に合わせ、行き過ぎていない、自分がスペシャルティコーヒーを好きになった時の気持ちを体験してもらえるような入口づくりを意識しています。 エスプレッソとフィルターとで焙煎を分け、ラインナップも酸に甘みがありわかりやすいもの、チョコレートのようなものなどバランス良く揃うので、初めての方からコーヒー好きの人まで幅広く愛されるBREATHER COFFEE。   店名の「ブリーザー」はちょっと息抜き、という意味と、呼吸する生き物という意味があり、色々な人に訪れてほしいという思いから。小さい子からお年寄りまで、カッコつけず、コーヒーが自然に生活の一部になっていたメルボルンの雰囲気を再現した空間も人気の秘訣です。 「自然に囲まれた土地でやっているんだなぁ、と逗子の様子も想像しながら飲んでいただけると嬉しいです。逗子にお越しの際は、お店に寄ってコーヒー片手に歩いて海まで、のコースをぜひ」と、長谷川さん。特別な時間を過ごせそうですね。

Philocoffea Roastery & Laboratory(千葉県): 2021年12月 Kurasuパートナーロースター

2021年最後を飾るのは、Philocoffea(フィロコフィア)。 2016年WBC世界チャンピオン粕谷さんと、船橋コーヒータウン化計画発起人の梶さんという、コーヒー業界を牽引するお二人が共同経営されています。   今回インタビューにご協力下さった粕谷さんは、バリスタ、焙煎、大会、コーチング、コンサル事業や買い付けなど幅広く活躍されていますが、そんな粕谷さんが常に感謝の言葉を向けるのが、彼を支える周りの人たちの存在。   「チャンピオンになって一番最初に取り組んだのは会社の立ち上げ。元々、1人でやるよりは皆と助け合う人生にしたいタイプなんです。常に助けてもらえる体制を整え、信頼して仕事を任せられる方達に囲まれているからこそ挑戦できる事があり、ブランドの影響力を伸ばせる。4人兄弟の末っ子だからこその生き方」と明かす粕谷さん。   焙煎所を含む4店舗を構えるPhilocoffea。それぞれが、公園を中心としたまちづくり計画や、コーヒーを通して豊かな生活を提案するプロジェクトなど、様々な人たちとの縁があって実現しました。     「美味いと思うコーヒーを作っているだけ」と話す粕谷さん。一見シンプルですが、国際的な買い付けや大会に参加し、毎年変わる美味しさを第一線で感じ取る彼の「美味い」は、まさに世界に通用する一級品。     「信じられる生豆を買うからこそ、そのコーヒーを信じられる。その豆が一番輝ける場所に持っていく焙煎をしています。焙煎に絶対はない。どう焙煎するかより、その後の味に優先順位をつける。taste first、美味けりゃいいんだ」と、粕谷さん。   今Philocoffeaが力を入れるのが、粕谷さん考案の world champion series 「友達」というプロセスの豆の生産。エチオピアの農園ですでにスタートしています。 「『友達』を広め、自分のネームバリューを活用する事で農園の方がより良い収入を得られる環境にしたり、世界中に友達を作りたい。それが実現できたら、世界のコーヒー業界はもっと平和に、より良くなると信じています」と話す粕谷さん。言葉の端々から、溢れるようなコーヒーへの愛と情熱を感じたインタビューとなりました。コーヒー業界の星に、今後も注目です。 みなさん、おめでとうございます。Philocoffeaさんのコーヒーで、来年がもっといい年になりますね!美味しいコーヒーと共に良いお年をお迎えください。  

2021年11月 クラスパートナーロースターはBasking Coffeeさん!

今月の #クラスパートナーロースターは福岡と広島に展開している、Basking Coffeeさん。⁠Photo by @baskingcoffee⁠⁠⁠(Baskingcoffee.comより抜粋)⁠------⁠「おいしいコーヒーをもっと気軽に楽しんでもらいたい」⁠そんな想いからこのお店は生まれました。⁠コーヒーを淹れたり、味わったりという時間を日常に加えることで、わたしたちの人生はちょっと心ゆたかなものになる。⁠旅をしたり、読書をしたり。家族とゆっくり過ごしたり、ひとりで物思いにふけったり。⁠そういった何気ない暮らしのなかにそっと寄り添っていられるような、そんなコーヒーを日々お届けしていけたらと思います。」⁠------⁠⁠2014年に福岡で1号店をオープンしてから、広島にも出店し、国内に現在3店舗構えています。⁠⁠福岡、広島へ行った時に絶対に行きたいコーヒーショップ。⁠そんなコーヒーを今月のサブスクではお届けしますので、登録まだの方はぜひこの機会にお得なサブスクリプションを。

Style coffee(京都): 2021年10月 Kurasuパートナーロースター

今月の #クラスパートナーロースターは、Kurasuと同じ京都市にあるStyle coffee(スタイルコーヒー)。2019年4月のオープン以来、コーヒーショップが溢れる京都で順調にファンを獲得し続ける人気ロースターです。     オーナーの黒須さんのコーヒーとの歩みは、関東にあるコーヒーショップから。数年の修行を経て、コーヒーの街メルボルンに移住し、さらに腕を磨きました。 そこではただスキルを学ぶだけではなく、その地の文化、嗜好、人の流れなどを肌で感じることができ、同じコーヒーでも国によって違うことを学べた、行ってよかった3年間だった、と黒須さんは懐かしそうに当時を振り返ります。   帰国後は、京都のスペシャルティコーヒーのパイオニア、weekenders coffeeにて抽出や焙煎を担当。経験を積む中で、自分自身で答えを突き詰めることができる環境で豆を焼きたい、という思いが強くなり独立を決意したそう。 「実は元々接客は得意じゃない」と話す黒須さんですが、今続けられているのは、シンプルにコーヒーが好きだから。「相手のニーズに合わせるのではなく、自分の好きを皆さんに伝えることが自分にできること」と、独自のスタイルを貫く姿で、より一層根強いファンを生み出しています。 黒須さんにとって、何よりも大切なことはクオリティ。常に「なぜ」と疑問を持ち続けることに重きを置いていると言います。自ら焙煎と抽出をする上で一貫するこだわりは、マウスフィール(口当たり)。 「触感を意識しそこに甘さを乗せ、クリーンに仕上げることにより、フレーバーを感じてもらえるようなコーヒー作りを心がけています」と語る黒須さんが作り出すのは、嗜好品であり人それぞれに好みも異なる中でも感じてもらえる、スペシャルティコーヒーの「絶対的な美味しさ」。 将来は農園訪問もしたい、という黒須さん。様々な経験を経て、また違った目線でコーヒーを感じ、深く知れる日が来ると思う、と楽しみにしていらっしゃいました。   今回のインタビューでは、他にもたくさんの印象的なお話を聞かせていただきました。知れば知るほど、お話を伺うほどに増す黒須さんの魅力に、もっと色んなお話を聞いてみたい!と感じる時間でした。 ここではご紹介しきれなかった素敵なお話もたくさん。     京都にお越しの際は、Style coffeeさんとKurasu Ebisugawaのハシゴでぜひ裏話を聞きに訪れてみてくださいね。お待ちしています!

HSKWKF(埼玉): 2021年9月 Kurasuパートナーロースター

今月ご紹介する #クラスパートナーロースターは埼玉県熊谷市にあるHSKWKF(ホシカワカフェ)。   代表の鈴木さんは2009年に星川通りにある本店をオープンし、その他にも市役所前に6坪の小さなコーヒースタンド、駅ビルの中にあるコミュニティをメインとする店、の計3店舗を経営されています。本店のすぐそばには5kg窯のヴィンテージのプロバットを使用した焙煎所もあり、今年で13年目を迎えるそう。   鈴木さん自身のコーヒーとの出会いは16年前、メルボルン滞在中に飲んだグロリアジーンズコーヒーのフレーバーコーヒー。帰国後偶然が重なり、グロリアジーンズの関東初出店の店長としてキャリアをスタートさせました。元々ミュージシャンという異色のバックグラウンドを持つ鈴木さん。しかし実際に音楽の世界で働く中、不安定な仕事だと感じたことや、お祖父様が喫茶店を経営されていたことなど、様々な影響を受けてコーヒー業界へ。その後スペシャルティコーヒーに出会い、産地や豆自体の個性に興味が湧き、独立し今に至ります。   現在運営する3店舗のカフェは全て違うコンセプトになっているのも特徴。各店舗ごとにターゲット層も違い、それぞれの地域との関係性や、町興しにも積極的に参加するため、全ての店舗を作り込んでいるのが印象的です。     これだけ違うコンセプトを持つ複数店舗を運営する場合、豆のグレードや焙煎度合いを変えて価格を設定する方が多い中、鈴木さんは全ての店で共通の豆を使いながらも、挽き目や収率を変更するなどして柔軟に対応しているのが驚きでした。カッコイイ豆のパッケージは、鈴木さんご自身がコーヒーを飲んだ印象でキャンパスに向かって描かれているとのこと。デザインを見て味を想像しながら楽しむことができるのも魅力の一つですね。   そんな素敵な鈴木さんは今回のインタビューで、「生産者さんの作られたコーヒーの味わいを僕たちのフィルターを通して提供しています。いつか、購入している生産者さんに会いに行く目標があります!お口に合えば嬉しいです」と照れながら話してくださいました。埼玉のコーヒーシーンも年々盛り上がっていて、地元に帰ってきてこれから頑張る若者達の手本になれるような存在でいたい、と話す鈴木さん。埼玉に訪れるのが楽しみになるお店です。  

townsfolk(石川): 2021年8月 Kurasuパートナーロースター

今月の #クラスパートナーロースターは石川県金沢にあるtownsfolk coffee。 オーナーの鈴木さんは大学卒業後商社勤務、ITベンチャーを経て、NOZY COFFEE(東京)、Prolog Coffee(デンマーク・コペンハーゲン)にてバリスタ兼ロースターとして経験を積み、2020年7月にお店をオープンされました。       お店のコンセプトとして「Specialty coffee bar and roastery with Nordicstyle」を掲げ、焙煎のアプローチや、抽出のスタイルなどに、北欧で学んだ技術や哲学が光ります。       中でもコペンハーゲンのコーヒー文化にとても良い影響を受けたという鈴木さん。立場に関係なく、生活のどんなシーンでも、皆が当たり前のように同じコーヒーショップを利用する光景に感銘を受け、お店の雰囲気も含めその部分をとても大切にされています。 お店の名前、townsfolk には「町民・町の人」という意味があり、町の人々に愛される、生活に寄り添うような場でありたいという鈴木さんの思いが込められています。       お店を構える金沢には、まだまだスペシャルティコーヒーのお店は少なく、ここでスタートすることが大切だと語る鈴木さん。 金沢でコーヒーの魅力を届けたい、まだスペシャルティコーヒーのことを知らないお客様に知っていただき、新しい発見、驚き、面白さを届けたい、という熱い想いを持っていらっしゃいます。 「皆さんの元に届いたコーヒーは、自分自身の思う”美味しい”を詰め込んでいます。なので素直に、難しいことは考えずに普段通りに楽しんで」と語る鈴木さん。インタビュー中、話される言葉からとても優しいお人柄を感じました。   townsfolk coffeeの前には緑が美しい公園があり、そこでコーヒーを楽しむこともできます。 金沢にお越しの際はぜひ、townsfolk coffeeでコーヒーを飲み、町歩きを楽しんでみてください。   Photo by Nik van der Giesen 

COYOTE (京都): 2021年7月 Kurasuパートナーロースター

今月ご紹介する#クラスパートナーロースターは、京都のCOYOTE。 この夏、京都駅近くにお店を移転し『COYOTE the ordinary shop』と店名を変え、お馴染みのコンビを解消、新たに“焙煎士” “バリスタ” “バイヤー”のトリオを結成した。新店舗はオープン開始から注目を集め続けている。     彼らはBetween you and producerを掲げ、エルサルバドルからダイレクトトレードしたコーヒーを消費者にとっても、生産者にとってもクリーンで持続可能な形で生産者のストーリーとともに届けている。 代表の門川さんは約2年間、南米エルサルバドルのコーヒー農園に住み込み小規模生産者の支援に携わっていました。帰国後、以前勤務していた会社の同期、寺田さんと2020年にCOYOTEをスタート。門川さんがバイヤーと焙煎、寺田さんが抽出を担当。2人が揃うことでfrom seed to cupが成立する。現在2年目に突入し新たに加わったスタッフと共に、2021年7月「COYOTE the ordinary shop」をオープン。     カフェという挑戦は始まったばかり   「特別な1杯ではなく、日々の生活に溶け込むようなコーヒーを提供し、カフェを気に入っていただけた方に実はこだわりのお店だって気づいてもらい、それが根付いていくようなお店にして行きたい」、そう語る門川さん。インタビューする中で強く感じたのは、彼らの生産者に対する想い。今はまだロースターやコーヒーショップが脚光を浴びることが多いけれど、生産者に対してもっと興味を持ってもらえたら嬉しい。     誰が焼いたから美味しい、ではなく、誰が作って、誰が焼いたから、の部分まで気にしてもらえたら嬉しい― 魅力的なラインナップとストーリーで、毎日の一杯を人間味あふれる体験にしてくれるのがCOYOTEの魅力です。   Kurasu Kyoto Standから徒歩五分。京都を訪れる際はぜひハシゴで訪れてみてください。    

Gluck Coffee Spot (熊本): 2021年6月 Kurasuパートナーロースター

今月ご紹介する#クラスパートナーロースターは、熊本のGluck Coffee Spot。 熊本の中心地に2017年にオープンした本店のGluck Coffee Spot、パティシエが創り出す焼き菓子とコーヒーのペアリングを提案する姉妹店、licht coffee & cakes (リヒト コーヒー&ケークス)、そして焙煎所と、3つの店舗を切り盛りするのはオーナー、ロースターの三木さんだ。   コーヒーとの歩み 自家焙煎経験ゼロからスタートしたという三木さん。お店を始める前は、アパレルショップの一角にあるバーカウンターでコーヒーを淹れていたそう。そこで提供していたのは熊本の有名店、AND COFFEE ROASTERSのコーヒー。彼らのコーヒーは、三木さんのスペシャルティコーヒーとの衝撃的な出会いをもたらした事でも思い出深い味だ。     熊本城にほど近い古民家をリノベーションした本店は、年月を重ねた木の温かみが感じられる居心地の良い空間。2019年にオープンした2店舗目のlicht coffee & cakesは、熊本駅前の便利な立地で、同じく木材を基調にした内装だがよりすっきりとモダンな印象だ。去年オープンしたばかりの焙煎所は、本店から車で30分程度走った所、住宅地の一角にある。広い空間に、コーヒー器具が並び、プロバットの5㎏窯がどっしりと厚みのある存在感を放っている。 「個人的には浅煎りのフルーティーなコーヒーが好き」と話す三木さんだが、お話を伺っていて興味深かったのが、店舗によってガラリと変えた雰囲気と、それに合わせた業務形態の違いだ。     「提供するコーヒー豆は店舗ごとに使い分けているんです。2店舗目のリヒトにはパティシエがいて、お菓子とコーヒーのペアリングを提案するカフェに特化した形で営業しています。来てくださるのは20代前半の若い方たちが中心で、ラテなどエスプレッソベースのドリンクが人気です。フィルター抽出の注文との割合は7:3ぐらい。ところが本店はほぼ真逆で、フィルター抽出が中心によく出ます。来てくださるのは高校生〜年配の方まで幅広い層。同じ熊本で、地域が同じでもこれほど違いが出るのは面白いですね」と三木さん。 お店をはじめたばかりは深煎りを求めてやってくる人が多く、今でも幅広い好みに合わせて楽しんでもらえるように、中煎りと深煎りのブレンドも提供している。   Gluck Coffeeの焙煎 三木さんが焙煎するコーヒーを表現するキーワードは、「クリーンカップ」と「スイートネス」。信頼するインポーターから買い付けた豆を、まずは浅めに焙煎し、カッピングと微調整を繰り返しながら、ホットで飲んでも、アイスで飲んでも、更には水出しでも美味しいGluck Coffeeの味に仕上げる。 「焙煎も抽出も、スイートな印象に作り上げること、口当たりもよく甘くて、冷めても飲み心地がいいカップに仕上げる事を心がけています。また、抽出器具でガラッと印象が変わらないのもGluck Coffeeブランドのコーヒーの特徴です」と三木さんは説明する。 現在は産地からダイレクトトレードを行っている九州のインポーターから豆を仕入れている。現地の情報をリアルに伝えてくれるので、扱う豆や産地、生産者に親近感を持って接する事ができるのが魅力だという。     熊本と三木さんのこれから 大分出身だという三木さん。「熊本のいいところは?」と伺うと、大きすぎず小さすぎず、規模感が良いところ、流行りに敏感な県民性、そして食材が美味しくご飯が美味しい所、と教えてくれた。 「カフェは多いのですが、自分の世代で、というと熊本はまだ(コーヒー屋さんが)少ない。地元への愛着が強い人が多い熊本ですが、若い人たちがコーヒーをやりたいなと思っても地元で働く場所がないのが現状です。九州なら福岡に行くのがほとんどですね。 熊本にも少しずつお店が増えたら、働く場所が増えるし、そうすることで熊本出身のバリスタもちょっとずつ育てていけたらいいな、と思っています」と三木さんは話す。 今後の展望としては、技術向上、そしてより深く素材を理解すべく、自分でも産地へ行ってみたいそう。「自ら買い付けをするとなるとそれだけ消費量も多くならなければいけない。お店を始めて5年目になるけれど、ここからどうしようかと話し合っています」という三木さんの眼差しは、未来へ向けて輝いていた。 Gluck は、ドイツ語で「幸せ、幸福」を意味するという。様々な人々の好みやライフスタイルに柔軟に寄り添う三木さんは、これからも、熊本を愛する人々、そして日本中、世界中へ幸せを届けてくれることだろう。  

NAGASAWA COFFEE (岩手): 2021年5月 Kurasuパートナーロースター

今月ご紹介する#クラスパートナーロースターは、岩手・盛岡のNAGASAWA COFFEE。 初めてパートナーロースターとしてご参加いただいたのは、2019年11月。それ以来、パンデミックをはじめとし、色々な変化があったこの1年半の間、どんな風に過ごし、どんなことを思っていたのかーロースター・オーナーの長澤さんにお話を伺った。   「安心して来てもらえる場所にしたい」ーコロナ禍で変わったこと、気づいたこと 関西のイベントなどでも度々お会いする機会があり、東京やさらには台湾と、国内外で精力的に活躍されてきた長澤さん。しかしコロナ禍でそういったイベントごとへの参加がなくなり、岩手からほぼ出ていないとのこと。 「コーヒーを飲んで喜んでもらったり、楽しんでもらったりするのが本当に好きで、喜んでもらうためならどこにでも行きます!という感じで色々なイベントに参加して来ました。また、盛岡以外でも活躍することで、盛岡の人への説得力にもなると考えています。でも、それがなくなって、盛岡は地方都市なのですが、陸の孤島で営業しているような感じです。 (コロナ禍による変化で)感じたことは、まずは地元のお客様には本当に助けられているということ。あと、カフェに行けなくても、コーヒーを飲みたいという人はたくさんいるんだなということです。通販で購入して、お家で楽しんでくださる方も増えたので、発送体制もより良く整えています」、そう長澤さんは振り返る。 世界中で、誰もが1週間後の未来さえ予想ができなくなってもうしばらくになる。そんな不安定な状況の中、長澤さんが大切にしているのが、「揺らがない」こと。 「いつもここに来れば美味しいコーヒーが揃っている」、そう思ってもらえる場所。誰もがゆったりとした空間でコーヒーを楽しめ、居心地のいい時間を過ごせる、そんな場を提供する。それが長澤さんの最初からのスタンスだ。 コーヒーはみんなの日常に普通に存在するもの、だから世の中が不安定に移り変わっても、繰り返し訪れる日常に寄り添い、安心してきてもらえる場所にしたい。そう願いながら、長澤さんは今日もNAGASAWA COFFEEの扉を開ける。   NAGASAWA COFFEEの、「いつもの味」を求めて 今回ご提供いただくのは、NAGASAWA COFFEEの柱であるというエチオピア ゲデブと、グアテマラのラス リモネス農園。 特にエチオピアは定番で、長澤さん自身が数年前にウォッシングステーションにも訪問し、自らの目で見て来た思い入れもさることながら、何よりそのクオリティの高さと安定感に深い信頼を寄せているという。「年間を通して購入し、自信を持って紹介しています。提供するコーヒーは基本的にはコロコロ変えず、間違い無いと思っているものを使い続けています」と、長澤さん。 どちらのコーヒーも、NAGASAWA COFFEEのいつもの味、としてファンからの熱い支持を受けている。いつ行っても暖かく迎えてくれる空間と、求める味が揃うカウンターには、長澤さんの創業当初からの思いが随所に感じられる。 NAGASAWA COFFEEの味で、岩手に旅に来たような気分になってもらえれば、と笑う長澤さん。まだまだ旅行ができる日は遠いけれど、コーヒーカップに浮かぶ、ひとときの旅気分をお届けできるのが楽しみだ。  

ABOUT US COFFEE (京都): 2021年4月 Kurasuパートナーロースター

今月の#クラスパートナーロースターは、京都のABOUT US COFFEE (アバウトアスコーヒー)。2019年10月にオープンした比較的新しいコーヒーショップだが、コンセプトやコーヒーに出会いにやってくるお客様への接し方など、考え抜かれ提供されるコーヒー体験とおしゃれなインテリアですでに多数のファンを持つお店だ。人気のコーヒー系YouTuber、カズマックスさんのブレンドも手がけている。今回は、そんな新進気鋭のロースター、店主の澤野井さんにお話を伺った。   「お店はキャンバス。来てくれるお客さんや、コーヒーを淹れるスタッフがこの空間にいてくれることで完成する場所」   京阪伏見稲荷駅から徒歩4分ほど歩いたところにあるABOUT US COFFEE。隣接しているのは京町家を改装した宿、「稲荷凰庵」と、風情のある小道へ大通りから一本入ったところに店舗がある。「白いキャンバスのようにしたかったんです。お客さんやスタッフがこの空間にいてくれることで、絵が完成するような」と澤野井さんが説明してくれた店内に入ると、一階はモノトーン、二階のイートインスペースは雰囲気が変わって白を基調にしたラグジュアリーな空間。近隣の大学に通う学生たちを含め、比較的若い世代が素敵な空間と美味しいコーヒー、フードを楽しみに訪れる。   焙煎機はディードリッヒの2.5kgを使い、品揃えは浅煎りを中心にシングルオリジンの深煎りまで、常時6種類程度を提供している。   「深煎りやエチオピアのナチュラルが人気です。エチオピアだから、というわけでもなく、まだどんなコーヒーが好きか分からないという方が、あっ、美味しい、好き、とおっしゃる事が多いです。僕もはじめエチオピアから入った事もあってやっぱりエチオピアは強いなぁと思います。個性のあるコーヒーを色々と揃えていますが、コーヒー、と聞いて思い浮かべる味わいはやはり苦みなのか、深煎りもよく出ています。パティシエのスタッフも新しく入ってくれたので、浅煎りの美味しさもどんどん伝えられるように、新作のお菓子ではペアリングについても考えています」と、澤野井さん。   コロナ禍、オンラインでつかんだ新たな道筋   コロナウイルスの影響でやはりカフェを訪れる客足は減ったと話す澤野井さん。去年の四月には、家賃と固定費を払い、スタッフにお給料を渡すと何も残らない、というところまで売り上げが落ち込んでしまったという。色々な方法を模索する中、オンラインストアをオープンした。さらにYouTuberのカズマックスさんのブレンドを手がけたところ、一気に100㎏分ほどの注文が。   「YouTuberの力はすごい、本当にそう思いました。オンラインストアをはじめたばかりでいきなり大量の焙煎や注文管理、発送作業に対応したことで、色々と課題点も見えてきました。どうしようかと思いましたが、大量に焙煎する時の品質の安定、そして更に向上させることも含め、早い段階で色々な課題がしっかり見えて、レベルアップできたので良かったと思います。今後ロースターとしてしっかり認知されていくにあたって、客観的な基準というか、肩書にも拘っていきたいと思います。Qグレーダーの資格は持っているのですが、さらにJCRC(ジャパン コーヒー ロースティング チャンピオンシップ)などの大会にも挑戦していきたいです」、そう澤野井さんは当時を振り返る。   全く違う業界からコーヒーの世界へ   「自己表現が苦手で、言葉以外で表現できる手段が洋服だった」と話す澤野井さんは、ABOUT US COFFEEをオープンする前は、ハイブランドの販売員をつとめていた。   銭湯を営む家で育ち、自営業という環境が身近にあった澤野井さん。いずれは自分もお店を、と思っていたという。洋服が好きで、自然とファッションの道へと進んだ。洋服に込められたデザイナーの想いやコンセプトを知り、その魅力を顧客に伝える仕事は充実したものだった。個人でもファッション関係のインスタグラムのアカウントを運用し、一時期はフォロワーが8千人ほどいたこともあるという、天性のストーリーテラーだ。   しかし、自分で何か事業を、と考えたとき、澤野井さんが選んだのはスペシャルティコーヒーだった。「社会人になるまでコーヒーは飲めなかったです。勉強のため、眠気覚ましのために飲む苦いものだと思っていました。でもある時LiLo Coffee Roastersさんでラテを飲んで、そのフルーティーさにびっくりして。ラテからこんなベリーの味がするんだ!と思いました。そこを入り口に、コーヒーの特徴やフレーバーにも興味を持って、ブラックコーヒーも飲むようになりました」と振り返る澤野井さん。   自分でも美味しいコーヒーを淹れられるようになりたい、そんな気持ちが高じて、食に関わるプロを育成する専門学校、レコールバンタンに入学。バリスタ、抽出の基礎的なコースを選択し、その後さらに深くコーヒーを学ぶため、続けて焙煎のコースを受講した。   「京都にはコーヒー屋さんが多いし、その中でも自分なんてまだまだ、と思います。でも、たくさんあるからこそ巡ってくれる人も多いだろう、と考えて出店を決めました。カフェ巡りをする中で、うちが候補の一つになってくれたら、そして来てくれた時に、期待値以上のものを出せたら自然と口コミなどで広がっていくだろう、と考えています。」そう話す澤野井さん。   自分でお店を立ち上げる、と考えた時、アパレルのセレクトショップをするのも何か違う、と思ったという。だからといって、自分で洋服を作れるか、というとその部分は専門ではない。それまで澤野井さんが積み重ねてきたスキルというのは、顧客と話し、ブランドのストーリー、デザインの後ろにあるものを伝える事でその人と商品とのマッチングをすることだった。    「そういう意味で、生産者のストーリーがあって、豆に個性があって、自分も面白い、美味しいと思うものを紹介していくスペシャルティコーヒーショップが良いと思ったんです。 だからコーヒーショップって、基本的にアパレルのセレクトショップと同じだと思っています。来てくださる方にマッチするコーヒーが見つかるように、色んな産地や品種、プロセスが並ぶように心がけています。Qグレーダーの視点から、客観的にポテンシャルが高そうなもの、ラインナップがかぶりそうじゃないもの、甘味がしっかりあるもの、など、幅広いタイプのコーヒーを提供しています。」と、澤野井さん。   自らのスペシャルティコーヒーとの出会いを振り返ったとき、澤野井さんにとっての「正解」は、エチオピア、浅煎りのフルーティーな味わいだった。けれど、他の人にとっての正解はまた違うかもしれない。そう澤野井さんは言う。だからABOUT US COFFEEでは、豆の多様性、焙煎度合いの多様性を大切にしながら、豆の個性が出やすい浅煎りの魅力も伝えられるように力を入れている。   「店内をキャッチ―なデザインにしたこともあって、若い世代の方が多く来店されます。コーヒーが飲めない、という人がいらした時にコーヒーを好きになるきっかけになれるよう、まずはコミュニケーションをしっかりとって、どんなコーヒーをお勧めするのがいいかをきちんと見極めます。例えば、苦いのが苦手、といっても、その”苦い”にも色々ある。焦げたような苦さか、レモンの皮を噛んだような渋さか。人によっては、その”苦い”は”酸っぱい”かもしれない。あとはその日の気分でも飲みたいコーヒーって違いますよね。安心したい気分か、挑戦してみたい気分か。その辺りも、試飲やヒアリングしながら接客を進めます」澤野井さんはそう説明する。...